サ高住における食のバリエーションを増やすツール選び
サ高住で暮らす認知症の母を見ていて、最近あらためて感じているのは、「選べない」という不満が、日々の生活の満足度に、影を落としているということです。
もともと母は、朝食はパン食を自室で摂っていました。施設の食堂に行かず、自分のペースで食べられるその時間は、母にとって小さな自由だったのだと思います。
ところが最近、その傾向が夜にも及び、夕食も施設の食堂で頼まないようになりました。理由を聞くと、味や量というよりも、「決まったものしか出てこない」「選べない」という感覚への不満が強いようです。
その結果、毎日の夕食をどう確保するかが、現実的な課題になってきました。カップ麺のストックはありますが、さすがに毎日というわけにはいきませんし、部屋の冷蔵庫も小さいので、何でも入れておくわけにはいかないし、賃貸住宅での一人暮らしの最後の方で感じていた、同じ食品を繰り返し購入してしまい、その結果として、期限切れの食品が冷蔵庫内にたまるというリスクもあります。
また、部屋にはガスやIHなどの調理設備はありません。そこで、電子レンジで調理できる鍋料理グッズを購入しました。具材を入れて加熱するだけで、湯豆腐風にも簡単な鍋風にもなり、市販のつゆを使えば味付けも難しくありません。
電子レンジでできることを増やすことで、安全を確保しつつ、「今日はこれにしよう」と母自身が選べる余地を残す。その工夫が、食への不満を和らげ、生活の張りを取り戻す一助になるのではないかと感じています。
認知症のリスクに配慮しつつ、本人の食へのこだわりをなるべく叶えることのできる方法を模索する。その積み重ねを、これからも大事にしていきたいです。
