4歳の『なんで?』が止まらないので、Google Geminiと引き継ぎ書をつくることにした
この記事は、Google Geminiとnoteで開催する「#AIと始めてみた」の参考作品として主催者の依頼により書いたものです。
我が家には、4歳と0歳の子どもがおります。

最近の4歳児はもっぱら『なぜなぜ期』。
なぜなぜ期とは、すべての物事に対して「なんで?」「それって何?」と疑問を抱く時期です。調べてみると、さまざまなことが認知できるようになる過程で直面する、子どもの成長にとって非常に大切な時期とのこと。
『なぜなぜ期』というネーミングから、「空ってなんで青いの?」とか「鳥はどうやって飛ぶの?」とか聞かれて、回答したら終わると思うじゃないですか。
~実際の会話~
子「ママ、おやつ食べたい」
私「食べていいよ」
子「なんでいいの?」
私「夜ごはんまでまだ時間あるからだよ」
子「なんで時間あるの?」
私「まだ3時だから」
子「3時って何?」
私「時計の短い針が3のところにきたら3時だよ」
子「短い針ってなんで短いの?」
私「ウウウワァアアアアーーーーー!!!!!!!!」
これが1日中続きます。すごいですよね。気が狂いますよこんなのは いいから早くおやつを食ってください あと誰か助けてください 冷たい水もください できたら愛してください
そんな風に『ゲッソリアゲハ蝶』をリリースしそうになりながらも、日々を過ごす中で私は恐ろしいことに気づいた。
いま0歳の赤ちゃんにも4年後、この『なぜなぜ期』が訪れる。
このままでは、4年後にまた毎日ゲッソリしながら最終的に「海の底で物言わぬ貝になりタァーイ!」と叫びながら今度は『ゲッソリサウダージ』をリリースしてしまう……
ちょっと待って。
質問への回答はナレッジとして蓄積して、引き継ぎ書に落とし込んだほうがいいよね?
急に会社員が出てしまいました、すみません
そう、私、普段は会社員をやっております。
会社員として、このような"今後も繰り返し発生することが確定している作業"は、これまで得た知見を活かしながら、引き継ぎ書を準備するのが基本です。
そうと決まれば、4年後に『なぜなぜ期』をむかえる後任(※赤ちゃん)のために、引き継ぎ書を作っていこう!
引き継ぎ書の材料をあつめよう
ここで「どういう仕組みで動いてるのかまったくわからないけどめちゃくちゃ便利ランキング 第1位」ことGoogle Geminiの力を借りることにします。(第2位はエアコン)
まずは4歳児に、リアルタイムの音声対話機能『Gemini Live』機能を使って、Geminiと自由に話をしてもらいます。

※本来、Gemini Live機能使用中は以下の画面ですが、文字を見やすくするために記事内ではLIVE終了後の結果画面を掲載しています

ちなみに、4歳からの初手の質問は何かというと‥‥

おもちゃはなぜ存在しているかという、大人ならまず気にしない質問。
こういう「答えようと思えば答えられるけど、でも子ども用にわかりやすく説明すんのムジィ~」という絶妙な質問を放ってきます
それに対する回答がこちらです。

すばらしい回答だ。さすが人類の英知。
そこから好きなおもちゃの話題になったりと、会話がはずむ。

しかしその後、問題が発生しました。
「タクシーってはやいですか?」と子どもが聞いたところ、Geminiの回答が難しすぎて、子どもがあんまり理解していない様子だったのです。

そこで「4歳にもわかるような説明をしてほしい」と私が横から口をはさみました。

すると、一瞬でやさしい言葉に早変わり。すごすぎる……どうやってんの。隣の部屋でこっそり私たちの会話を聞いて急いで誰かが手打ちしてんのか?
だとしたらありがとうございます
あと、子どもがたどたどしくしゃべるので、誤った日本語に変換されることが多々あるのですが、それでもまったく問題なく回答してくれます。

結局40分近く会話をし、最後には遊ぶお約束もして、大満足で終了。

「今までの私の努力ってなんだったんだ」と思わなくもないですが、これからもGemini Liveを家族の一員として迎え、多用していこうと心に誓いました。
引き継ぎ書、完成
無事に引き継ぎ書の材料が集まったので、つづいては、この会話内容を永続的に閲覧・編集できるようにしていきます。
まずは、GoogleGeminiで「これまでのやりとりを4歳児向けのQ&A形式にして」と指示を出します。
このようにトピックに分けて綺麗にまとめてくれました。

