【空想教室】アオイノイロ➁居場所
第1章 名もなき色
第2話 旅のはじまり
アオイは【彩の館】でカナから受け取った『透明なガラス玉』を手に、最初の目的地へと向かっていた。旅の目的はただ一つ。「自分の色をみつけること」。しかし、あまりにもアバウトなその目的を果たすことはできるのだろうか。なにからはじめたらいいんだろう?…
よくわからないまま、旅に出る前にカナが言っていた言葉を思い出す。
「あなたが一番最初に訪ねるのは、画家がいいわ。『世界で一番美しい色』を探し続ける画家。彼の絵にはふしぎな力が宿っているの。あなたの色も見つけられるかも知れないわ。」
画家の名前はシキ。村を一つ超えた、湖のほとりにアトリエを持つ初老の男性だとカナは言った。
彼は、ただ唯一の『世界一美しい色』を求め、世界中を旅している。
…そんな忙しい人なのに、これから行って、アトリエにいるのかしら?
と、アオイはなんとなく思った。
***
ふと顔をあげると、そこには一面、湖が広がっていた。
キレイに晴れ渡る青空と、流れる雲を鏡のように映す湖。湖面を中心に線対称な世界が広がる。そこはまるで、空想の世界に飛び込んでしまったかのような、時間の概念のない世界にさえ感じられた。
しばらく見惚れたあと、気を取り直して歩き出す。少し歩くと、湖のほとりに、古びた木々に守られているかのような、小さなアトリエがぽつんと佇んでいた。
「ここ…?」
緑色の屋根には小さな明り取りの小窓があり、壁には一面のツタが巻き付く。履き出しのサンルーム調の窓は全開になっていて、どうやら人はいるようだ。が、腰ほどの高さの塀が設けられているので安易には飛び越えられない。
窓の中を遠目に見てみると、そこはまるで色彩の楽園のようだった。
壁一面に広がるキャンバスには、見たことのないほど鮮やかな空、深い森の緑、燃えるような夕焼けが描かれ、所狭しと並べられている。
そして、その中に、不思議な色があった。
「……あの色、なんだろう?」アオイは思わずつぶやいた。
もっと近くで見たい衝動にかられ、アオイは身を乗り出した。
「キミが、カナさんの言ってたコかい?」
ビクッとしたアオイは声のする方に目をやった。洗ったばかりの絵筆とパレットを持ったその人物は、肩より少し長めの髪を後ろで一つにまとめた、少し歳を重ねた男性だった。彼の目は優しくこちらを見つめている。
アオイは小さく頷きながら尋ねる。
「アオイといいます。シキさんですか?」
彼はそうだよと言いながらにっこりほほ笑んだ。
シキはアオイをアトリエに招き入れた。
入口からアトリエまでも、スペースがないくらいにたくさんの絵が置かれている。アオイは、さっき見かけた不思議な色のキャンバスを見つけると、シキに何色なのか尋ねてみた。
「キミには何色に見えるかな?」
シキに言われてアオイは考え込む。青にも、紫にも、あるいは淡い緑にも見える。いや、そのどれでもない気もする。何色が正解なのか?
「わかりません。でもとても美しく不思議な色ですね。」
不思議な色…か。シキはそういうと、キャンバスに向かって筆を走らせた。
「この色はまだ誰の色にもなっていない色でね。
色っていうのは、誰かが○○色って名前をつけた瞬間決まるものなんだよ。この色はまだ誰の心にもない色。誰も名前を決めていない色なんだ。だから、見る人によって色が変化するのさ。」
アオイは驚きを隠せずにいた。
色ってそんなに奥深いモノだったんだ。おばあちゃんはなぜわたしに、わたしの色を見つけなさいって言ったんだろう?
わたしの色を見つけたら、わたしはどうなってしまうんだろう?
頭の中でグルグルと考えていると、シキが再び話し出す。
「アオイちゃん、ボクはね、『世界一美しい色』を探しているんだよ。
この色はまだまだその色には程遠いと思ってるんだ。でも、キミが『美しい』と思うのは自然な気持ちだから、キミがこの色に名前をつけてもいいんだよ。」
そうは言っても、アオイにもまだ何色なのかハッキリとした色は見えていない。ただ、どこか懐かしい雰囲気のある色だなと思いながら、シキの持つ筆先を見つめていた。
シキの描く絵は、どれも光り輝くような美しい色で仕上げられている。この青い空と雲と湖はさっき見た景色だ。まるで現実世界を垣間見ているかのような美しい色。こんなにも美しい色を奏でられるのに、彼はまだ足りない、とでも言いたげな目をしながらキャンバスに向かっている。
「ねぇ、アオイちゃん…キミは『自分の色』を探しているんだろ?本当の色って、どんな時に見えると思う?」シキの質問に、アオイは真剣に考えて答える。「…好きなものを見た時?」シキは首を振った。
「本当の色はね、心が落ち着いたときに見えるものさ」
こころが、、おちついた、、とき、、
その瞬間、アオイの頭の中で何かがはじけた。
小さいころ、眠れない夜におばあちゃんが優しく包んでくれた、深い青色のショール。そして、おばあちゃんから一度だけ教わったあの言葉。
すっかり忘れてしまっていたけれど…
『アオイの心が一番落ち着く色。アオイの道を照らしてくれる色。』
どんなに心がざわついていても、おばあちゃんのショールに包まれると安心して眠れたことを、アオイはハッキリと思い出したのだ。
忘れかけていた大切なおばあちゃんとの思い出。
アオイはそのために、旅に出たことを噛みしめた。
優しかったおばあちゃんの記憶に包まれながら、アオイは不思議と心が穏やかになっていく。
あぁ。あの色はおばあちゃんのショールの色に似ていたんだ。
するとあの『透明なガラス玉』を入れたポケットから光が漏れ始めた。
アオイが驚いてポケットからガラス玉を取り出すと、透明なアオイのガラス玉に、淡い淡い青がにじみ始めた。
「…い、色が、、ついた、、?」
驚いたままのアオイの顔にガラス玉の光が反射する。ほんのり青く。
キャンバスから顔をあげて、一部始終を見ていたシキは静かに微笑んだ。
「ついに見つけたね。それがキミの最初の色だよ。」
アオイは、ガラス玉をそっと握りしめながら、初めて自分の中に『色』が生まれたことを実感した。
***
アオイの色を探す旅は、まだ始まったばかり。
次に出会う色はなんだろう?
アオイの心はいつになく穏やかに、弾んでいた。
こんにちは😊
ごきげんいかがですか?
調子に乗って『第二話』とか
言ってみましたけどww
面白くなかったらごめんなさい<(_ _)>
アオイちゃん、最初の色見っけましたね。
おばあちゃんとの思い出の色が
最初の色だったんですよね。
おばあちゃん、なかなかの策者ですね(ΦωΦ)フフフ…
さぁ、次はどんな人に会うんでしょうか?
てか、続くんでしょうか?(´-∀-`;)
一応、シキさんには次の人のこと
教わったみたいですけどねwww
どうなるやら(^^ゞ
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