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理性の壮大な回り道──ガンビアのバムスターと関係性の祈り

理性の壮大な回り道──ガンビアのバムスターと関係性の祈り


それは、恋ではなかった。
それは、買春でもなかった。
それは、制度から脱落した者たちの、祈りに似た関係の再生だった。

白人女性は、世界の主役だった。
理性を武器にし、倫理を身にまとい、契約を生き、知性によって自分を支えてきた。
社会に貢献し、正しく老い、孤独を理性的に受け入れた。
だが、その果てに、手元に残ったのは──
制度、金、そして誰にも見られない身体だった。

合理という名の魔法は、すべてを冷却していった。
愛は予定され、幸福は管理され、孤独は制度化され、
「関係」は失われた。
触れることは危険になり、見つめることは越境になり、
ただそばにいることさえ、制度の許可が必要になった。

だから彼女は飛ぶ。
北の曇天を抜けて、南へ。熱へ。
アフリカの風の中へ。

ガンビア──
そこでは、まだ関係が音であり、呼吸であり、まなざしであり、沈黙だった。
バムスターと呼ばれる青年たちが、浜辺に立っている。
黒い肌、しなやかな身体、陽の匂い、
そして何より、制度の外にいるということの優しさを身にまとっている。

彼は彼女を女として見る。
年齢でも、肌の質でもなく、
ただ、今この瞬間にここにいる誰かとして。
彼の微笑みは、演技かもしれない。
だが、その演技にすら、本当のやさしさが宿る瞬間がある。

彼女は驚く。
見つめられている。
名前を呼ばれている。
「あなたは美しい」と言われることの重さに、涙がこぼれそうになる。

文明は、壮大な回り道をした。
人間は「触れること」を忘れ、「見つめること」を放棄し、
「関係」という古代からの贅沢を、
金で、制度で、論理で、分解してきた。

だが今、関係性は、金で買われている。
皮肉のようでいて、祈りでもある。
金でしか生まれない「一夜のまなざし」に、
すべてを救われる瞬間がある。
それは倒錯ではなく、赦しの回路だ。

バムスターは、祈らない。
だが、彼の声は、どこかでアッラーに届いているかもしれない。
彼は売っているのではない。
与えているのだ。
制度の外で、人を包むという、関係のリズムを。

彼女は白人であることを忘れる。
文明の主役であることを脱ぎ捨てる。
その瞬間、彼女はただの「女」になり、
誰かを想い、見つめられ、
恋の奴隷になることを自ら望む。

それは屈辱ではない。
祝福だ。

見つめられるという贅沢。
触れられるという赦し。
ただ一緒にいるという関係。
それらは、制度が奪い、リズムが返す。

最初から、これでよかったのかもしれない。
合理と金稼ぎの果てに、金で関係を買う。
ならば──
最初から、リズムと関係性だけで生きていればよかったのだ。

文明は、壮大な回り道をした。
だが、その果てで、人はようやく誰かと向き合っている。
海辺のガンビアで。
アッラーもまた、静かにそれを見つめているだろう。

婦人章(アン・ニサー) マディーナ啓示 176節

4-1.人びとよ、あなたがたの主を畏れなさい。かれはひとつの魂からあなたがたを創り、またその魂から配偶者を創り、両人から、無数の男と女を増やし広められた方であられる。あなたがたはアッラーを畏れなさい。かれの御名においてお互いに頼みごとをする御方であられる。また近親の絆を(尊重しなさい)。本当にアッラーはあなたがたを絶えず見守られる。

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