歌舞伎の【伝統】という重し
歌舞伎役者の市川海老蔵さんが1月に取り組んだ『プペル歌舞伎』で、チケットが売れ残ったため値下げした…という批判的記事が出ていた。
これに対し、『プペル』原作者の西野さんが【Viocy】でどんな反論をするんかな〜と思っていたら…
8分30秒の部分でリスナーからの質問に答えていた。
結論は
「捏造記事」
とのことで。
個人的には「空席があったかどうか?」じゃなく「値下げしたから埋まったのか?」という最大の論点には触れなかったのが気になったけど。
ひろゆきさんだったら絶対に攻めてくるであろうデータの部分はあえて避けた感じ?
値下げしたというのは「捏造」じゃないのかな?
まぁ、「値下げ」を認めてしまうと西野さんが唱える「VIP戦略」が間違っていたことを認めてしまうので、あえて触れなかったのだろうと推察するが。
どのみち西野さんの宿命だね…批判的な記事を書かれるのって。
でだ…その舞台で主演を務めた海老蔵さんにも別な批判的な記事が出ていた。
「團十郎」襲名が遅れに遅れる市川海老蔵(44)だが、彼に囁かれる“不安”はそれのみではない。梨園の殿堂・歌舞伎座での出番は2年半で1回に留まるなど、松竹にとっては悩みの種になっているのだ。
なんでも、歌舞伎座の公演に全然出てこないらしい(笑)。
そういや『プペル歌舞伎』も新橋演舞場だったな。
歌舞伎の世界はよく分からないんだけど、市川海老蔵さんが歌舞伎座に出続けることでそんなに収支が違うのか??
もしくは「歌舞伎座に出演するのが伝統だ!」というステレオタイプの意見なだけか?
で、せっかくなので歌舞伎の現状について調べてみた。
こちらの記事では…
歌舞伎座は劇場の建て替えが行われたが、再開場した2013年4月から2014年3月までの1年間で約146億円の興行収入を叩き出したようで…。
それまでの興行収入が約80億円前後で推移していたらしいので、再開を待ち望んでいたファンの期待が爆発した形なのだろうか?
再開場に伴って公演日数や回数が通常年度より増えたという2013年度だが、それで観客動員数が約132万人。
平場になった翌2014年度も101万人が見に来たということなので、それなりのお客さんはキープ出来ていたのだろう。
ただ「歌舞伎 観客動員数」とかでググッても、ここ数年の最新データが出てこないことを考えると、もしかしたら明るいデータが減っているから特集されてないのかもしれない。
(※特にここ2年間ぐらいは…ね)
まぁ、2020年以前はこの水準をキープし続けていたとして…1つ質問を。
あなたは
歌舞伎の生舞台、
見たことあります?
俺は…なんかの授業で見させられた記憶はあるけど、自分でお金を払って見たことは一度もないし、これからも「絶対見に行きたい!」とも思わないわけで…。
日本人でも「見たことがある」「何度も通っている」という若者が少ない中で100万人以上を動員出来ていたんだ…と思うと、【訪日外国人】パワーや【ご贔屓筋】パワー、さらに【高齢者】パワーが相当なものだったのだろうか?
一節には「企業がチケットをまとめ買いしてる」という記事もある。
それって、課外学習でいやいや見せられる「眠くなる」パターンのやつ?(苦笑)
文化貢献なのか、接待用なのか、経費にするための名目なのか…意図は不明だ。
ちなみに!
こちらの記事では…10年以上前のデータだが(現代の)歌舞伎が人気になった理由として
①米国など海外公演の評判の逆輸入
②スーパー歌舞伎のわかりやすさ
③成田屋襲名や歌舞伎座100年などのイベント
を挙げている。
ただ、そうは言われても(自腹で)見たことないし、歌舞伎の舞台には興味を持てないのよね…俺は。
しかし、そんな俺でも「ちょっと気になる歌舞伎のニュース」はある。
まず!
スーパー歌舞伎 ワンピース
スーパー歌舞伎の名前は知っていたが、まさか『ワンピース』が歌舞伎するとは思わなかった!(笑)
さらに!!
新作歌舞伎 風の谷のナウシカ
「歌舞伎でナウシカ!? マジかよ!!」って笑った。
そしてトドメは…
九月南座超歌舞伎
歌舞伎がまさかの【初音ミク】とのコラボ!
