放送作家が【AI】を使うことで効率的に作業できるのか?
放送作家の作業に【AI】は必要か? 必要でないか?
そんな話をテレビ関係者じゃない人と話したが平行線に終わった。
ちなみに、俺は「今のところ必要じゃない」派。
相手は「導入すべきだ(いずれ必要になってくる)」派。
自分がいくら具体例を出して「非効率的だ!」…ということを説いても納得がいかないようで。
例えば…毎週行われる定例会議で”ネタ”の提出。
まず、自分はこんな感じで『無印良品』のチェックリストにその週にあった「ニュース・トピック」を書き出している。

で、ひと通り「今週はこんな感じかな?」と書き出したのちに
※どストレート(トップネタ)
「どの順番で提出した方が魅力的に見えるか?」
を考え、一番最初に置くネタを選定
※変化球
「あのネタとこのネタ、1つ1つは弱いけど一緒にしたらブロックとして成立しないか?」
「あまり注目されていないけど、今後大きくなるかも?」
など組み合わせたりしつつ、ネタとして成立させるためのアイデアを加味。
※魔球(独自提案)
「世間的には興味無いけど、番組としてこんなのを入れてみたら面白いんじゃないか?」
という”お伺いネタ”を最後にちょっと。
など、様々な条件を考慮し、ネタ案に仕上げていくわけだが…。
これを【AI】に任せると、例えばこんな感じになる。

石破総理じゃなく岸田総理と間違えている…という些末な事例は横に置いておくとして…(苦笑)。
ザクッとしたトピックは挙げてくれるけど、まるでネタに入れ込めない。
自分的には
「両院議員総会」があって森山幹事長が辞意を表明。
ってことは…石破総理、退陣? 続投?
みたいなアウトプットが欲しいのに、細かいニュアンスを汲み取ってはくれないのがAIだ。
少子化対策とか…そりゃ問題だし対策は必要だけど《今週のネタ》ではなくずっと対策し続けないといけない話題で。
さらに、新しい資本主義なんかの「概念」だけ示されても、こんなのネタにもならない。
要はこのままでは《全く使えない》わけで…。
AI推進派の相手は「フォーマットを作って、学習させて…」と言ってきたが、毎週学習しても上記のようなレベルで文章をアプトプットされては、その後も使い物になる気配が無い。
また、最新情報をクロールするタイミングが不明でもあるので、本当に数時間前に起きた出来事などを加味してネタに落とし込んでくれたりなどはしない。
あくまで、AI側が自分のタイミングで行った学習結果に基づくアウトプットしかしてくれない。
そこがAI(コンピューター)の融通が利かないところでもある。
他にも、【お笑い】のジャンルで
「AIは1を10とか100に出来るかもしれないが、0を1にする作業が出来ない」
という話もした。
相手は「AIがラップとか作ってくれるよ!」というが…それはゼロから生み出してない作業だ。
言葉を与えてすでにあるフォーマットに当てはめる作業は、放送作家にはさほど必要ない。
それよりも…
「そんなのかんけーねー!」
「ラッスンゴレライ!」
「本能寺の変〜!」
みたいなリズムネタを0から生み出したり
「コーンフレークやないか!」
「時を戻そう(誰も傷つけない笑い)」
「ピアノがデカすぎるアンジェラ・アキ」
みたいな漫才の掛け合いを生み出したり
「ゴイゴイスー!」
「ルネッサ〜ンス!」
みたいな一発ギャグを生み出したりが出来るかどうかって話で。
「こんなギャグを考えたんだけど、過去にこんなことを言う芸人はいた?」みたいな壁打ち相手としては有能かもしれない。
が、「ゼロイチ」と言われる、何も無いところから笑いを生み出す能力は残念ながら今のAIには無いと思っている。
音感や語感(語呂)、振りみたいなのもセットで《ギャグ》になるが、テキストだけ示されても面白いものが生まれる確率は限りなく低い。
大喜利に特化した「人工知能大喜利」も…。
使った感想は「三振か、ホームランか」みたいな回答で、しかも打率はそんな高くはない。
「いずれネタ作りもお笑いも出来るようになるよ!」と言うのかもしれないが…。
そうした《ゼロイチ》が完璧にこなせるAIが誕生した時代になったならば、放送作家を雇う必要が無くなるので…それはそれで困ってしまう(苦笑)。
だから「AIは放送作家の代わりにはなりえない!」と声を高々にして宣言して回るほかはないってのもあるわけだ。
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