若者が「伝統」をないがしろにする理由
少し前、米作り農家が不足しているというニュースが流れてきた。
日本において「超高級ブランド米」とも言える「魚沼産こしひかり」のお米でさえ作り手が不足しているんだ。。
また、別のニュースでは「梅干し」も作り手を含めて大ピンチとのこと!
こちらは後継者に加え、食中毒を予防するための法律が改正され、金銭的な負担も強いられることから廃業する高齢者が続出しているとのことで。
他にも「伝統工芸の継承者がいない」なんてニュースも頻繁に見かける。
また、工芸だけじゃなく「食」に関してもそうだよね。
群馬県の高崎市が打ち出した『絶メシ』なんてのがわかりやすいかな?
主に個人店だと思うが、店の”跡継ぎ”がいないことで「こんな美味しい料理が無くなってしまうなんてもったいない!」という思いから「絶メシ」と名付けてアピール。
いくつかの店舗は、後継者が名乗り出たとか出ないとか…!?
「事業承継」をテーマにした特番もテレビ東京でやっていたりと、とにかく
働き手・なり手
が不足している”伝統”の業界。
じゃあ、なぜ人々はその”伝統”を継承したがらないのか?
俺の個人的な感想としては
金(給料)
と
名声(承認欲求)
なんじゃないかと。
なぜかというと…。
時代ごとに様々な職業が誕生したり、消えたりしている。
この十数年のネット社会の中で「YouTuber」だったり「インフルエンサー」といった新しい職業が産声をあげた。
そうした新しい職業が生まれたりする時代の中で、中高生の若者たちはどんな職業に就きたいと夢見ているのだろう…。
とある「中学生、高校生のなりたい職業」のアンケートを見てみると…

公務員とか手堅い仕事の中に、動画投稿者といった歴史の浅い仕事が紛れ込んでいる。
新型コロナ前はもっと上位にランクインしていたようにも記憶しているが。
こうした「動画投稿者」や「インフルエンサー」「ブロガー」といった職業は【お金】と【名声】を一挙に手に入れられる。
なので、若者が憧れる仕事にランクインしてくるのだろう。
パソコン1台で世界中のどこからでも仕事ができ、お金も稼げてキャーキャー言われる可能性があるんだもん。
楽をしたい若者が増殖している中で、そりゃ人気が出るさ。
一方で!
「伝統@@」の業界を見てみると…。
伝統工芸の作品は地味なものが多く、人間国宝などの名声を得られるのはかなり年齢がいってから。
キャバクラで自慢できても爺の年齢なので女の子を口説く気力も落ちてる(苦笑)。
給料だって、そんなに潤沢にもらえる印象は無い。
また「伝統」という名のもとに、パワハラが横行しているイメージ。
寿司職人とか料理業界はわりとそういう印象が強い。
「技は見て盗め!」「@年間は皿洗いで勉強しろ!」
みたいな頑固職人がいつまでも威張っている印象。
そんなことをいつまでも”伝統”としているから、ホリエモンに論破されちゃうんだよ…。
自分がそうやってハラスメントに耐えて成功したからって、令和の今、そのハラスメント教育が正解だとは限らないわけだし。
農業系の伝統もそう。
農協に借金して機械を借りたりするなど「年収1000万円!」的な金持ちが少ないイメージある。
あと、天災で作物が一瞬にしてダメになる危険性が増えている地球温暖化なニッポンでもあるし。
ブランド和牛は焼肉屋さんで重宝されるけど、ブランド和牛の生産者は別に知ったこっちゃないって感じでしょ?
お店で「この肉はどこのブランド牛ですか?」とは聞いても「このお肉の生産者は誰なんですか?」とは決して聞かないだろうし。
上がる飼料代、電気料金、運送費。
上がらない給料…。
地獄…だよね。
こうした”伝統”の業界だから「家庭の事情」じゃない限り、就業したいと思う若者が珍しいと思ってしまう。
中には志を持って就農したりする人もいる。
が、超高級のお米とされる「魚沼産コシヒカリ」の生産農家でさえ、後継者が不足する現状に陥っている。
おそらく、若者が就業するには金銭面などで折り合わないんだろう。
もしくは農協が死ぬほどめんどくさいか。
行政が農家や伝統工芸を補助金漬けにして存続させても、結局は「文楽」のように補助金を打ち切られると大パニックが起きる。
何もせずに血税から援助を得ていたのに慣れきってしまい、集客の努力を怠っていた結果なのでこれは仕方ないと思う。
自浄作用というか、自力で「伝統」の業界が立ち上がるには、新たなるなり手の金(給料)と名声(承認欲求)を満足させてあげれば、それなりに魅力的な職業に見えるんじゃないかと思われるのだが…。
ただ、現実として「魚沼産コシヒカリを生産しています!」「益子焼を焼いています!」というより「フォロワー10万人のインフルエンサーです!」「登録者100万人のYouTuberです!」といった方がカッコよく見えてしまう現代社会なわけで…。
「農家はカッコいい!」
「伝統芸能を継承している人は素敵!」
そういった印象づくりからやっていかないと、いつまでも「伝統」系の仕事は就職先の選択肢に入らないだろうな。
