なぜ優しい人は、大富豪かド底辺のどちらかしかいないのか?



世の中の収入や成績のデータを取ると、とても奇妙な事実が浮かび上がってくる。

  • トップ層(一番上) → めちゃくちゃ優しい人

  • 中間層(まんなか) → 自己中心的な人、あるいは普通の人

  • 最下層(一番下) → めちゃくちゃ優しい人

普通に考えれば、

  • 要領の良い自己中心的な人

  • ある程度バランス感覚のある普通の人

が上に行きそうなものだ。

しかし現実には、優しい人が「最強」と「最弱」の両方に分かれている。

なぜこんなことが起きるのか。
この本では、人間の行動を4つのタイプに分けて説明している。

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4つのタイプとその特徴

これは性格診断ではない。

人は相手や環境によって変わる。

仕事では自己中心的でも、家族の前では優しくなる人もいる。
友人関係では普通の人、というケースもある。

大事なのは、

「自分が何者か」

ではなく、

「その場でどう振る舞うか」

である。


利己的と利他的による4種類のタイプ

① テイカー

(自分の利益が最優先)

  • 自分が得するか

  • 勝てるか

  • メリットがあるか

を重視するタイプ。

他人の手柄を奪ったり、
自分の評価を優先することもある。

短期戦ではかなり強い。

ただし長期になると、

「あの人は信用できない」

という評判が広まり、
徐々に仕事が回ってこなくなる。


② マッチャー

(公平・バランス重視)

世の中の大多数はこのタイプ。

  • してもらったら返す

  • 嫌なことをされたらやり返す

という、
貸し借りを合わせたい人たち。

特徴的なのは、
周囲の空気に影響されやすいこと。

  • 与える文化 → ギバー寄り

  • 奪う文化 → テイカー寄り

へ変化していく。


③ 弱いギバー

(自分を犠牲にする優しい人)

  • 人のためには頑張れる

  • でも自分のために頑張れない

タイプ。

頼まれると断れず、

  • テイカーに利用される

  • 仕事を抱え込みすぎる

  • 我慢しすぎる

ことで潰れてしまう。

これが、
最下層に落ちてしまう人の正体である。


④ 強いギバー

(他人も自分も大事にする優しい人)