漫画とかアニメの原作をベースに…とかならまだしも【ボーカロイド】と演るとは度肝を抜かれたな。
なんか、この現象を見ていて感じたのは
「あ、これって人気が低迷しているからアニメとか漫画、アイドルに頼ってヲタクを引っ張ってこようという『パチンコ業界』と同じ構図じゃね?」
と。
まぁ、前述した通り…「ファンタスティック!」とか「ブラボー!」といった和風好きな訪日外国人と、伝統を重んじるご贔屓筋を含めた一部の高齢者が熱狂的に歌舞伎を支持しているだけで、今のティーンとか含めた若者には伝統の重みというか「歌舞伎の面白み」みたいなのがまるで届いていないと思っている。
同じ伝統芸能で言うと…(落語はともかく)講談などは神田伯山といったスタープレイヤーの登場で近年は徐々に若者人気を得ているようだが。
歌舞伎は…どうなんだろう??
成田屋(市川海老蔵)
音羽屋(尾上松也)
中村屋(中村勘三郎・勘九郎)
萬屋(中村獅童)
…といった「テレビでも人気の歌舞伎俳優」の影響を受けて、若者たちが歌舞伎座に足を運んでいるのか?
結局のところ
『ワンピース』とか『ナウシカ』とか『初音ミク』といったヲタクコンテンツに頼らざるをえないところまで追い込まれてしまっている
…というのが現実なのではないだろうか?
歌舞伎の公演には衣装代や裏方スタッフを含め相当な「経費」がかかるので、興行収入が100億円を超えていると言ってもそんなに喜ばしいことではないらしい。
チケット代が収入の大部分を占める歌舞伎において、高齢化で徐々にお客さんが減ってきたら…かなりの死活問題だろうな。
で、「最初」に戻ると。
ホリエモンや敏腕編集者の箕輪さん、西野亮廣さんといった「周囲」から聞こえてくる市川海老蔵評は「熱い人」という意見。
そう言えば…1年ぐらい前に流行った音声SNSの【Clubhouse】で海老蔵さんを頻繁に見かけたが、そこで「リスナーと一緒に歌舞伎を作る」という企画を進行していたっけ。
(Clubhouseは途中で観測を止めてしまったから、そのプロジェクトがどう着地したのかは見届けていない)
若者が多く利用していたClubhouseで、何とか若者のファンを獲得しようと海老蔵さんは必死だったわけだよね…。
伝統的な古典も大切だけど、それじゃ歌舞伎が見られなくなってしまう!
そういう危機感みたいなのを常に持っていて、だから『プペル歌舞伎』に挑戦したりもしたんだろう。
若者にアピールするために。
特に『えんとつ町のプペル』の原作が絵本ということを考えると、ターゲットは子どもだったのでは?
『プペル』の絵本や、今回の『プペル歌舞伎』を見て大人になった人たちが「歌舞伎って面白かった!」という印象を持ち、ファンになってくれることを狙って『プペル』という演目をやらせてくれと頼んだのかな…との深読みもできる。
歌舞伎の伝統(古典)にすがりついて「見る人だけ見に来ればいい!」という歌舞伎座での公演だけではない…。
「もっと若い人に『歌舞伎』ってものを広めていきたい!」
という海老蔵さんの想いが、歌舞伎座の舞台に立たない理由になっているんじゃないかな〜と(勝手に)思っている。
「日本の伝統だ! 古典だ!」ばかり言っていると、数十年〜数百年後には歌舞伎も【文楽】みたいになっている可能性だってあるしねぇ。
「誰が見てるんだよ?」ってエンターテインメントに、府民の税金が2000万円近く出ているんだけど…。
橋下徹さんもそりゃ怒るわ(苦笑)。
無形文化財…確かに「日本人の心」として大切だけど、補助金漬けになってしまっていて、もはや「お客を集める努力」「利益を出す工夫」をしてない感じだし。
そんなやる気のない伝統芸能の団体に税金を投入しているほど日本の財政は豊かなのかなぁ。
歌舞伎が【文楽】みたいに「若者から見捨てられたエンターテインメント」にならないように、海老蔵さんは頑張っているんだろうな…ってのが、今回のまとめということで!!
あ、ところで…。
『滝沢歌舞伎』も松竹が仕切ってやっているようだが、コレの興行収入や観客動員数もエンターテインメントの「歌舞伎・能」部門のデータとしてカウントされているんだろうか?
だとしたら、それはちょっと……ズルくね?(笑)
あくまで私の「私見」です。
