「まぐれ」の正体 こうして投資家は運と実力を勘違いする。
要約
投資の成功は本当に実力なのか? ナシーム・ニコラス・タレブ著『まぐれ』は、金融市場に潜むランダム性と、人間が運を実力と勘違いする心理を鋭く描く一冊。 本書は投資家だけでなく、日常の意思決定にも役立つ「不確実性との向き合い方」を提示してくれる。
初めまして!シロマサルです。
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今回はナシーム・ニコラス・タレブ著『まぐれ 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか』2008年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:ナシーム・ニコラス・タレブ

文芸評論家、実証主義者にして、非情のデリバティブ・トレーダー。レバノンでギリシャ正教の一家に生まれる。ウォートン・スクールMBA修了。博士号はパリ大学で取得。トレーディングを行うかたわら、ニューヨーク大学クーラン数理科学研究所で7年にわたり確率論のリスク管理への応用を(客員教授の立場で)教えた。現在はマサチューセッツ大学アマースト校で学長選任教授として不確実性科学を研究している。前著『まぐれ』は世界30ヵ国語に翻訳されたベストセラーである。主にニューヨーク在住。
他の書籍
『ブラック・スワン』
“想定外の衝撃”にどう備えるべきかを語る書籍。
ブラック·スワン(黒い白鳥)とは、まずありえない事象のことであり、次の三つの特徴を持つ。
予測できないこと、非常に強い衝撃を与えること、そして、いったん起こってしまうと、いかにもそれらしい説明がでっち上げられ、実際よりも偶然には見えなくなったり、あらかじめわかっていたように思えたりすることだ。
グーグルの驚くべき成功も9·11も黒い白鳥である。
この記事で言いたいこと
✅ 投資の成功には多くの場合「まぐれ」が関与する
✅ 人は成功を実力、失敗を運のせいにしがち
✅ 不確実性を受け入れ、頑健な戦略を立てるべし
資本主義のいいところは、人々の欲を社会が利用するところだ。
博愛精神を利用するのではない。
「投資で勝ち続ける人は本当に腕が良いのか?」
「自分の成功は努力の賜物だと思っていないか?」
タレブは、成功と失敗の多くが実力ではなく偶然によって決まると指摘する。
「まぐれ」とは、一般的に運や偶然と呼ばれる。
金融の世界では「ボラティリティ(価格変動の度合い)」。
工学の世界では「ノイズ(雑音)」と表現される。
「運」は実力や能力の内に入りやすいのに、「まぐれ」は否定的な意味合いが何故か強調される。
この記事では、『まぐれ』から学べる「運との正しい付き合い方」と「思考の落とし穴」を解説。
本書は多くのエピソードから成功がしばしば実力ではなく運によるものであるということを教えてくれる読み物(啓蒙書)である。
ただし、”すべて”が『たまたま』ではないことを忘れてはいけない。
『まぐれ 投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか』

ほとんどどんなことでも、私たちは偶然が果たす役割を過小評価している。
成功の裏に潜むランダム性
私たちの脳みそは確率が高いとか低いとかの話が簡単にわかるようにできていない。
すぐ「あるかないか」なんていう極端な話になってしまう。
⇒ 多くの成功は実力ではなく運で説明できる。
人は成功を自分の腕前だと信じがちだが、市場の動きはランダムであり、長期的に勝ち続けるのは至難の業。

「長期で見れば、株式は”いつでも”7%のリターンを出しています。」
たしかに統計データの裏付けも出してくる。
しかし、生存バイアスを気にしなければならない。
いちばん成績が良かった結果が一番目に付くものである。
統計は正しいけれど、過去の出来事であり、数万銘柄もあれば、毎年2倍以上に上がった株が大抵出てくるものだ。
数字を求めるのは良いことだが、数字はマジックを使えることも忘れてはいけない。
明日の株価が上がるとも、下がるとも説明するに十分な材料はいつでもそろっているのだ。
お金は国内だけでなく、全世界から出入りしている。
もはや、「お天気」と変わらない。
ただ、人々の欲を利用しているおかげで、「良い時もあれば、悪い時もある」を必ず繰り返している。
天候を不完全に予測することはできても、天候を操作できない。
(または、できたとしてもリスクや手間にあったリターンが見込めない。)

田内学著『お金のむこうに人がいる』
⇒ 経済指標の裏に「人の営み」がある。
ゴールドマン·サックスという資本主義ど真ん中の会社で働いてみて僕は確信した。お金は偉くない。 そして経済は、お金ではなく人を中心に考えないといけない。
人間の認知バイアス

賭けに当たった人はお金持ちの有名人になって人前に出てくる。
賭けに負けたそれ以外の人は人前に現れず、分析対象から消えていく。
かわいそうに。

⇒ 成功は自分のおかげ、失敗は運のせいにする傾向は危険。
⇒ 自分なりで良いので、分析し、次に活かせ。
分析できるものの大半は目に見えているものである。
目に見えているものは生き残った者たちである。

