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NHKのど自慢の出場から考える中小企業の生き残り戦略(7)

歌の上手さも踊りも優れていないのに、のど自慢の本選出場を果たした方法から、特別に優れていなくても中小企業が選ばれ、生き残るための戦略を考えるヒントになればと願うシリーズ「7」です。
今回は、のど自慢の本選出場者を見て、選ばれるために最も重要なことを改めて考えます。

選ばれた200人と落ちた1000人以上の人の違い

のど自慢の予選会には200人が出場できます。
書類選考で1,000人以上と言われている応募者から、審査員が「良さそう」と考えた200人です。
「良い」ではなく「良さそうに見える」であることは、前回の記事で書いた通りです。

恐らくですが、予選会に出場できなかった800人の多くは、そのことを知らないで、単に応募して祈っていただけだから選ばれなかったのです。
もちろん、ちゃんと考えた人の中でも、選ばれなかった人もいて、運の良し悪しも大いに影響していますが、5分の1の確率の運試しをするのか、2分の1の確率の運試しをするのかが、事前の調査研究と努力で変わります。

私がそう言い切る根拠は、私だけでなく、私の母も書類審査を突破して予選会に出場できたことです。偶然が二つ重なったと考えるより、考え方が正しかったと考えた方が合理的です。もしくは、正しい考え方で少し運が良かったか。

予選会場

予選会は参加者はステージ前の観客席に座って他の人の歌を聴くことができます。
本番と同じように番号と曲名を言ってから歌います。

ステージを観ていて、私なりに評価分類して、本選に出られそうな人を考えてみました。予選会前の予想と大差はありません。

  1. とてつもなく歌がうまい人

  2. ステージパフォーマンスが上手い人(会場を煽ったり、踊ったり)

  3. 中高生

  4. 80歳以上の高齢者

  5. ゲストの歌を歌う人

  6. とても元気な人

  7. 見た目がユニークな人

  8. ストーリーが良さそうな人

私の見立てでは、200人のうち半分の100人くらいが上記のどれかのグループに入っていました。

このうち3〜5の条件は、私は該当しないので、この枠は捨てます。予選参加者の中で30人程度がこの枠の人で、本選に出られるのは最大6人です。

のこり70人くらいで、14人の出場枠を分けることになります。

実際に選ばれた人

全員が歌った後、1時間ほどの審査時間があり、結果が発表されました。
その結果を見て、改めて自分の考え方が正しかったことを確認できました。

もちろん、全て私の考えや評価なので、審査員の人たちが同じように考えたという保証はありませんが、私は以下のように分析しました。

まず、一番歌がうまかった人、もしかしたら2番か3番くらいまでの人は選ばれませんでした
次に、ステージパフォーマンスが非常に上手かった人も選ばれませんでした。

これは少し予想外でしたが、本選出場決定後にディレクターやスタッフの方から何度も言われたことを考えると納得できます。
のど自慢は歌のコンテスト番組ではない!と言うことです。

ステージ慣れしていて、歌が上手だったり、踊りやステージパフォーマンスが上手すぎるのは、番組の趣旨から外れるのだと思います。

もちろん、歌がすごく上手い人も選ばれていましたが、緊張して歌って、歌い終わった瞬間にホッとした顔などがプロっぽくなくて視聴者が共感できる人でした。

実際に、選ばれた20組の人たちとは、ずっと一緒に打合せやリハーサルを行い、生放送が終わるまで一緒に過ごし、選ばれる人の条件がよく分かりました。確信が持てました。

必要条件

  • 歌が平均以上に上手い

  • プロっぽくない

  • 予選会でも笑顔が多い

これを満たした人の中で、以下の点が優れている人が選ばれました。

加点ポイント

  1. ストーリーがユニーク

  2. プロフィールがユニーク

  3. 見た目がユニーク

  4. 元気いっぱい

  5. 歌がすごく上手い

数字は優先度です。
多くの人が勘違いしているのが「5」です。歌がうまければ選ばれると思っている人が多いですが、他のポイントの方が加算は多いです。

本選に選ばれた20組の人たちを見ると、これらが選ばれなかった人たちよりも優れていました。もちろん、加算はひとつだけでなく複数でも良いですが、全体的にそこそこ、ではダメで、プロフィールがすごくユニークで、ストーリーも良い、とか、ストーリーが良くて見た目もユニーク、のように1つインパクトがあって、それにもう一つくらいの要素で加点されるくらいがベストです。

