【小説投稿サイト】の歴史
ここ数年「なろう系」と呼ばれる作品が次々と漫画化・アニメ化され賑わいを見せている。
2021年1月期のクールで放送されている
転生したらスライムだった件
俺だけ入れる隠しダンジョン
回復術士のやり直し
蜘蛛ですが、なにか?
無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜
といったアニメ作品も「なろう系」の出身だ。
そもそも「なろう系」とは…『小説家になろう』という小説投稿サイトから出てきた作品のこと。
この『小説家になろう』のサイトは、誰でも小説が投稿出来るプラットフォームで、今や日本最大級。
他にも数多くの大ヒット作を生み出しており、今後も多数の作品がコミカライズ化・アニメ化を控えている。
小説→漫画化→アニメ化→グッズ展開!!
「夢の印税生活」かぁ〜。
同じ【物書き】として憧れを抱くが
「そもそも、小説投稿サイトの歴史ってどうなってたんだろ?」
が気になって調べてみたので、私見を含めてチラホラとメモ程度にまとめてみた。
昔は小説を投稿する【場所】と言えば出版社。
素人が持ち込みなりをして、編集者に認められて初めて世の中に発表されるものだった。
しかし、1990年代半ばにインターネットが日本でブームとなり、HTMLなどのプログラムで「個人が自ら情報発信の出来る時代」に突入!
「意識の高い人」たちがネットでの表現の可能性に気付きだし動き始めることとなった。
ちなみに…当時ネットの世界で流行っていたのは掲示板やチャット、そしてエロだったような記憶があり、小説を読んだという記憶がほぼ無い(苦笑)。
小説を書くというクリエイトの部分とホームページを作って発表するという技術があまり結びついていなかったためだろう。
もちろん、SNSなんて無かったし。
自分はわりと新しいもの好きだったので「ホームページビルダー」とかを使い自分のホームページを開設したりしていたが…放送作家で自らのサイトを作っていたのはおちまさとさん(東京おちまさとランド)や高須光聖さん(御影屋)ぐらいだったような?(他にもあったかもしれないが覚えていないんで…すいません)
……というような時代。
そんな中、【ネットでの小説投稿】という文化の原点となる作品(サイト)が誕生したのだった。
「ケータイ小説の生みの親」とも言われるYoshi氏が発表した『Deep Love』である。
この作品が女子高生など若い女性を中心に爆発的なヒットとなり「携帯電話で小説を読む」というカルチャーが日本で産声を上げた。
(自分はJ-Phoneユーザーだったので【iモード】のことは詳しくは分からないが)今でこそ小説投稿サイトとして有名になった『魔法のiらんど』に小説投稿のサービスが実装されたのは、おそらく『Deep Love』がヒットした影響を受けたんじゃないかなと思っている。
『魔法のiらんど』はホームページ作成や着メロでの印象が強かったので、『Deep Love』以前に小説が投稿出来るサービスを実装していた印象が無いし。
ちなみに、Yoshi氏のサイトは一般人が投稿できるという形態ではなかった。
なので、ケータイ小説の文化を生んだのはYoshi氏で、一般人による投稿という形でケータイ小説の文化を育てたのは『アルカディア』や『アルファポリス』、『魔法のiらんど』といった後発サイトになる…と個人的に認識している。
そして…それらの投稿サイトで小説を読んで「もっと見たい!」と動き出したのが、2003年当時は大学生だった梅崎祐輔氏。
のちに日本最大級の小説投稿サイト『小説家になろう』を生んだ人物というわけで。
そう考えると、いろんなものが繋がっているな…深い。
俺は「ネットで小説を読む」文化に直接触れてこなかったので時系列は分からないが、調べた感じだと『Deep Love』シリーズの次あたりにヒットしたケータイ小説は市川たくじ氏の『Separation〜きみが還る場所』なのかな?
日本テレビの『14ヶ月〜妻が子供に還っていく〜』というドラマの原作になっていたし。
で、一大ムーヴメントを巻き起こした『恋空』あたりに繋がっている感じ??
Wikipediaにそれぞれの投稿サイトでヒットした作品が掲載されているが、それらを見ても「あっ!あった、あった!」ってなるのが少なかったので…。
俺が知らないだけで、それなりにヒットしている作品はあったと思うけど、ケータイ小説発を謳っていたので印象に残っている作品はコレかね…。
また、スマホゲームの先駆者としてプロ野球球団も抱える一大企業となったDeNAは、会社立ち上げ当初はモバゲータウンというゴリゴリのSNSをやってて、その中に小説投稿のサービスもあった。
そこから伝説の『王様ゲーム』が誕生し、さらなる小説投稿のムーヴメントを巻き起こすことになった。
ただ、あの当時…王様ゲームの大ヒットや『DEATH NOTE』が流行していた影響からか、「ルールが難しいデスゲーム」と「死神」が登場するようなパクリ作品が死ぬほど湧いて出たのを覚えているw
その後も定期的にヒット作は出ていたと思うが「ケータイ小説発」をあまり謳わなくなったせいか、覚えている作品は少ない。
そうしているうちに【異世界ブーム】が巻き起こり、『小説家になろう』が令和世代の小説投稿サイトのトップに躍り出た…という認識でよろしい、、のかな??
近年は”小説投稿サイト”じゃなくとも小説(文章)を発表出来る場所が増えた。
KindleやKoboといった大手から、個人のブログにツイッターといったSNSまで…自己表現プラットフォームのバーゲンセール状態で、書き始めるのには事困らない。
今後、ClubhouseのようにSNSの歴史に名を刻むレベルの新しい小説投稿サイトは出にくいとは思うが、要は発表のプラットフォームというより作品の質が重要になってくる。
一体この先、どんな素人がスマホ1台、パソコン1台で文壇のスターダムにのし上がるんだろうなぁ?
