私が遭遇した《観光ゲリラ》
先週、久しぶりに『ユウタくんシリーズ』のショートショートをアップしました。英文に和訳をルビで付けるという厄介な表記に、
「読みにくい!」
とご不満の読者もおられたことでしょう。
この短編に、カナダ在住のたなかよしあきさんからコメントをいただきました:
「迷惑系観光客」を迎え撃って、このような「闇インバウンド観光ゲリラ」 を組織してカネを巻き上げれば、トランプ関税でぶん取られるカネから少し取り戻せるかも知れませんね。
いただいたこのフレーズ「闇インバウンド観光ゲリラ」に「!」と来るものがありました。
過去、まさに観光ゲリラ的な地元住民に『お・も・て・な・し』を受けたことがあります。
── 2016年にベトナムを旅した時のことです。
首都ハノイの歩道は、①バイクの駐車場か、②何かの販売店か、③食堂として使われているため、観光客が一定速度で歩くのは至難の技です。うっかり立ち止まると物売りにしつこく声をかけられます。
── いやいや、この程度では「ゲリラ」とは言えません。
驚いたのは、歩道を歩く私のスニーカーのかかとを、後ろにしゃがみこんで掴もうとする男性に気付いた時でした。
この意図不明の行動に、
「え、何? 何なの?」
戸惑いながら歩き去ろうとするのですが、彼は手にチューブ状の物を持ち、私の足もとを指さしながら追いかけてくる。
歩行妨害の意図があるとしか思えなかった。
そしてどうやらこの男はスニーカーのかかと部分に、手にしたチューブから何かをこすりつけようとしているらしいことが判明し、おぼろげながらその意図を察した。
その時初めて気付いたのだが、私のスニーカーの靴底が少し(端がほんの少し!)剥がれているらしいのだ。いや、だからといって、歩行にはまったく支障がない。
けれど、どうやら彼はその靴底を手にした接着剤(?)で修理しようとしゃがみこんで後を追いかけてくるのだった!
── これにはかなり驚きましたね。
私が振り払った後も、見ると何人かに次々と声をかけているので、これが彼の定職?なのだろう。
この『勝手に靴底修理おじさん』はどうやら、商売として ── あるいは観光客相手のある種詐欺?として成立しているらしかった。
これぞ、
「観光ゲリラ」!!!
── しかし、最近思うのですよ。
日本人もインバウンド観光客に、上品な『お・も・て・な・し』を安価に提供して喜んでいただくばかりでなく、なりふり構わず、もっとこうした『ゲリラ業態』に進出すべきかもしれません……。