あと重要なのは加点ポイントを、予選会で歌った後の1分程度の面接で伝えられることです。

私の場合

ストーリーは、結婚25周年の銀婚式を迎え、二人の娘は家を出て夫婦二人の生活が再び始まった。妻のために歌う。娘たちが応援に駆け付けてくれた。

これを一番の推しとして、

プロフィールは、トライアスロンの日本代表として世界大会出場したIT企業の社長。妻は地場産業である焼き物を作っている。

そして、

マッチョな身体の見た目インパクト

これらを面接で一生懸命アピールしました。
プロフィールとして良かったのは、妻が陶芸作家であることもあります。
そこまで最初から計算して選ばれたのかは分かりませんが、本放送では何人かが地場産業の美濃焼の話をインタビューで受ける流れになっていました。

のど自慢では冒頭で開催地の紹介VTRが流れますが、今回の本放送では土岐市が美濃焼の産地であることが紹介されました。そして、そのVTRを受けて、次に歌った窯元の社長が美濃焼と当日開催されていた「土岐美濃焼まつり」をアピールをされました。、それを受けて私のインタビューでは妻が陶芸作家で、今日は美濃焼まつりで一生懸命作品を販売していると言うスムーズな流れになっていました。

インタビューでは、結婚25周年の妻のために歌いました。。。が、妻は会場にはおらず一生懸命、美濃焼まつりで茶碗を売っています。と言う感じで紹介され、「今から手伝いに行くよ」と言って会場を笑わせられました。

ここまで予選会の時点でディレクターの頭の中で台本ができていたとは思えませんが、キーとなる部品が、あることは認識されて評価されたと思います。

のど自慢の本選に出場できる条件を正しく理解する

これまでも何度も書いていますが、最後にまた繰り返します。
顧客が、商品やサービスを選ぶ理由も、のど自慢で本選に出場できる条件も多くの人が勘違いし、勝手に思い込んでいるだけのことが多いです。

歌がうまければ、のど自慢に出場できる!は間違いです!

この事実に気づいた人は、正しい努力をすることで、選ばれる確率を2倍にも10倍にも高めることができます。それだけ確率が高まれば、何度か挑戦するうちに必ず選ばれるでしょう。

なぜ多くの人が勘違いするのか?

私たちは、物事の表面的な部分だけを見て、その裏にある「本当の理由」や「選考基準」を見落としがちです。のど自慢の例で言えば、「歌がうまい人が出ているから、歌がうまければ出られる」と短絡的に考えてしまうのです。

しかし、選考側には明確な意図や目的があり、それに合致する人を選んでいます。商品やサービス選びも同様で、お客様は単に機能や価格だけで選んでいるわけではありません。

「選ばれる」確率を高めるには?

では、どのようにすれば「選ばれる」確率を高められるのでしょうか? 重要なのは、「相手が何を求めているのか」を正確に理解することです。

のど自慢であれば、単に歌がうまいだけでなく、「その人の個性」「歌に込めた想い」「パフォーマンスの魅力」「番組の企画意図に合うかどうか」など、多角的な視点で評価されています。

商品やサービスであれば、お客様が「何を解決したいのか」「どんな感情を求めているのか」「どのような体験を得たいのか」といった、より深いニーズを把握し、それに合致する価値を提供することが重要です。

私たちは、無意識のうちに多くのことを「こうだろう」と決めつけてしまいがちです。しかし、一度立ち止まって「本当にそうなのか?」と問い直し、「相手が本当に求めているもの」を深く理解することで、個人としての目標達成はもちろん、ビジネスにおいても大きな成果を上げることができます。



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