第61回理学療法士国家試験 午後56−60の解説
(56) 後大脳動脈から分枝する血管に栄養されているのはどれか。(61回午後56)
1.視床
2.被殻
3.淡蒼球
4.尾状核
5.扁桃体
【答え】1
【解説】
視床は後大脳動脈支配というのが国試頻出です。

側頭葉下面・海馬も後大脳動脈支配です。眼動脈は内頚動脈から直接分枝。

1.視床:○後大脳動脈
2.被殻:×
→大脳基底核を栄養するのは、中大脳動脈からの穿通枝であるレンズ核線条体動脈です。ちなみに内包前脚はレンズ核線条体動脈、内包後脚は前脈絡叢動脈が栄養します。

3.淡蒼球:×
→中大脳動脈→レンズ核線条体動脈(外側線条体動脈)
4.尾状核:×
→中大脳動脈→レンズ核線条体動脈(内側線条体動脈)
5.扁桃体:×
→扁桃体も大脳基底核の一部です。中大脳動脈→前脈絡叢動脈
(57) 尿路で正しいのはどれか。(61回午後57)
1.男性の尿道は前立腺を貫く
2.内尿道口は膀胱尖部に開く
3.内尿道括約筋は横紋筋である
4.尿管口は膀胱底部に開口する
5.膀胱の粘膜は線毛上皮である
【答え】1と4(不適切問題)
【解説】
1.男性の尿道は前立腺を貫く:○
2.内尿道口は膀胱尖部に開く:×
→膀胱頚部に開きます。

3.内尿道括約筋は横紋筋である:×
→内尿道括約筋は不随意筋で平滑筋です。外尿道括約筋は随意筋で横紋筋です。
4.尿管口は膀胱底部に開口する:○
→膀胱底は、2つの尿管口と内尿道口によって形成される三角部と呼ばれる漏斗状の領域を含みます。

https://www.visiblebody.com/ja/learn/urinary/urine-storage-and-elimination
国試の過去問でも正解となっています。これを間違いとすると過去の国試問題と整合がとれません (^_^;)。なので指摘すれば必ず不適切問題となりはずです。
----------------------------------------------------
誤っている組合せはどれか。(PT 37回15)
1.膀胱尖 ー 正中臍索
2.膀胱底 ー 内尿道口
3.膀胱三角 ー 粘液腺
4.内尿道括約筋 ー 横紋筋
5.排尿筋 ー骨盤内蔵神経
PT 37回15の答え:4
膀胱について誤っている組合せはどれか。(PT 35回8)
1.容量 ー 300~500ml
2.膀胱底 ー 内尿道口
3.排尿筋 ー 骨盤神経
4.膀胱括約筋 ー 平滑筋
5.膀胱三角 ー 粘膜ヒダ
PT 35回8の答え:5
----------------------------------------------------
5.膀胱の粘膜は線毛上皮である:×
→移行上皮

https://x.com/rockybabyto/status/1214878811373752320
(58) 甲状腺で正しいのはどれか。(61回午後58)
1.重量は約100gである
2.カルシトニンを分泌する
3.副甲状腺は2個からなる
4.甲状軟骨の上方に位置する
5.上甲状腺動脈は内頚動脈から分岐する
【答え】2
【解説】
1は暗記不要です。そもそも重量の知識を確かめる(その選択肢が正解となる)ような問題は出題されないと考えてください。このような国試ではそれ以外で答えを出しましょう。
1.重量は約100gである:×
→重量は10〜20gです。
2.カルシトニンを分泌する:○
→甲状腺はカルシウムを下げるホルモン(カルシトニン)を分泌します。

3.副甲状腺は2個からなる:×
→副甲状腺は通常4個あります。ただし3〜5個の場合もあります。副甲状腺は甲状腺の裏側に位置します。
4.甲状軟骨の上方に位置する:×
→甲状軟骨の下方、気管の腹側に位置します。

https://column.kumai-clinic.or.jp/case-thyroid
5.上甲状腺動脈は内頚動脈から分岐する:×
→甲状腺を栄養する動脈は外頚動脈から分枝する上甲状腺動脈と鎖骨下動脈から分枝する下甲状腺動脈があります。下図は背側から見た図です。

https://thyroid-clinic.or.jp/thyroid/parathyroid/
(59) 平衡聴覚器で正しいのはどれか。(61回午後59)
1.蝸牛管には耳石が存在する
2.半器官にはコルチ器が存在する
3.半器官は蝸牛神経の支配を受ける
4.半器官は頭部の回転運動を感知する
5.蝸牛管は内リンパの流れが受容器の刺激となる
【答え】4
【解説】
1.蝸牛管には耳石が存在する:×
→耳石は前庭部の卵形嚢と球形嚢にあります。

2.半器官にはコルチ器が存在する:×
→半器官では根元の膨大部にあるクプラが受容体となります。コルチ器は蝸牛にある受容体です。

3.半器官は蝸牛神経の支配を受ける:×
→半器官は前庭神経支配です。

4.半器官は頭部の回転運動を感知する:○
5.蝸牛管は内リンパの流れが受容器の刺激となる:×
→蝸牛管内は内リンパが流れていますが、受容器の刺激となるのは前庭階〜鼓室階の外リンバの流れです。外リンパの流れが蝸牛管の基底膜を振動させ(内リンパの流れではありません)、コルチ器を刺激します。
51回午前59でも出題されています。

基底膜が振動し、聴毛の角度が変わる事により聴覚信号が出ます。以下のYouTube動画がわかりやすいです。

www.youtube.com/watch?v=hz1T7S2c3ko
:
(60) 末梢神経と体表からの触知部位との組合せで正しいのはどれか。(61回午後60)
1.脛骨神経 ― 外果とアキレス腱の間
2.尺骨神経 ― 肘頭と上腕骨内側上顆の間
3.正中神経 ― 上腕近位部で烏口腕筋の外側
4.腕神経叢 ― 胸鎖乳突筋の胸骨頭と鎖骨頭の間
5.総腓骨神経 ― 膝窩部で半腱様筋腱の内側
【答え】2
【解説】
筋や腱と違って神経を触れるかどうかわかりませんが、走行について確認します。
1.脛骨神経 ― 外果とアキレス腱の間:×
→脛骨神経は内果とアキレス腱の間を走行します。

2.尺骨神経 ― 肘頭と上腕骨内側上顆の間:○
→尺骨神経は肘部内側を走行し、尺側手根屈筋の間を圧迫すると痛みを生じます。肘頭と上腕骨内側上顆の間の少し遠位部を指で押さえると痛みを生じます(一度自分でやってみてください)。

3.正中神経 ― 上腕近位部で烏口腕筋の外側:×
→正中神経は、烏口腕筋の内側を下行します。また筋皮神経は、烏口腕筋を貫通し、上腕二頭筋と上腕筋の間を下行します。

4.腕神経叢 ― 胸鎖乳突筋の胸骨頭と鎖骨頭の間:×
→腕神経叢は頚部外側において、前斜角筋と中斜角筋の間を走行します。

5.総腓骨神経 ― 膝窩部で半腱様筋腱の内側:×
→膝窩部では内側に脛骨神経、外側に総腓骨神経が走行します。

また総腓骨神経は腓骨頭の前面で深腓骨神経と浅腓骨神経に分かれます。

Dr. Sixty_valleyの第61回理学療法士国家試験対策のポータルサイトページは以下です。
