「無いものねだり」の働き方
2度の不倫騒動(片方は疑惑)でおなじみ、宮崎謙介元衆議院議員がかつて成立を目指していた【男性の育休】の法律が成立したようで。
まぁ……放送作家にはほぼ関係が無い法律だわ(笑)。
放送作家の仕事は成果報酬型が多いので、育休で番組を休んでしまったらギャラが入ってこない。
なので「育休取ります!!」という放送作家は聞いたことが無……あっ! 1人いた!!
鈴木おさむさん、育休を取ってたww
まぁ…鈴木おさむさんクラスの放送作家であれば、1年仕事を休んだとしても「時代の流れ」で取り残されることは無いし、預貯金もたっぷりあるので生活に困ることは無いだろう。
この例は極めてレアケースなので参考にならないけど、少なくとも中堅クラス以下で育休を取る人は皆無のはず(苦笑)。
育休どころか「実働部隊」な作家は番組が動いている以上は夏休みも冬休みも無いので。
この育休…【休暇】という側面で考えると、昔の自分は
「正月・ゴールデンウィーク・夏休みなんて関係なく働くぜ! それが売れっ子っていうもんだろ! 働いた分だけお金もらえるし! フリーランス最高!」
という考えがあった。
人が休んでいる時に働くのが誇らしかった時代もあった。
睡眠だって…2日ぐらい寝なくても平気で働けた。
ところが今となっては、定時で帰宅・週休二日というルーティンワークが羨ましく感じる瞬間がたまーにある。
24時間近く起きているだけで脳が痺れるような頭痛がしてきて、身体から「若くないんだから寝ろよ! 脳の血管が破裂して死ぬぞ!」というメッセージが送られてくるようになった。
でも、宿題が終わってないから、寝たくても寝てる場合じゃないっていう時とかね…。
「終身雇用・年功序列の崩壊!」
「老後は年金の他に2000万円必要!」
「副業解禁!他で稼げ!」
と、会社勤めのサラリーマン・OLも「就職したから一生安泰」という時代ではなくなってきているが、それでも「休日がハッキリ分かっているので、プライベートの予定が組みやすい」というのは羨ましく思えたりする。
おかしな話だよな…。
「学校の先生みたいに…4月に入学式をやって、夏休みがあって、運動会や文化祭があって3月に送り出す…といったルーティンが続く退屈そうな仕事はやりたくないぜ!」
とイキって、刺激のありそうなマスコミ業界の中から放送作家という職業を見つけて上京してきてさ…。
確かに、同じ会議・同じ台本・同じ収録は一つとして無いので、毎回クリエイティブさが求められるから「ルーティンの仕事で退屈だわ〜」って思ったことは無い。
しかし、(諸先輩方がそうであったように)体力や発想力のある若い世代と常に”同じ舞台”で競わなければならないため、年齢を重ねるに連れていろんな意味でキツさが増していく。
鈴木おさむさんや高須光聖さんみたいに「ブレイクスルー」出来れば放送作家として「上がり」で、台本などを書く【実働部隊】ではなく、番組のコンセプトや方向性を決める【ブレーン】的なポジションでいられるため、徹夜作業で企画書や台本を仕上げる…なんてことをしなくてよくなる。
「年齢に見合った働き方」が出来るのだ。
(ただ、ブレーンはブレーンで番組がコケた時の責任がある)
しかし…俺のような万年底辺作家の場合、いつまで経っても企画書(←基本無報酬)を書き続けなければならないし、台本だってずっと書いていかなければならない。
中高生の頃に憧れた”非ルーティン”の仕事がこんなに大変に思える日がくるとは、考えてもいなかったよね…。
「ちゃんと決まった時間に寝られるの、羨ましいな」って思ったりするようになるわけで。
一方!!!
ルーティンワーク勤めをする人も…そっちはそっちでフリーランスに憧れる傾向が強くなっている気がする。
満員電車に乗って仕事場へ行って、聞きたくもない社長の朝礼を聞いて、行きたくもない飲み会で上司にお酌して…というのに辟易している若者が増えている印象もある。
そう感じる最たる例が「プログラミングスクール」の急増かな?
サラリーマンから見た「フリーランス・エンジニア」という職業の響きの甘美さたるや…”異世界漫画”における勇者とか賢者の称号に近いと思う(笑)。
「煩わしい人間関係ともおさらば!」
「クソ上司の相手しなくていい!」
「パソコン1台あれば、どこでも働ける!」
「収入だってン千万も夢じゃない!」
みたいな謳い文句に釣られて、数十万円の授業料とか出しちゃうわけでしょ?
でも、実際はフリーランスの方が人間関係は大変だったりするし、常に営業してないと仕事は来ないし、収入だって上流工程に入らないと人材派遣みたいな業者に中間搾取で抜かれるわけだし。
さらに新しい言語を常に勉強し続け時代に対応していかないといけないので…。
腕次第で稼げるエンジニアと言われているけど、フリーランスの世界はそう甘くもない。
ことわざにもあるけど
「隣の芝生は青く見える」
ってことだろうなぁ。
フリーランスも会社員も、お互いに「無いものねだり」なんだと思う。
なので、今の若い人にはフリーランスか大企業か…という観点ではなく「一生やっていけそうな…楽しいと思える仕事か?」を基準に仕事選びをすることをオススメしやす。
俺はもう「後戻り(再就職)しにくい年齢」に達してしまったオッサンだから、放送作家としての灯火が消える最後の最後までフリーランスとして粘るつもりだ。
転職するとしたら完全に単純作業の肉体労働になるはずだし、それが嫌なら自分でお金でも借りて自営業のオーナーとして独立するしかないし。
って状況なので…どこからか「雇ってやろうか?」という声がかかったら…仕事内容によってはゆらぎかねない心境ではある(苦笑)。
