新たなターン── BTCトレジャリー企業の転換点
BTC(ビットコイン)を企業資産として保有し、財務戦略の中核に据える企業群を「BTCトレジャリー企業」と呼びます。グローバルでは米国のMicroStrategy社が代表例で、2020年以降、企業の資産保全・インフレヘッジ手段として注目されてきました。
日本国内では、2024年以降にこの戦略を採用する企業が登場し、特に以下の2社が注目されています:
メタプラネット(3350):元ホテル運営企業からBTC集中保有企業へと転換。2025年10月時点で約30,000BTC以上を保有。
リミックスポイント(3825):暗号資産評価益を計上しつつ、BTCトレジャリー事業を展開。2025年後半には株主価値重視の方針転換を実施。
振るわない株価とその原因
両社ともBTC価格が上昇しているにもかかわらず、株価は低迷しています。主な原因は以下の通りです:
株式の希薄化による株主価値の摩耗
信用買残の偏りによる需給の不安定化
資本政策の不透明性と材料出尽くし感
特にメタプラネットは、優先株や新株予約権による大規模な資金調達を続けており、株価は年初来高値の1/3以下にまで下落しています。
また2025年10月、BTC価格は1,850万円を突破しましたが、両社の株価はほぼ反応せず、むしろ下落する場面も見られました。
別れたメタプラネットとリミックスポイントの方針
2025年後半に入り、メタプラネットとリミックスポイントはそれぞれ異なる制度設計の道を歩み始めました。
メタプラネットは、BTCの集中保有を最優先とする方針を貫いています。資金調達には優先株や新株予約権を活用し、企業としてのBTC保有量を急速に増やしています。その一方で、株主への配当は行わず、株式の希薄化による株主価値の摩耗が懸念されています。経営体制もBTC戦略に特化した外部招聘型のCEOが主導しており、企業資産の拡大を重視する姿勢が鮮明です。
一方、リミックスポイントは2025年秋に方針転換を図りました。新株予約権による希薄化を抑制する制度設計を導入し、配当の復活を明示するなど、株主価値の再構築に舵を切っています。経営体制も田代氏から高橋氏へと交代し、財務安定性と制度的信頼性の回復を目指す姿勢が見られます。BTCトレジャリー戦略は継続しつつも、株主との接続性を重視する設計へと移行している点が特徴です。
このように、両社は同じBTCトレジャリー企業でありながら、制度設計の方向性において明確に分岐しています。賛否両論があると思いますが、僕はリミックスポイントの戦略に好感を持っています。
次のマイルストーンは11月14日
両社とも、2025年11月14日に次回決算発表を予定しています。ここでは以下の点が注目されます:
BTC保有量と評価益の進捗
希薄化抑制策の実効性
株主還元姿勢の継続性
経営体制の安定度
この決算は、制度設計的にも株価の再評価が起こる可能性がある重要なマイルストーンです。
もう少し様子を見ることに
僕は現在、リミックスポイントを16,000株保有しており、平均取得価格は551円です。現時点では含み損が出ていますが、高橋社長の手腕に期待し、もう少し様子を見たいと考えています。
BTCのトレジャリー戦略は、単にBTCを保有することが目的ではなく、その資産から得た資金をどのように活用し、企業の本業や新規事業を拡大させていくかが本質的なポイントだと僕は考えています。BTCを保有するだけで企業価値が上がるわけではなく、その資金を制度的に意味のある事業へと接続できるかどうかが、株主価値の分岐点になります。
もしそれができないのであれば、企業株を通じて間接的にBTCに投資するよりも、BTC現物やETFを直接保有するほうが制度的にも合理的です。その意味で、財務設計に明るく、株主価値の再構築に取り組む高橋社長の制度設計力には注目しています。
制度摩耗構造が再設計されつつある今、焦って損切りするよりも、制度的な転換点を見極めてからExit設計を判断することが合理的だと捉えています。
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