『“好きを仕事に”は正解か──じゃあ、仕事の本質って?』
「好きを仕事に」って、よく聞きますよね。
でも、料理人として33年やってきた今、
私はその言葉にずっと疑問を感じています。
料理の道に入った当初、私は料理が“好き”だったわけではありません。
面倒なことも多く、むしろ嫌になる場面もたくさんありました。
それでも続けてこられたのは、仕事の中で「好きになっていったこと」や
「やり甲斐を感じられる瞬間」が積み重なっていったから。
つまり、「好きだからやる」のではなく、
「向き合い方次第で、好きや誇りが育つ」ものなのではないかと、
今は思っています。
仕事を通して見えてきた本質は、
人を喜ばせること。チームをまとめ、数字と向き合い、技術を磨き、
信頼を築くこと。
そこには、「好き」だけでは足りない世界が広がっています。
“好きを仕事に”という言葉は、きっかけにはなるけれど、ゴールではない。
それを、料理という現場から改めて伝えたいと思いました。