そして、このテキストをそのままNotebookLMに貼り付けて、ソースとして取り込みます。

こんな風に、取り込んだQ&Aの内容に合致する質問があれば……

↓

先ほど取り込んだ内容から、該当する回答を瞬時に引っ張り出してきてくれます。
めっちゃ便利!!!!
今まで仕事でも幾度となく引き継ぎ書を作ってきましたが、そのたびにわざわざWordファイルに打ち込んでいました。あの時間なんだったんだ あの時間を集めたらゼロから陶芸を始めて個展とか開けてたと思う 今後すべての引き継ぎ書これでいいです
やっぱり動画にしよう
ここまで引き継ぎ書を作りこんできたものの、私は当たり前のことを見落としていた。4歳にはテキストを打ったり、読んだりするのはまだ難しい。
ひらがなは少しずつ読めるようになってきたものの時間はかかるし、「が」や「ぱ」など濁音や半濁音はまだまだ苦手。きっと読んでいるうちに飽きてしまい、私になぜなぜの矢が降り注ぐBAD ENDになってしまう
そこでNotebookLMの『動画解説』機能を使い、これまで取り込んだ内容を動画にまとめてもらうことにしました。

最初は何度指示をしてもなぜか「大人に対する説明動画」となってしまい苦心しましたが……

最終的に、こんな風に子ども用の動画が完成し、自分のYouTubeアカウントにアップロードすることができました。
勢いに乗ってきた私は、来る後任への引き継ぎの際に手間取らないよう、前もってGoogleドキュメントで辞令のフォーマットも作成しておきました。

赤ちゃんにリハとして渡してみましたが、何もわかっていない感じでした

最終的にはぐちゃぐちゃにしてハイハイでどこかへ行ってしまいました。辞令の紙をぐちゃぐちゃにして投げ捨てるなんてエグい反骨精神を持っている赤ちゃんだ
でもイノベーションを起こすのって、そういう人材だから

それを見ていた上の子が言いました。
「赤ちゃんって、なんで紙をぐちゃってするのが好きなの?」
その問いかけを受けた私はふと気がついた。気がついたっていうか、うっすらずっと思ってた。
4年後、下の子のなぜなぜ期が来たとき、聞かれることは今の引き継ぎ書に書いてあることとおそらく全然違うでしょう。
「タクシーってはやいですか?」はタクシーのおもちゃが好きな上の子の"なぜ"だし、「なんで赤ちゃんって紙をぐちゃってするのが好きなの?」は、今日の下の子を見て生まれた質問です。
さらに、不安なこともあります。 これまで私は、上の子からの「なぜなぜ千本ノック」を満身創痍になりながらもなんとか受け止めてきました。それは、親子にとっての貴重な会話の時間でもありました。
だからGeminiを仲間に迎えたとき、楽になった一方で「コミュニケーションをAIにアウトソーシングしてしまったのではないか」という危惧も生まれたのです。
このまま私と子どもの会話が消え、家庭に冷たい隙間風が吹きすさび、わが子が「Geminiだけが俺の理解者だぜ……」と遠い目をして夜の校舎をストライダーで駆け抜ける、そんな最悪のシナリオも頭をよぎり始めました。
私は、よくないことをしてしまっているのではないか…… ぐちゃぐちゃになった辞令を横目にそんなことを思う。
私が絶望しかけているのをよそに、上の子は「またあのスマホのやつとおはなしする!」と、Gemini Liveに問いかけたいと言い出しました。私はスマホを差し出します。


そのとき。Geminiから回答を聞いた上の子が、隣にいた私にこう言いました。
「ママ、赤ちゃんはさ、たのしいんだって」
「そうなんだ~」と軽く流しそうになりましたが、ふと思う。
子どもが、Geminiから得た知識を真っ先に私に共有してくれた……。
Geminiが間に入っても、親子の会話は消えなかった!!!
私の心の中に春風が吹き抜け、心の中の桜がガチで満開となり、さくら(独唱)が爆音で流れました。
Geminiがいることで、会話が消えるどころか、母と子のあいだに「新しい話題」が運び込まれた。そんな豊かな循環が生まれたことに気がついたのです。
私はNotebookLMに、今生まれたばかりのなぜなぜと、それを私に教えてくれたことを追記しました。

ここまで『引き継ぎ書』の完成を楽しみに読んでくださったみなさん、申し訳ありません。
私が作っていたのは『引き継ぎ書』ではありませんでした。お詫びして訂正いたします。
私が作っていたのは、他でもない「2026年春のわが子が、何に驚き、何を不思議に思って、何を母に伝えてくれたか」という、二度と戻らない日々の、最も純度の高い記録でした。
この引き継ぎ書は、4年後の赤ちゃんのためではなく、10年後、20年後に子育てがひと段落したであろう、他でもない私自身へのプレゼントなのではなかろうか。そんなの、宝物じゃん……。
疲れ果てる日もあるけれど、Google Geminiを相棒にしながら、尊い日々の記録をこれからも続けていこうと思ったのでした。
おわり
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ありがとうイン・ザ・スカイ