  • 人のためにも頑張る

  • でも自分も同じくらい大事にする

タイプ。

  • 断る時は断る

  • テイカーを避ける

  • 自分の時間を守る

という自己防衛の武器を持っている。

これがトップ層に君臨する人の正体である。

つまり、

「最弱になるか最強になるか」

の違いは、
能力の差ではない。

自分の身を守る武器を持っているかどうか。

それが、
強いギバーと弱いギバーを分けている。


なぜ強いギバーが最後に勝つのか

人生や仕事は、
短距離走ではなく長距離走である。

ここで、
お金の稼ぎ方に大きな差が生まれる。


テイカーの失速

テイカーはスタートダッシュが強い。

  • アピール

  • 他人利用

  • 成果の独占

によって、
最初は成果を出せる。

しかし長期になると、

「あの人は信用できない」

という悪い評判が積み重なる。

結果として、

  • 誰も助けてくれない

  • 人を紹介されない

  • 仕事が来ない

状態になっていく。


強いギバーの大器晩成

強いギバーは、
最初は損をしているように見える。

しかし長い目で見ると、

  • 信頼

  • 良い評判

  • 人脈

がどんどん積み重なっていく。

すると、
徐々に仕事やチャンスが自動的に集まり始める。

最終的には、
テイカーを大きく引き離す。


「意味」があるとギバーはバケモノ級に強くなる

本の中で特に面白かったのが、
大学の寄付を集めるコールセンターの実験。

見ず知らずの人に電話して、
寄付をお願いする。

断られ続けるので、
精神的にかなりきつい仕事である。

最初は、

  • テイカー → トップ

  • ギバー → 最下位

だった。

ギバーは、
相手に共感しすぎてしまうから。

しかし、
ある工夫で結果がひっくり返る。

その寄付金で学校に通えている学生を呼び、

「あなたたちのおかげで人生が変わりました」

と、たった5分だけ感謝を伝えてもらった。

すると、
ギバーの成績が爆発的に上昇した。

  • 電話時間 → 約2倍

  • 集めた寄付金 → 約5倍

まで伸び、
ダントツのトップになった。

ギバーは、

「自分の行動が具体的に誰の役に立っているか」

を実感した時、
信じられないほど強くなる。

逆に言えば、
意味を感じられない環境では弱くなりやすい。


ギバーは本当に燃え尽きるのか

ギバーは燃え尽きやすい、
と言われる。

しかし、
それは半分正しくて半分間違っている。

問題なのは、

  • 他人に与えること

そのものではない。

本当に危険なのは、

  • 感謝されない

  • 搾取される

  • 成果が見えない

  • 自分を守れない

状態が続くこと。

つまり危ないのは、
「弱いギバー」である。

一方で、
強いギバーは違う。

人に貢献し、
喜ばれること自体が、
エネルギー補給になる。

だからこそ、
長く走り続けられる。


昔の友人が人生を変える

面白かったのは、

「親友より、少し遠い知人の方が役立つ」

という話。

例えば、

  • 昔の同級生

  • 元同僚

  • 何年も会っていない知人

など。

いつも一緒にいる人は、
自分と似た情報や価値観しか持っていない。

だから相談しても、
同じ結論になりやすい。

しかし昔の友人は、

  • 違う業界

  • 違う価値観

  • 違う人生

を持っている。

だからこそ、
自分にはない新しい視点を運んできてくれる。


なぜギバーは昔の友人に連絡しやすいのか

ここでもギバーの性質が強い。

マッチャーは、

「久しぶりに頼み事をするのは申し訳ない」

と感じてブレーキがかかる。

しかしギバーは、

  • 相手を気遣う

  • 下心なしで話せる

  • 自分も助けようとする

というスタンスなので、
気負わず連絡が取れる。

相手側も、
自然に力を貸しやすい。


人は環境によって変わる

フリーマーケットの例も面白い。

ネット上で、
子育て用品などを完全無料で譲り合うコミュニティがある。

最初はみんな、

「タダでもらえたらラッキー」

という気持ちでやって来る。

しかし、
見ず知らずの人から無条件で親切にされる文化に触れるうちに、

「次は私も何か渡そうかな」

と変わっていく。

人は固定された存在ではない。

  • 足を引っ張り合う環境 → テイカー化

  • 与え合う環境 → ギバー化

していく。

だからこそ、
与える文化を作ること自体に意味がある。


弱いギバーが自分を守るための技術

本の中で、
一番実践的だと思った話。

弱いギバーが、
強いギバーへ進化する方法。

それは、

「自分自身を、自分の子供や教え子のように扱う」

ことである。


自分のためだと戦えない

弱いギバーは、

「自分の利益」

のためには強く出られない。

だから、

「私が我慢すれば丸く収まるか」

と、
無理な要求を引き受けてしまう。


でも「守るべき誰か」だと戦える

一方で、

「この子を守らなければいけない」

と思うと、
急に強くなれる。

例えば、

「こんな不当な条件をこの子に飲ませるわけにはいかない」

と思えば、
テイカー相手にも強く交渉できる。

つまり、

心の中は優しいままでも、
行動としては自分を守れる。

この考え方こそ、
弱いギバーから抜け出す最大の技術だった。


最後に

この本は、
「優しい人になろう」

という単純な道徳の話ではない。

  • 長い目で信頼を積み上げること

  • 人との関係を大事にすること

  • 与える文化を作ること

が、
結果として一番強い、
という話だった。

ただし重要なのは、

「弱いギバーにならないこと」

である。

自分を犠牲にし続ける必要はない。

人に与えながら、
同時に自分も守る。

そのバランスを取れる
「強いギバー」

として振る舞うことこそが、
長い目で見た時に、
人生を一番良い方向へ持っていく。

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