ショートショート「下僕並べ」※毎週ショートショートnote5/24お題
我が覇道を阻む者なし。
それが我が、我たる所以である。
王宮を歩けば、忙しなく動いていた者たちが、その動きをピタリと止めてマリオネットの如く、一糸乱れぬ整列を見せる。
一礼して、呼吸すらも止まったように静止する。
魔法のように、我は人の波を裂き、下僕として陳列することができるのだ。
我が帝国は、…が作り上げた。
この覇道をどこまでも征く。
我こそが支配者なり。
***
今日も我が進めば、下僕どもが道を作る。
道なき道に、覇道を作り上げる。
炎をかき分け、我の行き先にチリ一つ遺さず。
「危ない!馬鹿野郎、お前が…」
下僕の一人が、そこまで叫んで糸が切れたように崩れ落ちる。
「下がってろって!」
飛んできた矢をその身に受けて、下僕の一人が事切れる。
「王!」「どうか」「今度は勝てよ」「ありがとう」「誰よりも弱いのに」
口々に、そう叫んで、誰もが我の前に道を作る。
ポツ。
雨が降ってきたようだ。
だが、そんなもので、我が歩みを止めることなど出来ぬ。
「ぬおおお!」
慟哭のまま、我は剣を抜いた。
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