映画『えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』に感じること
お笑い芸人であり絵本作家でもある西野亮廣さんが製作総指揮を担当した映画『えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』が3月27日に公開された。
が……前作と比べ思うようにいってないみたいだ。
中には「爆死」とまで書くニュースも多々。
一体、どんだけの爆死具合なのよ?
調べてみると、前作は…

すでに初月の段階で、2作目が3週間かけて達成した30万人を軽々と突破していた。
2021年4月以降も観客数を伸ばし、最終的には…。
2020年12月に公開された『映画 えんとつ町のプペル』。新型コロナウイルス禍でエンタテインメントが苦境にあえいでいたなか、国内総動員数196万人、興行収入27億円というヒット作となった。
185万人からさらに11万人を上乗せし、トータルの動員数は196万人を達成!
まさに「大ヒット作」と言っていいレベルの映画となった。
そんな約1週間で32万人の動員できた前作と比べ、パート2は3週間で観客動員数30万人と…これでもスゴい数値なわけだが、やはり「前と比べると…」って見えてしまう。
で、ここからどうやって大逆転するのか!?
西野ウォッチャーとしては非常に興味がある。
西野さんはこの結果を受けて、毎日のようにYouTubeの生配信を行い告知をしまくっている。
ただ、その中で「前作と比べて大爆死と言われている」と本人も言ってはいるが、前作と比較する数値の部分は一切言わない。
(【Voicy】で聞いている限り)
なので、1作目の動員数などは自分で調べたわけだが。
失速した原因については、色々言われている。
「パート2はヒットしにくい(ジンクス)」だとか。
インプレを稼ぎたい輩の批判コメント(意見、見解)としては
「オンラインサロンメンバーの数が減少したから」
「公開時期の問題(ライバルが多すぎる)」
「そもそも作品が面白くない」
などの難癖をつけている。
まぁ、サロンメンバーの減少は大きな要因の1つには挙がるだろう。
だって、1作目公開の時は確かサロンには6〜7万人ぐらいいなかったっけ?
狂信的な彼らが3〜4回鑑賞すれば、それだけで30万人近く動員されるわけで。
現在は2.5万人ぐらいなので、動員能力が半分以下になってしまった。
中身に関しては、「実際に映画を観た客」の評価はいいみたい。
実を言うと…俺は映画を確認していない。
さらに言えばパート1も見ていない。
多分、両方とも感動できる作品なんだろう。
というのも、いやね……絵本の無料公開を実施した時に見たんだけど、亡くなった父親の話があってさ…。
なんか「テッパンやん! ずるいわ!」って思ってしまって。
いい話なんだろうけど、そのトラウマがあり、ビジネス回り(仕掛け・マーケティング)は追いかけているけど作品に関してはノータッチ。
なので【観たら感動する】を前提に話を進めてみる。
そんな自分が思う、前作と今作の最大の違いは…
サブスクの台頭
なんじゃないかと思っている。
以前から『Netflix』も『Amazonプライム』もあったけど、新型コロナがキッカケでサブスク系の配信コンテンツが爆発的に伸びた。
加えて、『YouTube』で動画を作成する配信者も爆増した。
つまりは、画面の大小はあれど、トータルしてスクリーン・エンタメの飽和が起きているんじゃないのかな…と。
「わざわざお金を払ってまで見る手間が惜しい」
「サブスク内に無限のコンテンツがあるのに、追加でお金を払って映画を観るなんて別にいいや」
という若者が増加している気がする。
そんな「手間」とか「追加料金」の壁を飛び越えてまで映画館に足を運ばせるのが、話題となっている作品を見たい…という評判の力であり、「みんなが観ているなら観ておこう」という【バンドワゴン効果】なのかな…と。
昨年だと『国宝』がその際たる例で。
作品の力が話題を呼び、さらにバンドワゴンへと加速していったわけだ。
西野さんも「ソコ」を狙っているんだと思う。
だから毎日動画配信をして、コツコツと1枚1枚、大切にチケットを売っているわけで。
だた個人的には、その売り方が俗に言う「AKB商法」と言われる方向に走っちゃっている気がするわけで、それがまだ映画の中身を知らない大衆の嫌悪感を増す原因になっているんじゃないのかな…とも個人的に推察。
本当の意味で「どぶ板営業」をするなら、出現場所を告知しないで、路上を歩く人に手売りをすればいいんじゃないかと思っている。
だって、「◯◯に来てください」と告知して集まるのは、すでに映画が届いている(=観ている)ファンが9割以上でしょ…おそらく。
このように、ファンに新たな特典を付けて何度も足を運ばせる…。
プペル教界隈で言うところの「何プペ目」という、足を運んだ回数を示す専門用語が「AKB商法」に見えて、まだ映画の届いていない一般客に嫌悪感を持たれてしまっているんじゃないかと感じた。
西野さんは、ファンでない一般客に作品が届かない理由を「エコーチェンバー(現象)」と言っていた。
エコーチェンバー現象あるいはエコーチェンバーとは、自分と似た意見や思想を持った人々の集まる空間(電子掲示板やSNSなど)内でコミュニケーションが繰り返され、自分の意見や思想が肯定されることによって、それらが世の中一般においても正しく、間違いないものであると信じ込む現象。
または、閉鎖的な情報空間において価値観の似た者同士が交流・共感し合うことで、特定の意見や思想が増幅する現象。
つまり、AIによるレコメンドが一般化している令和の時代で、AIが勝手にオススメしてくる「これ、お前好きなコンテンツなんだろ?」の壁を越えないと、輪の外にいる人に作品が届かないというわけで。
映画好き
西野亮廣ファン
流行り物好き
の”外側”には、商品や作品が届きにくいという現状がある。
そのため、外側にいる人に気付いてもらう方法として、テレビや雑誌などの媒体で告知したりするわけだ。
普段、触れ合う機会が無い人のいるゾーンに出向くことで、存在に気付いてもらえる努力をするっていう。
まぁ、「配信によるライブコマース」と「路上で辻説法形式の手売り」を天秤にかけて前者を選んでいる可能性だってもちろんある。
本当に1枚ずつ大切に売ることで、エコーチェンバーの外側にいつか届く…。
つまりは煙が晴れて星が見える…と信じしているわけだ。
昔、お笑い芸人のつぶやきシローさんに取材した時、こう言っていた。
走り続けている限り【負け】ではない。
「周回遅れ」かもしれないけど【負け】てないんだ。
と。
おそらくだが…ラジオやYouTubeなどでの発信内容から考察するに、オンラインサロン内では「プペル専用映画劇場」を確保したことを発表したんじゃないかな…と思っている。
どういうことかと言うと。
1館でも上映スクリーンを確保していれば、周回遅れかもしれないが【負け】てないんだ、という理論で。
1回の定員100人で、それを5回上映し、1日500人の観客を集める。
↓
1日500人で毎月で1万5000人の観客が集められる。
↓
1年で18万2500人集まるので、それを10年のロングランすれば180万人以上集められる。
…と。
10年かかったけど、同時期に公開したライバル作品たちはすでに走るのを諦めてしまっているので、結果として「亀が兎を追い越した」ことにはなる。
そういう青図を描いているんじゃないかとも考えられる。
自分が生み出したIPだからこそ、最後まで面倒をみる…。
多分、ここまでの情熱を持ってIPを育てている人は日本には滅多にいないだろうな…。
そんなことを思った件だった。
