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モノマネMONSTER2026の感想と考察

2026年1月31日、待望の「モノマネMONSTER」が放送された。日本テレビの大型ものまね特番としては実に1年以上のブランクとなってしまった。ものまね評論家の立場から言えば、この種の良質なエンターテインメント番組はもっと頻繁に放送されるべきだと考えるが、制作サイドには様々な事情があるのだろう。

今回の番組構成は非常に意欲的であった。Mrs. GREEN APPLE部門、桑田佳祐部門、歌ネタ部門、しゃべくり部門、ショート部門という5部門を設け、各部門の優勝者を決定した上で、その5名による頂上決戦で真の王者を決めるという二段階方式を採用している。審査員には神無月氏、原口あきまさ氏、ホリ氏、栗田貫一氏、綾小路翔氏という、ものまね界に精通した実力者を配置。特に、ものまね界のレジェンドである原口氏が審査員として参加したことは感慨深く、また栗田貫一氏が日本テレビの番組に出演するという珍しい光景も見どころの一つであった。以下、各部門について詳細に論評する。

Mrs. GREEN APPLE部門 各審査員100点満点とAI審査員100点の計600点満点方式

  • キャット:568点

  • HAL:575点

  • 多田壮太:570点

  • もっくん:577点(優勝)

現代J-POPシーンを代表するアーティストであるMrs. GREEN APPLEという題材設定は、若手ものまね芸人の登竜門として極めて適切であった。多田壮太氏を除く3名はものまね番組の常連であり、その意味で本部門は極めてハイレベルな戦いとなった。キャット氏のパフォーマンスは技術的完成度が高かったものの、出演順という運の要素が影響した可能性は否定できない。結果として、もっくん氏が僅差ながら堂々の優勝を飾ったことは、彼の安定した実力を証明するものであろう。一方、HAL氏については、Official髭男dismのものまねで既に高い評価を得ている芸人だが、今回のMrs. GREEN APPLEのレパートリーも著しい進化を見せており、今後のさらなる飛躍が期待される。惜しくも敗退したが、その実力は十分に示された。

桑田佳祐部門 各審査員100点満点とAI審査員100点の計600点満点方式

  • 嘉門ケイスケ:551点

  • みっちゃん:566点(優勝)

  • くわGON:556点

  • ケイスケ:563点

日本のロック界における絶対的カリスマ、桑田佳祐氏のものまねは、技術的難易度が極めて高いことで知られる。今回の対決は実質的にみっちゃん氏とケイスケ氏の一騎打ちの様相を呈した。両者のアプローチの違いは興味深い。みっちゃん氏はナチュラルな再現を志向し、声質の酷似性において傑出していた。音声だけを聞けば本人との判別が困難なレベルに達しており、これは高く評価されるべきである。対するケイスケ氏は、声の粗さこそあるものの、ビジュアルの類似性と所作の再現性において優れており、「これぞものまね」という王道のスタイルを貫いた。動きまで含めた総合的な完成度への姿勢は、ベテランならではの矜持と言えよう。

なお、余談ではあるが、原由子氏のものまねを披露したシンディー氏の再現度は驚異的であり、これも特筆に値する。サザンオールスターズという文脈全体を理解した上での演技であったと評価したい。

歌ネタ部門

  • ビューティーこくぶ:476点

  • キンタロー:480点

  • ジョニー志村:481点(優勝)

  • 荒牧陽子:481点(優勝・栗田貫一氏の得点により決定)

キンタロー氏の18役という物量作戦は、往年の日本テレビ系ものまね番組の黄金期を彷彿とさせる意欲的な試みであった。詰め込み型のネタ構成は現代では敬遠されがちだが、このスタイルにこそものまね番組の本質があるという意見も根強く、ノスタルジックな魅力を感じた視聴者も多かったのではないか。

ジョニー志村氏のネタは構成の明快さが光った。タモリ氏を軸として様々な歌ものまねを展開する構造は、観客にとって理解しやすく、コブクロのものまねはベタな選択ながらも確実にウケを取る堅実さがあった。

荒牧陽子氏のネタは「坂本冬美が最新のアイドルソングを歌ったら」というコンセプトであったが、個人的には若干のミスマッチを感じた。ただし、得点が伸びて同点に持ち込み、栗田貫一氏の高得点により勝利を掴んだという展開は、番組の緊張感を高める結果となった。

しゃべくり部門

  • JP:480点

  • レッゴーよしまさ:478点

  • ほいけんた:478点

  • ラパルフェ:491点(優勝)

  • Mr.シャチホコ:481点

本部門は5部門の中で最もレベルが高く、激戦区であった。JP氏の松本人志氏ものまねは、もはや「名人芸」の域に達しており、長年の研鑽が結実した完成度の高さを見せつけた。レッゴーよしまさ氏の志村けん氏ものまねも、舞台上ではなく「素の志村さん」という設定が定着してきており、独自のポジションを確立しつつある。

しかし、今回の真の主役はラパルフェであった。M-1グランプリで準々決勝進出の実力を持つ彼らの掛け合いは、漫才としての完成度が極めて高く、ものまねという要素が自然に統合されていた。阿部寛氏のものまねはもちろんのこと、設楽統氏のものまねの精度が予想以上に高く、多芸ぶりを発揮した点も評価されるべきだろう。

Mr.シャチホコ氏については、毎回挑戦的な題材を選ぶ姿勢に敬意を表したい。今回のウエストランド・井口のものまねは、声質の類似性こそ完璧ではなかったものの、テンポ感と内容の再現性において高い水準に達していた。このような実験的アプローチこそが、ものまね芸の進化を促すのである。

ショート部門

  • 中垣みな:474点

  • 内山輝飛:472点

  • こうじろん、古賀シュウ、ユキホ:475点

  • たむたむ、かっつー:2位

  • 松田幸起、ねんねん、ケビン:1位(優勝)

個人的な評価としては、たむたむ・かっつーコンビによる「河村隆一の癖が強すぎて歌えない槇原敬之」というネタが秀逸であった。このメタ的な構造は知的な笑いを誘い、たむたむ氏の技術力の高さが際立っていた。

優勝した松田幸起・ねんねん・ケビンのトリオは、勢いと完成度のバランスが絶妙であった。特にねんねん氏の遠藤憲一氏ものまねは驚異的で、ビジュアルの類似性に加え、声質の再現度は本人との聞き分けが不可能なレベルに達していた。しゃべりネタにおける声の再現という観点では、ものまね史上でもトップクラスの完成度と断言できる。

総合優勝決定戦

最終決定戦では、審査員5名全員がラパルフェに票を投じるという圧倒的な支持により、総合優勝が決定した。この結果は極めて妥当であり、異論を挟む余地はない。ものまねの技術的完成度のみならず、エンターテインメント性、構成力、そして何よりも「面白さ」という本質的要素において、ラパルフェは他を圧倒していた。

今回の「モノマネMONSTER」は、ものまね番組の多様な可能性を示した良質なコンテンツであったと総括できる。今後もこのような質の高い番組が定期的に制作されることを、一評論家として強く期待したい。

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ものまね評論家@フレトマ 明日が少し明るくなります。