日本人の中にも株式投資で大きく儲けた人もいる。
「株主優待がもらえる銘柄をなるべく安い時に買って、長期で運用する」投資スタイルの桐谷広人さんも。
88歳で資産20億円を築いた現役デイトレーダーの藤本茂さんも。
元手300万円からスタートし、2024年2月には累計利益100億円を達成したデイトレーダーのテスタ (Testa) さんも。
はじめから人前に出てきたわけではない。
ましてや、一番最初から種銭があったわけでもない。
(別の収入や種銭となる資金を用意している。)
彼らの思考を完全に理解し、同じ行動をとることは決してできない。
これは生存者バイアスに過ぎない。
(生存者のみに注目し、失敗した者の存在を無視することで、成功の確率や原因を過大評価する傾向のこと)
成功した戦略や人物にばかり注目し、同じ戦略で破綻した無数の事例を「見えない失敗」として無視してはいけない。
「あなたはあなたである」という大きな”変数”を理解しなければならない。
82歳の男性が、SNSを通じて知り合った人物から、うその投資話を持ちかけられておよそ2億7500万円をだまし取られた詐欺事件もある。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250810/k10014890871000.html
外部サイト:NHK SNSでうその投資話 82歳男性 約2億7500万円の被害
正しく、退場した者たちの敗因が理解できなければ、何の意味もない。
そうでなければ、事実を歪めて解釈し、学びの機会を失うだろう。
古い言葉を使うなら、「負けに不思議の負けなし」である。
成功事例だけでなく、隠れた失敗の歴史からも学ぶ姿勢を持とう。
良いと思った手法はまずは小さく真似してみて、違うと思えばアレンジや改良をしていく。
そうやって初めて、「あなたのノウハウ」となる。

ローレンス・J・ピーター、レイモンド・ハル共著『ピーターの法則』
経済危機や政治危機にもいろいろありますが、1つだけはっきりしていることがあります。
それは、さまざまな学識経験者がてんでばらばらな解決策を提言するということです。
階層社会において、誰もが最終的に“能力の限界”に達する。
“能力の限界”は“分析の限界”ともいえる。
認知能力が下がれば、数億円持っていても、あっという間になくなる。
人間は全能じゃない。だから、人間なのだ。
人の心はロジック(理屈)じゃない。
長期投資という言い訳
お金のことで「リスクをとる人」は、とらない人に比べて、妄想に陥りやすい(ひどい結果になる可能性を過小評価し、楽観的になりすぎたり、自信家上になったりする)。
彼らが、「リスクをとりにいく」のは、だいたい、偶然なのが見えていないからにすぎない。
株価はあらゆる情報を織り込み、短期は特に予測不能。
どの分析手法も万能ではない。

⇒ 損失後に「自称:長期投資家」へ変身する心理を知ろう。
本来の戦略ではなく、失敗を正当化する防衛機制として長期投資を持ち出す人は少なくない。
大事なことは、株式等にお金をゆだねる際、短期のトレーデイングとまぜこぜにしてしまってはいけない。
短期なら短期。長期なら長期。とあらかじめ理解してから「リスクを取る」必要がある。
短期投資の予定で損をすると、そのまま長期投資家になる人がとても多い。
だがそれは、短期的な失敗からの「現実逃避」にすぎない(2敗)。
人間は「知っている」ことと「実行できる」ことの間に大きなギャップがあるのだ。

マックス・ギュンター著『マネーの公理』
目標とする利益水準を事前に設定し、それが達成されたら躊躇なく利益を確定するか、損切りしなければならない。
船が沈み始めたら祈るのではなく、行動せよ。
小さな損失は人生の現実として甘んじて受けよ。
大きな利益を待つ間には、何度かそういう経験をすると考えろ。
不確実性との向き合い方

もう何度も書いたように、もっと理性的になったり、誰かに侮辱されても冷静でいたりするのは生身の人間にできることではない。
少なくとも、生物学的に今のままでは無理だ。

⇒ 予測よりも頑健性を重視する。
⇒ 稀な事象は無視できない。ブラック・スワンを意識せよ。
未来を正確に予測するのではなく、「壊れにくくする」ことに集中せよ。
ギャンブラーは「手持ちの手札」が「悪い」とき、”良くなるのを待つ”のではなく、どのように自分を救うかを考えるという。
未来は読めないという前提で、損失に耐えられる構造や複数の選択肢を確保することが重要である。
つまり、「卵をカゴに入れたら、ちゃんと見張れ」。
投資も労働も、いくつかの収入源を持つことも、お金を正しく浪費することも、誰かに会うことも、人間関係や健康を維持することも。
1つの書籍や意見だけでなく、様々な分野を見聞きし興味を持つこと。
線形と非線形の組み合わせで偏らないことが、「壊れにくくする」ということである。
さまざまな分野のさまざまな考え方を学び、それらを日常的に活用すべきである。 一部だけ使うのではなく、すべてを使って。

⇒ 「お金」「時間」「人脈」「健康」のバランスを取りながら増やしていく。

バートン・マルキール著『ウォール街のランダム・ウォーカー』
技術への過度な過信、投機熱、集団心理、企業の破綻、法規制・金融規制強化、新技術への盲信、不動産価格の永遠の上昇神話、リスク軽視、金融商品の複雑化…など。
こちらの本が過去のバブル事例を詳細に分析するのは、市場が常に合理的であるという前提を打ち破るため。
どの時代でも、人々の「これは例外だ」という過信が破滅を呼んできた。
結局のところ、これは不特定多数の読者が皆同じような目論見で参加しているゲームなのだ。
まとめ

✅ 投資の成功には多くの場合「まぐれ」が関与する
✅ 人は成功を実力、失敗を運のせいにしがち
✅ 不確実性を受け入れ、頑健な戦略を立てるべし
この本で書いたのは「物事は私たちが思っているよりもたまたまなんだ」ということで、「物事は全部たまたまなんだ」ではないということがなかなか分かってもらえない。
⇒ こうして投資家は運と実力を勘違いする。
⇒ 運と実力を混同しないことが、真の判断力を育てる。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆


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