見出し画像

「上手い文章はいらない」― 99%のnoterが気づかない真実

ようやく気づいた。

若手編集者だった頃、
本当のことが見えてきた瞬間があった。

真夜中、蛍光灯だけが照らす編集部の机で、
僕は自分の原稿を眺めていた。

なんだか足りない。
なんだか決定的に欠けている。

「どうして、僕の文章は心に残らないんだろう?」

この「問い」と向き合いながら、
編集部にあった古いコーヒーマシンで淹れた
苦いコーヒーを何杯飲んだことか。


「上手い文章」はいらない

テクニックなら一通り学んだつもり。
修飾語の使い方、比喩表現、起承転結の構成法。
先輩編集者から教わった黄金ルールも実践してた。

でも、それでも何かが違った。
読者アンケートはいつも「ふつう」評価。

まぁそりゃそうだよね。
僕自身、読み返しても「ふーん」って感じだったから。

そんなある日、電車の中で寝落ちしかけた瞬間、
急にひらめいた。
なぜか良いアイデアって半分寝てる時に下りてくるよね。

文章が「作品」になるために
必要なたった一つのこと。

それは、読者が「ジブンゴト」として感じられるかどうか。

「ジブンゴト」——この言葉に全てが詰まっている気がした。

心に刺さる言葉の正体

考えてみてほしいんだけど。

あなたが心を動かされた本や記事、
はたまた友人からのLINE。
それらに共通するのは何だろう?

「これ、私のことだ」
「まさに今の自分の状況そのもの」
「この気持ち、わかるー!」

そう思わせる瞬間があったはずだよね。

僕も読者として、そんな文章に出会うと
思わず「おおっ」となる。

電車で読んでいて
降りる駅を乗り過ごすレベルの没入感。

そんな感覚を届けたいと思ってたけど、
そのための方法がさっぱりわからなかった。

書き手の意外な盲点

なぜ「ジブンゴト化」は難しいのか?

それは、多くの人(特に僕みたいな頭でっかち編集者)が
「伝えたいこと」を優先しちゃうからだと思う。

「私はこう思う」
「こうあるべきだ」
「これが正しい」

そんな思いが先走ると、文章は「押しつけ」になる。
読者との対話じゃなくて、
一方的な説教くさい主張になっちゃう。

編集者1年目の僕も、
まさにそのワナにハマってた。

「この考え方はマジですごい!みんなに伝えなきゃ!」

そう思って書いた特集記事は、
不思議と反響が薄かった。
めっちゃ頑張ったのになぁ…(遠い目)

弱さこそが共感を生む

転機は、ある記事への読者アンケートのコメントだった。

「しばじゅんさんの失敗談に救われました。私だけじゃないんだって思えて、なんだか勇気が出ました」

「え?あの僕がポカした話が刺さったの?」と最初は驚いた。
でも、そこで気づいたんだ。

読者は僕の成功談よりも、
失敗談に共感してくれていた。

僕の強さよりも、弱さに親近感を覚えてくれていた。

人は、完璧な誰かより、同じように悩み、
同じように「あ、やっちゃった…」ってなって、
それでも前に進もうとする誰かの姿に心を動かされるんだよね。

「伝える」から「共に感じる」へ

それからは意識的に変えてみた。

抽象的な概念より、
「昨日こんなことあってさー」という具体的な体験を。

大げさな表現より、
「正直、めっちゃ焦った」みたいな素直な気持ちを。

教えようとするより、
「これってどう思う?」って共に考える姿勢を。

すると、不思議なことが起きた。

「しばじゅんさんの言葉で、モヤモヤしてた気持ちが言語化できました」
「まるで自分の心の声を聞いているようでした」

そんな感想が届くようになったんだよね。

文章が作品になるとは、
つまり「誰かの心の中に住む」ということ。

そのために必要なのは、
読者が「ジブンゴト」として受け取れるかどうか。
その一点に尽きる。

「ジブンゴト」の文章を書く3つの秘訣

では、どうすれば「ジブンゴト化」できる文章が書けるのか?

まず、読者の立場になること。
「この話、通勤電車で疲れてスマホ見てる人にも刺さるかな?」って考える。

次に、共通の感情体験を見つけること。
「あの時の焦りは、みんなも経験あるよね?」って。

そして、押しつけではなく、対話として書くこと。
「こんな風に思うんだけど、あなたはどう?」みたいな。

簡単なことのように思えて、これが意外と難しい。
なぜなら、自分の「正しさ」や「賢さ」を手放す勇気が必要だから。

「伝えたい」という思いを少し脇に置いて、
「共に感じたい」という気持ちで書く。

その気持ちが、文章を作品に変える。

言葉の届く先へ

今日も僕は、この小さな発見を胸に、
キーボードを叩いている。

あなたの心に、ほんの少しでも響く言葉があったなら…

そうそう、文章のプロって言っても、
今朝の打ち合わせではプレゼン資料の誤字を指摘されて赤面。

完璧を求めすぎず、人間臭さこそ大切にしたいもの。


毎月3名限定『プロ編集者のSNS伴走プログラム』
よければ、のぞいてみてくださいね。
↓↓↓       ↓↓↓


いいなと思ったら応援しよう!

しばじゅん|元編集長+経営者 もし、応援してくださる方がいらっしゃれば、サポートいただけるととても励みになります。いただいたものは、クリエイター活動で使わせていただきます。いつもありがとうございます!

この記事が参加している募集