ショートショート「サンタ酸」※毎週ショートショートnote12/14お題
「もうすぐクリスマスだね。ところで何か欲しいのものある?」
カーテンを開けて、窓の外を見る。
初雪が降っている。
しんしんと街を白く染めていく中で、私の身体の芯が霜づいていくような身震いがしたとき、パートナーが突然、聞いてきた。
雪の精が我先に逃げ出すかのように、火にかけたポットから白い蒸気が走り出す。
「欲しいもの、ねえ」
私が考え込んでいる間に、パートナーは火を止めて、少し湯温を冷ましてから、コーヒーフィルターに挽いた豆を均し、のの字を描く。
ふと、思いついたことが口をつく。
「シュワシュワしたのを、沢山飲みたいな」
「なるほど」
パートナーがコーヒーを淹れたカップをテーブルに置きながら、相槌を打つ。
私は、コーヒーも好きだが、大のビール好きなのだ。
窓の外とは違って、部屋の中はとても温かな時間が流れていた。
クリスマスの朝、ダイニングに飾られたクリスマスツリーの傍に、赤い大きな包みが置かれていた。
サンタさんから炭酸メーカーが届いた。
シュワシュワしてるけども。
「サンタの炭酸………サンタ酸……」
下らないセリフとともに、微炭酸のような、どこか抜けてる私のサンタを思い出し、自然と笑みがこぼれた。
こちらの企画に参加させていただきました。
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