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第61回理学療法士国家試験 午後21−25の解説

(21) 正常歩行時の床反力で正しいのはどれか。2つ選べ。(61回午後21)
1.垂直分力は2峰性の波形を示す
2.垂直分力の最小値は体重と等しくなる
3.左右分力は立脚中期には外向きに働く
4.前後分力は荷重反応期には前向きに働く
5.前後分力のピーク値は速度が遅くなると小さくなる


【答え】1と5
【解説】
1.垂直分力は2峰性の波形を示す:○
→歩行周期の垂直成分は下図のように2峰性の山を示します。2峰性の山はそれぞれ
 ①ICで衝撃吸収するとき
 ②Pswで下腿三頭筋を用いてPush Offするとき
に山を形成します。

2.垂直分力の最小値は体重と等しくなる:×
→2峰性の山はそれぞれ体重(100%)以上に床反力がかかります。

3.左右分力は立脚中期には外向きに働く:×
→左右分力は立脚初期(荷重応答期)に短時間外を向きますが、それ以降は内側を向きます。

4.前後分力は荷重反応期には前向きに働く:×
→前後分力は立脚初期の荷重応答期には後ろ向きに働きます。


5.前後分力のピーク値は速度が遅くなると小さくなる :○
→通常歩行では上図のように体重の約20%前後の値を示します。歩行速度が速くなるほど、接地時の減速ピーク(後ろ向きの力)と、離地前の加速ピーク(前向きの力)の両方が顕著に大きくなります。



(22) 松葉杖の一般的な設定で正しいのはどれか。(61回午後22)
1.肘関節を伸展位で握る
2.握りの高さは大転子とする
3.脇当てと腋窩を隙間なく設定する
4.杖は身長から50cm引いた長さとする
5.杖先は立位でつま先の前方5cmに置く

【答え】2
【解説】
松葉杖を用いる場合はT字杖と同じように、杖先を足より先15cm、外15cmのところにおいて調節します。肘の角度は軽度屈曲30°程度曲げて、腋窩当ては、腋より3〜4横指程度あけるようにします。腋窩部には神経や血管が密集しているので圧迫をさけるためです。松葉杖の腋窩当ては、それに腋の体重をかけるのではなく、上腕と腋で挟むようにします。また握り手の高さは大転子の高さに合わせます。

1.肘関節を伸展位で握る:×
→30°屈曲位とします。

2.握りの高さは大転子とする:○

3.脇当てと腋窩を隙間なく設定する:×
→脇より3〜4横指程度あけるようにします。腋窩部には神経や血管が密集しているので圧迫をさけるためです。

4.杖は身長から50cm引いた長さとする:×
→松葉杖の長さの目安は「身長 ー 40cm」です。また一般的な杖の長さの目安は杖の長さの基本目安は「(身長 ÷ 2)+ 2~3cm」です。

5.杖先は立位でつま先の前方5cmに置く:×
前方15cm、外側15cmに杖先を置いて調整します。



 (23) ロコモーティブシンドローム(ロコモ)で正しいのはどれか。(61回午後23)
1.社会的な脆弱性を含む
2.サルコペニアは一因となる
3.ロコモ度には5段階がある
4.診断には筋力測定が必須である
5.ロコモーショントレーニング(ロコトレ)として閉眼でスクワットを行う


【答え】2
【解説】
昨年に引き続いてロコモーティブシンドロームの出題です。
ロコモーティブシンドロームとは、Locomotion (運動、機関車)から来ている言葉で、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器の障害のために、移動機能が低下した状態の事を指します。進行すれば介護が必要になるリスクが高まります。ロコモーティブシンドロームの判定ですが、「立ち上がりテスト」「2ステップテスト」「ロコモ25(問診票)」の3つのテストから移動機能の状態を確認します。

1.社会的な脆弱性を含む:×
ロコモーティブシンドロームは運動器の障害により移動機能が低下した状態をいいます。社会的脆弱性は含みません。

2.サルコペニアは一因となる:○
→フレイル・サルコペニアはロコモーティブシンドロームの一因となります。


3.ロコモ度には5段階がある:×
→ロコモ度は1〜3段階があります。

大阪健康安全基盤研究所:「ロコモ」を知っていますか?より引用
https://www.iph.osaka.jp/s016/000/topix/ncds12.html


4.診断には筋力測定が必須である:×
→フレイルやサルコペニアの診断には握力の測定が必要ですが、ロコモーティブシンドロームの診断には必須ではありません。

5.ロコモーショントレーニング(ロコトレ)として閉眼でスクワットを行う:×
→ロコトレには①片脚立ちと②スクワットの2つがあります。ただし閉眼する必要はありません。

日本整形外科学会ロコモOnline: ロコトレより引用
https://locomo-joa.jp/check/locotre



 (24) 深部感覚検査で使用する器具はどれか。(61回午後24)
1.音叉
2.試験管
3.ノギス
4.つまようじ
5.モノフィラメント


【答え】1
【解説】
1.音叉:○
→振動覚の検査には音叉を用います。

2.試験管:×
→温覚・冷覚の検査では試験管に温水と冷水を入れて検査します。


3.ノギス:×
→2点識別覚の検査にはノギスやディスクリミネータを用います。


4.つまようじ:×
→つまようじは簡便な痛覚検査に用います。安全ピンや痛覚計を用いる場合もあります。


5.モノフィラメント:×
→触覚検査にはモノフィラメント触覚計を用います。


(25) Guillan-Barre症候群で適切なのはどれか。(61回午後25)
1.深部腱反射は亢進する
2.小児期に多い疾患である
3.神経伝達速度は保たれる
4.感覚障害は四肢中枢部に強くみられる
5.呼吸器の感染症を契機に発症することが多い


【答え】5
【解説】
Guillan-Barre症候群はウイルス感染は主に鶏肉などのカンピロバクター食中毒(感染)の1〜3週間後に発症する、急性の末梢神経障害(ニューロパチー)です。多くは6ヶ月以内に自然治癒しますが、重症では人工呼吸器管理が必要な場合もあります。運動神経の他、感覚神経・自律神経も障害されます。髄鞘が障害される髄鞘型と軸索が障害される軸索型があります。

1.深部腱反射は亢進する:×
→末梢神経障害で深部腱反射は減弱または消失します。

2.小児期に多い疾患である::×
→Guillan-Barre症候群は20代〜40代の若年成人から高齢者まで幅広く見られ、男性に多い傾向があります。

3.神経伝達速度は保たれる:×
→末梢神経障害のため、神経伝達速度は低下します。

4.感覚障害は四肢中枢部に強くみられる:×
→感覚障害は、手足の先から始まる「しびれ」や「ピリピリ・ジンジンする異常感覚」が約80%でみられます。症状は下肢の遠位から始まり上肢へと移行します。一般にニューロパチーは遠位から症状が始まります。また障害は遠位→近位(左右対称)、治るのは近位から遠位に直ります。

5.呼吸器の感染症を契機に発症することが多い:○
→約7割の患者で感染症が先行します。1から3週間前に風邪をひいたり下痢をしたりといった感染症の症状があります。
 


Dr. Sixty_valleyの第61回理学療法士国家試験対策のポータルサイトページは以下です。


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