第61回理学療法士国家試験 午後76−80の解説
(76) 経口感染するのはどれか。(61回午後76)
1.結核菌
2.破傷風菌
3.ノロウィルス
4.コロナウイルス
5.B型肝炎ウイルス
【答え】3
【解説】
コロナウイルスがでてきましたが、経口感染でないことはわかりますよね?
1.結核菌:×
→結核菌は、人が「咳」をすることで空気中に撒き散らされ、空中でふわふわ浮いている飛沫核を形成します(飛沫核感染)。この飛沫核は長時間空気中を漂い、空気の流れにともなって広く移動するので、部屋や乗り物などの閉鎖空間では遠くにいる人でも感染が起こります(空気感染)。
2.破傷風菌:×
→破傷風は、土壌中などに生息しています。土の上でケガをした場合、破傷風菌の芽胞が、傷口から体の中に入ることによって感染(経皮感染)します。
3.ノロウィルス:○
→原因としては、ノロウイルスに汚染された食品、特にカキを含む二枚貝を食べる事により感染します(経口感染)。また感染した人の便や吐物に接触したりすることにより二次感染を起こします。感染した人が用便後の手洗いが不十分なまま料理をすると、食品がウイルスに汚染され、その食品を食べることにより、感染が引き起こされます(経口感染)。

https://www.shinyuri-hospital.com/column/column_201810.html
4.コロナウイルス:×
→コロナウイルスの感染は飛沫感染、接触感染、およびエアロゾル感染(空気感染の要素)の3つが考えられています。
5.B型肝炎ウイルス:×
→B型肝炎ウイルスは輸血や針刺し事故など血液から感染します。
(77) がんの骨転移による症候でないのはどれか。(61回午後77)
1.振戦
2.疼痛
3.脊髄圧迫
4.病的骨折
5.高カルシウム血症
【答え】1
【解説】
骨転移は乳癌などによる溶骨性転移と前立腺癌などによる造骨性転移がある事は知っておいてください。溶骨性転移では骨がもろくなります。
1.振戦:×
→安静時振戦はパーキンソン病、企図振戦は小脳失調でみられます。骨転移では基本的にみられません。
2.疼痛:○
→溶骨性では疼痛を生じます
3.脊髄圧迫:○
→溶骨性で脊椎が後方に圧潰した場合、脊髄を圧迫します。
4.病的骨折:○
→溶骨性では病的骨折をきたします。
5.高カルシウム血症:○
→溶骨性では骨からカルシウムが溶け出し、高カルシウム血症となります。
(78) 末梢血管抵抗が上昇するショックはどれか。(61回午後78)
1.失血性
2.神経原性
3.敗血症性
4.副腎機能低下性
5.アナフィラキシー
【答え】1
【解説】
末梢血管抵抗が上昇するショックには心原性ショック、循環血液量減少性ショック、心外閉塞・拘束性ショックがあります。一方、末梢血管抵抗が低下するショックには血液分布異常性ショックがあります。
1.失血性:○
→出血によるショック(出血性ショック)は循環血液減少性ショックに分類されます。出血により一回心拍出量が減少しますが、それを代償しようとして、頻脈となったり、血圧を上げようとして末梢血管が収縮します。末梢血管が収縮する事によって末梢血管抵抗は上昇します。
2.神経原性:×
→神経原性ショックは頸髄損傷などによって頚部交感神経節が障害を受ける事により起こります。交感神経活性が落ちる事により末梢血管が拡張する結果、末梢血管抵抗が低下し、血圧が下がります。通常血圧が下がると代償性に頻脈となりますが、神経原性ショックでは交感神経の障害により徐脈になります。
3.敗血症性:×
→敗血症性ショックはグラム陰性菌の感染が重症化した場合におこります。グラム陰性菌の産生する内毒素(エンドトキシン)が血管を拡張させる作用があるため、末梢血管抵抗が低下し、血圧が低下します。
4.副腎機能低下性:×
→副腎髄質は血管を収縮させるアドレナリンやノルアドレナリンを産生します。副腎機能が低下するとアドレナリンやノルアドレナリンの産生が低下する結果、末梢血管抵抗が低下し、血圧が低下します。
5.アナフィラキシー:×
→アナフィラキシーショックではアレルゲンが結合した肥満細胞から血管拡張作用のあるヒスタミンなどの化学物質が大量に放出される事により、末梢血管抵抗が低下し、血圧が低下します。
(79) 性欲をスポーツに打ち込むことで解消しようとする防衛機制はどれか。(61回午後79)
1.置き換え
2.合理化
3.昇華
4.退行
5.反動形成
【答え】3
【解説】
1.置き換え:×
→置き換えとは自分の感情を元来の対象に向けずに、違う対象に置き換えて発散することです。元来の対象に対して感情を表現することには不安が生じるため、より安全だと思われる別の対象に対して感情を表出するわけです。
(例)上司におこられた鬱憤を上司にむけられないため、帰宅後妻に文句を言う。
2.合理化:×
→合理化はもっともらしい理屈や理由をつけて正当化することです。
(例)メロンが高くて買えずに食べられなかった」事を「あのメロンはまだ熟していないから買わずに正解だと考える。
3.昇華:○
→昇華とは社会的に受け入れられない怒りや性的欲求などの本能的衝動を、学問や芸術、スポーツなどの社会的行動に転換することです。
(例)「嫌いな人(親)への反抗心から、勉強や仕事を頑張る。」
4.退行:×
→退行とは、受け入れ難い状況や衝動、危機的状況などに晒された時に、過去の発達段階に戻り欲求を満たそうとしたり、現実に起こっていることと直面することを回避しようとしたりする無意識の反応です。
(例)弟や妹が生まれたときに、子供が指しゃぶりを再び始める (49回午後78)。
5.反動形成:×
→反動形成とは欲求を満たせないときに、正反対の欲求を発展させ心的平衡を保とうとする防衛機制(第53回午前79)。
(例)好きな異性に意地悪をするという(第44回午後57)。
(80) うつ病患者が「先生は否定するが、私は不治の病にかかっていて助からない」と訴えた。この患者の症状で最も考えられるのはどれか。(61回午後80)
1.血統妄想
2.誇大妄想
3.心気妄想
4.迫害妄想
5.被毒妄想
【答え】3
【解説】
うつ病の3大妄想は罪業妄想・貧困妄想・心気妄想です。

1.血統妄想:×
→自分が貴族、皇族、または高貴な出自であると固く信じ込む誇大妄想の一種で、主に統合失調症の陽性症状として見られます。
2.誇大妄想:×
→躁病でみられる「自分にできないものはない」などといった妄想。
3.心気妄想:○「自分は大きな病気だ」と信じる妄想。うつ病3大妄想の一つ。
4.迫害妄想:×
→自分が他人から迫害や危害を受けていると信じる妄想。統合失調症や認知症などで見られます。
5.被毒妄想:×
→「食事に毒も盛られている」という妄想。統合失調症で見られる。
Dr. Sixty_valleyの第61回理学療法士国家試験対策のポータルサイトページは以下です。
