第61回理学療法士国家試験直前予想問題 Wallenberg症候群
受験生のみなさんは、毎日国試勉強がんばっていると思います。
今回は第61回の直前予想問題を提示したいと思います。直前に提示するのは、もうすでに国家試験問題が確定し、たとえ国家試験委員がこの投稿を見たとしても試験を作り直す事ができない時期だからです。
今回は Wallenberg症候群を提示します。
Wallenberg症候群は国試頻出疾患です。過去の出題は以下の通りです。
・56回午前40
・54回午後43
・52回午前27
・51回午後88
・50回午後25
・49回午後5・午後6
・46回午前27
・46回午後87
・45回午前91
いかがでしょうか?52回から56回まで2年に1回出題、49〜51回までは毎年1回出題(49回は2題)、46回は2問出題され、47回・48回は出題されませんでしたが、49回が2問出題されています。過去にはこれぐらい高頻度に出題されていますが、57回から60回まで4年連続出題がありません。
60回の予想として、3年連続出題なかった事から、60回で出題される可能性が高いですよと言ってきましたが、結局60回では出題されませんでした。
したがって、4年連続で出題されなかったため、61回がさらに高い確率で出題されると思います!そして、今回は臨床問題(3点問題)で2問出題されるのではないかと大胆予想します。
その前にまず、過去のWallenberg問題は必ず繰り返しやって完璧にしておいてください。
Wallenberg症候群のまとめですが、有料ページからダウンロードとしていますが、試験直前という事で無料で公開します。また今回、内容をさらに充実していますので、これまでダウンロードしていた方も改めてダウンロードして勉強しなおしてください。特になぜ三叉神経障害が起こるのかについて理解を深めてください。
その上で、以下の予想問題を提示します。
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予想問題(1)
52歳の男性。起床時からのふらつきと左顔面・右半身のしびれとを主訴に来院した。水を飲むとむせてしまい,しゃっくりが続いている。眼部の写真を別に示す。病巣部位はどれか。(医師国家試験104回E47)

1.視床 2.中脳 3.橋 4.延髄 5.小脳****************************************************************
【答え】4
【解説】キーワードは「めまい・ふらつき」と「顔面しびれと対側半身のしびれ」です。国試で「めまい・ふらつき」ときたらWallenbergを思い浮かべてください。「めまい」は前庭神経(第8脳神経)障害、「ふらつき」は前庭神経(第8脳神経)障害と小脳失調も考えられます。そして、それにつづいて「(同側の)顔面しびれと対側半身のしびれ」が出て来たら確定です(Wallenbergを予想しながら症状がそれに合っているか確認する程度です)。この症例は左のWallenberg症候群ですね。また、ここでいうしびれは感覚障害の事で運動麻痺ではありません。単に「しびれ」と書いて、受験生を惑わせようとしていますが、みなさんは気にならないでしょう。
写真の異常は左側です(左のWallenberg症候群です)。まず瞳孔が縮瞳しています。交感神経が亢進すると瞳孔が開き(散瞳)、交感神経障害では縮瞳します。眼瞼については、上眼瞼と下眼瞼の筋力低下となっており、こういう状態を単に眼瞼下垂だけではなく、眼裂狭小といいます。動眼神経は上眼瞼を挙上しますが、交感神経はミューラー筋を支配し、上眼瞼を挙上、下眼瞼を押し下げる作用があります。国試委員は症例の写真を持っていない可能性が大なので、写真ではなく、イラストになるかもしれません。国試で2問連続で3点問題で出題された場合、1問目は絶対に外してはいけません。外すと自動的に2問目も外す事になるので、すごく痛いです。
次の問題はWallenbergと分かった上で、他の症状を聞く問題です。
予想問題(2)
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予想問題(1)の患者にみられる症状としてみられないものはどれか?2つ選べ
1.左の運動失調
2.左顔面の温痛覚障害
3.複視
4.左の運動麻痺
5.右カーテン徴候
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【答え】3、4
症例は左のWallenberg症候群でした。
1,病側(左)の下小脳脚の障害により小脳失調をきたします。
2.病側(左)顔面の温痛覚障害をきたします。触覚などの深部感覚障はありません。
3.複視は動眼神経・外転神経・滑車神経の障害で見られます。Wallenbergの眼症状としては軽度の眼瞼下垂・眼裂狭小・縮瞳が見られます。
4.錐体路は延髄の腹側を走行するので障害を受けません。
5.舌咽神経・迷走神経の障害で健側(右)の後咽頭にしわができ、カーテンの様に見えます。
続いて、閉塞する血管を問う問題です。やさしい設定では、血管名を文字で表して問う問題が考えられますが、ここではもう少し難しくして、血管のイラストから選ぶ問題としてみました。
予想問題(3)
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66歳の男性。今朝からのめまいと左上下肢のしびれとを主訴に来院した。右顔面の温痛覚の低下,顔面を除く左半身の温痛覚の低下および右半身の小脳失調を認める。四肢の運動麻痺は認めない。眼部の写真を示す。障害があるのはどれか。(医師国家試験101回A43を改変)


1.① 2.② 3.③ 4.④ 5.⑤
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【答え】5
【解説】右のWallenberg症候群です。
1.右中大脳動脈
2.右後大脳動脈
3.右上小脳動脈
4.右前下小脳動脈
5.右後下小脳動脈
予想問題(4)
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67歳の男性。突然の嚥下困難のため救急車で搬入された。
現病歴:本日,昼食中に突然,後頭部痛,めまい及び悪心を感じて嘔吐した。しばらく横になり様子をみていたが,帰宅した妻から声を掛けられ返答したところ,声がかすれて話しにくいことに気が付いた。水を飲もうとしたがむせて飲めなかった。心配した妻が救急車を要請した。
現 症:意識は清明。身長165cm,体重60kg。体温36.6℃。心拍数72/分,整。血圧160/90mmHg。呼吸数12/分。SpO2 97%(マスク4L/分 酸素投与下)。神経診察では,眼球運動に制限はなく複視はないが,構音障害と嚥下障害を認める。左上下肢の温痛覚が低下している。腱反射に異常を認めず,Babinski徴候は陰性である。頭部MRI拡散強調像を別に示す。
この患者でみられる可能性が高いのはどれか。(医師国試113回F80を一部改変)

1.左小脳性運動失調
2.左顔面温痛覚低下
3.右Horner症候群
4.右上下肢運動麻痺
5.右上下肢振動覚低下
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【答え】3
【解説】
症状のポイントは
・突然発症(脳梗塞や脳出血など)
・めまい
・眼球運動に障害なく、複視もない
・構音障害と嚥下障害
・左上下肢の温痛覚低下(顔面の温痛覚については言及なし)
もうわかりますね。右のWallenbergです。MRIの所見がなくてもわかりますが、一応下のMRIを確認しましょう。CTやMRIは何も言及なければ、身体を下(足側)から見た図となります。したがって、向かって左が身体の右、向かって右が身体の左を表します。

MRIでは脳幹の右側の背側に拡散強調画像で高信号域を認めます。急性期脳梗塞です。右延髄背側と考えると、右Wallenrbergとなります。
1.左小脳性運動失調:×右小脳性運動失調
2.左顔面温痛覚低下:×右顔面温痛覚低下
3.右Horner症候群:○
4.右上下肢運動麻痺:×Wallenbergでは運動麻痺なし
5.右上下肢振動覚低下:×Wallenbergでは振動覚低下なし
