いつからAV業界は「芸能界へ復帰するための一発逆転の手段」と化してしまったのか?
ちょっと前、元アイドルで元AV女優でもある三上悠亜さんによる「ウェディングドレス着用騒動」が波紋を広げていた。
これに岸谷五朗さん・岸谷香さんの長男である岸谷蘭丸さんが意見をしていた。
AV女優とキャバ嬢はランウェイを歩くな委員会会長の僕ですが、やはり差別と区別の基準はひとつで、未成年に憧れを売るビジネスに関与してはいけない、これに尽きる。
— 岸谷蘭丸【MMBH留学】 (@ranmarukishitan) July 29, 2025
なので今回のウェディングの件、新婦の気持ちには非常に共感するが、社会として批判されるべきかと言われるとNO寄りだと思う。
AV女優とキャバ嬢はランウェイを歩くな委員会
ネーミングのセンスがいいな…(笑)。
思わず笑ってしまったよ。
確かに、蘭丸さんの言いたいことは分かる。
ファッションショーの会場には大人の女性もいるけど、洋服を買ってもらいたいメインターゲットには女子中高生とかも入っているからね。
そんな未成年の女性たちに対し…夜の水商売であるキャバクラ嬢と、自らの裸体や男の人とのS●Xを見せるAV嬢らに服を着せてランウェイを歩かせ、
人に胸を張って言いにくい商売でも、頑張ればこのランウェイを歩けるようになるんだよ!!
という夢の与え方やバズアピールさせるのは良くない…というわけだ。
これを「職業の差別」ではなく、あくまで「区別」と見ているのが蘭丸さんなわけで。
例えば、もし自分に小中学生頃の娘がいたとして、ランウェイを歩くキャバ嬢に憧れ「私も将来キャバクラ嬢になる!」って言い出したら大手を振って賛成できますか? …ってことだ。
人の娘がキャバ嬢やろうが「事情があるんだろうね」で済むけど、自分の娘がキャバ嬢をやりたいって言ったら両親として「ちょっと待って! 一旦落ち着こう!」と止めないだろうか?
「キャバクラ嬢だって立派な職業だ!」と言い出す人がいると思うが、別に職業自体を否定しているわけではない。
(メインはお金だと思われるが)目的を持ってキャバ嬢になった女性…ならざるを得なかった女性も多いことだろう。
じゃあ、「キャバ嬢」が清廉潔白な”まっとうな職業”であるならば、なぜ元・日テレの某アナウンサーが銀座のクラブで勤務していたことが発覚したことで内定が取り消されそうになったのか…ということを考えてみようか。
個人における「キャバクラ嬢」や「アダルトビデオ女優」といった職業に関する見解はそれぞれあると思うが、表立ったステレオタイプな意見としても口にしない潜在的な思いとしても、日本においては水商売や風俗関係の仕事に対しては「世間の偏見」が存在しているのは事実ってことだ。
クラブだろうがキャバクラだろうが、要は女性の【性】を前面に出した商売なのだから。
保育園の先生とか保険のセールスマンとか丸の内のOLとかとは明らかに「区別」しないといけない職業だ。
で、こうした…昔は日陰者だった【アダルトビデオ女優】という職業を「メディア出演OK!」な日向寄りの職業に押し上げたのは、間違いなく故・飯島愛さんの功績だろう。
飯島さんが「元AV女優だった私でも地上波で活躍出来るんだよ!」というのを散々見せつけてくれたおかげで、その後に続く蒼井そらさんや及川奈央さん、そして三上悠亜さんといった後輩たちの活躍に繋がっていくのである。
今のコンプライアンスでは結成できるか分からないけど…「恵比寿マスカッツ」という「AV女優を含むアイドルユニット」が地上波でレギュラー番組を持っていた時代もあったんだからね(苦笑)。
こうして飯島愛さんが活躍する一方で、AV業界には「元芸能人」というジャンルが生まれ始めた。
MUTEKIに代表される、俗に言う《AV堕ち》というものだ。
芸能人として活躍出来なかったアイドルやタレントがAV業界へ進出。
「あのアイドルが脱いだ!」ってことで話題となり、元芸能人であることをキャッチフレーズに続々とデビューすることに。
推しだった女性の裸が見たい(元)ファンと、大金&名声が欲しい女性側との需要と供給が一致したジャンルで、数多くの芸能人が送り込まれている。
その声のかけ方は見境がなく
「馬鹿なふりして聞いてみた」
「OKしてくれたらラッキー」
ぐらいだ。
あの国民的アイドルグループのメンバーだった加護亜依さんにもオファーが行ったぐらいだからね…。
ちなみに、自分が一緒に仕事したことあって《AV堕ち》したのは…“きこうでんみさ”というアキバ系のアイドルだった人。
「なんか見たことある名前だな?」と思って検索したらインターネットテレビ(の黎明期)にゲストで出てくれたアイドルだった。
あと直撃取材したのは坂口杏里さんとかね…。
ほんと、芸能界は一寸先は闇だなぁ…と思った。
しかしながら、以前は《AV堕ち》と言われたように、完全に落ちぶれて都落ちした人や、やらかしてしまった芸能人のための”受け皿”のようになっていたAV業界だが、現在は三上悠亜さんのように「芸能界に復帰するための通過点」になっていないかな…と。
AV出演が「女性がお金を稼ぐための最後の手段」ではなく「引退後に知名度を得るための手段」になっている気がするのは俺だけだろうか?
芸能界へ復帰できなくとも、ネットの世界で「インフルエンサー」として食べていけるぐらいの影響力は持てるようになる。
上記で書いた坂口杏里さんも…。
「すったもんだ」があったとは言え、SNSを拠点にインフルエンサーとして何かしら活動しており、それに注目する人も少なからずいるというわけで。
その【手助け】をしているのが、実はマスコミってのもある。
例えば、AVに出演した人たちの肩書は本来「アダルトビデオ女優」なのに、その言葉が持つインパクトを極力遠ざけるため「セクシー女優」という言い方でお茶を濁したりしている。
こうした形でAV臭を薄めていくのだ。
このような努力が功を奏し、ゴールデン番組のゲストとして大体的に呼ばれたりすることは無いものの、深夜のバラエティとかで「元セクシー女優の@@さんです!」みたいに出演することは普通になっている。
インターネットバラエティでは、もはや”普通”の有名人として出演したりしているからね…。
肩書を「インフルエンサー」や「TikToker」「インスタグラマー」と偽装して。
ただ!!
その「インフルエンス力」を得るためだけに、自らの裸体を全世界に晒すというのは頭のいい選択ではない。
「実生活で襲われる危険」と「ネットでの誹謗中傷のリスク」と引き換えになることを忘れてはダメだ。
あと、自分だけが誹謗中傷に対し「鋼のメンタル」で耐えればいいという時代でもなくなってきている。
出演がバレてしまった場合、配偶者や子供たちも好奇の目で見られることだってあるのだから…。
インフルエンス力というのは、未来へ引き継ぐ【負の遺産】にもなりかねない。
