「教育現場に『紙の教科書』を残しておいた方がいい理由」を、小論文・作文指導者が考えてみた。
更新日:2026/06/08
※記事内に広告があります。
「紙の教科書も大切である理由」を言語化してみる。
本日は、「教育現場で紙の教材も必要である理由」をまとめていきたいと思います。
(私の自己紹介はこちら)
「とある方の記事が与えてくれた、とても大切な気付き」から、改めて考え始める。
以前、noteでこちらの記事を読み、「この気付きは重要だ。全く同意できる」と感じ、こちらの記事を自身の「あとでよむ」マガジンに入れました。以前から私もこの問題について「このように考えていた」からです。
(manaさんの「紙の教科書の大切さ」という記事)
※勝手に引用して申し訳ありません。
そこでは、私も注目したニュースである、「デジタル先進国のスウェーデンで、デジタル教材になってから成績の落ち込みが目立つようになったため、紙の教材に戻した」ことを話題とされていました。manaさんの記事では、読売新聞に掲載された「学習の記憶は、どの辺りに書かれていたかといった物理的な位置情報とも関連しており、画面上の情報は記憶に残りにくい」という専門家の意見を引用した上で、ご自身の学習経験とも絡めながら、「私たちは画面をスクショするように記憶してはいない。物理的な体感は記憶の味付けやスパイスになる。手間や手順を惜しみ「ファスト」的に学んだことは忘れるのも早いはず。」と述べられていました。この記事を読んだときに、「なるほど。やはり紙の教科書は残しておくべきだ」と確信しました。
AI時代はもはや到来しています。身近なものに次々とAIが搭載されていっています。教育現場もしかりです。教材は紙からタブレット端末へ、ネットやアプリを使った学習へ。もちろん、これは自然の流れです。いやむしろ、子どもたちは私たち以上にAIやIT機器との共生が求められてくるはずです。私たちはこの後老いて死にゆくのみですが、今いる子どもやこれから生まれてくる子どもは、情報機器やAIの発展と共に成長していくのです。そのため、AIなどに対する理解とその活用に対する知識は、子どもたちにとって必要不可欠な素養となるでしょう。その中で「紙の教科書」が淘汰されていくのは、やむを得ないことと考えられる部分もあります。
しかしそうだとしても、紙の教科書は完全になくしてしまっていいのだろうか、そうした疑問を、前々から持っていました。紙の教科書は、やはり残しておいた方がよいのではないか、そう考えていました。ただ、それに対する「明確な根拠」が私にはありませんでした。でも、こちらの記事を読んで腑に落ちたところはありました。
manaさんが記事内でおっしゃることには、全く同意します。私もこの内容には、自身の学習経験に照らし合わせて納得をしています。受験生の頃、覚えられない英単語を覚えるのに英和辞典のその単語のところを赤ペンで何回も線を引いてみたり、歴史の用語を覚えるのにその用語をマーカーで引き緑のシートで消して自分の記憶を定着させようとしたりしていました。そうしたフィジカルな体験を伴う学習行為が、理解を促進し記憶を更新していくのに寄与したことは、私は「体験的」にわかっているのです。そして、それには紙の教材が最適なのだと思います。
ただし、このことを子どもたち生徒に話すのを仮定した場合、この「個人的体験を基にした話」で、彼らは「紙の教材を使うこと」に納得してくれるのか、という一抹の不安が私にはあります。ややもすると、これが彼らに納得されなかったとき、彼らにとって私のこの言説は「根拠のない、ただの個人的な経験則」として聞こえやしないだろうか、と懸念しました。
私が小学校の頃、「ファミコンで算数が学習できる」というふれこみのカセットがありました。当時、算数が少し苦手だった私は、このカセットを買ってくれるよう、母親にねだりました。すると母は算数はファミコンのようなおもちゃで学習するものではない、自分の頭で計算して手を動かして紙に書いて身につけるものだ、私も子どもの頃そうやって勉強した、というようなことを言われ、買ってもらえませんでした。私はそのとき、子どもながらに「母の時代はそのように勉強したかもしれない。それはまだコンピューターがなかったからだ。しかしこれからはそういう時代じゃない。コンピューターを使った勉強の仕方が出てくる。」と漠然と思いました。
ですから、こうしたmanaさんの記事の中で述べられているようなことをより掘り下げていき、こうした考えをもう少し普遍化できないものか、とも考えました。またこれから成長する子どもたちにも「なるほど紙の教科書を使うべきだ」と納得してもらえるような「明確な根拠」が欲しい、と考えました。そうでなければ、「紙の教材も学習に有用だ」と今の子どもたちに主張しても、あの頃の小学生の私のように、「今はそういう時代じゃないんだよね」と一蹴されてしまうと思ったからです。
しかしそう考えている中、また別のとある記事を読んで、ここからもう一度この問題について考えてみたいと思いました。
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