第60回理学療法士国家試験 午前81−85の解説
(81) 投影法の人格検査はどれか。(60回午前81)
1.MMPI
2.TAT
3.TEG
4.Y-G性格検査
5.内田クレベリン精神検査
【答え】2
【解説】
心理検査には絵などを見て感じた事を何かに表す投影法と、紙に書かれた質問に答える質問紙法があります。
投影法の代表的なものとしては、影絵を見せて何を連想するか聞く、ロールシャッハ法などがあります。

1.MMPI:×
→ミネソタ多面人格インデックスの略で人格に関する質問550項目を「はい」「いいえ」「どちらでもない」で答えさせる方法です。質問紙法になります。
2.TAT:○
→絵を見てストーリーを考えさせる事で人格検査を行う(投影法)で主題統覚検査(Thematic Apperception Test)と呼びます。国試的にはTATが涙目の絵文字に見えて、(T(目に涙)A(鼻)T(目に涙)の絵文字をイメージして絵文字で涙のストーリーから覚えました。

3.TEG:×
→東大式エゴグラムの略で、質問紙法による人格検査です。
4.Y-G性格検査:×
→矢田部ギルフォードテストで、質問紙法による人格検査です。
5.内田クレベリン精神検査:×
→隣り合う数字を足して、下1桁の数字をその下に記入していく作業を繰り返して、集中力・注意力を検査する方法です。

(82) 取り組みが始まった時期の年代順で正しいのはどれか。
①国際障害者年、②ノーマライゼーション、③自立生活運動 (IL運動)
(60回午前82)
1.①→②→③
2.①→③→②
3.②→①→③
4.②→③→①
5.③→①→②
【答え】4
【解説】問題としては何これ?という感じで難しいと思いますが、①、②、③のうち、①の国際障害者年がまず最初に制定されるはずがないと考えます。そして②のノーマライゼーションや③のIL運動がなど、色々な動きがあって、最終的に③の国際障害者年が制定されたと考え、①が一番最後かなと思って選択肢を見ると、①が最後の選択肢は4だけでした。この推理で、②と③の年代を調べると以下のように②→③の順でした。そして正解は②→③→①です。まったく年代を覚えていなくても、推理だけで正解にたどり着けた問題です。
①国際障害者年は国連が指定したもので1981年を指します。
②ノーマライゼーション (normalization:正常化する)とは、「障害を持つ人と健常者とともに暮らせる社会づくりをする事」です。
1959年にデンマークで「知的障害者福祉法」が制定され、世界で初めてノーマライゼーションの理念が法律に導入されることとなりました。
③自立生活運動 (Independent living)は1968(昭和43)年に鉄の肺を使用していた重度身体障害を持つエド・ロバーツ氏がカリフォルニア大学バークレー校に入学するにあたり、学生寮にバリアがあって入居できなかったために、大学の保険センターを寮として使用しました。そして同氏が大学を卒業する時に、市内に生活しやすい場所がなかったことに伴い、アメリカカリフォルニア州の重度の障害がある学生たちが中心になって、自立生活(Independent Living:IL)運動を活発に展開したと言われています。そうして、1972年カリフォルニア州バークレーに障害者が運営し、障害者にサービスを提供する”自立生活センター”が設立されました。
(83) 長期間の安静臥床で増加するのはどれか。(60回午前83)
1.骨密度
2.筋持久性
3.腸管蠕動運動
4.関節の結合組織
5.最大酸素摂取量
【答え】4
【解説】
長期間の安静臥床により廃用症候群になります。

1.骨密度:×
→不動により骨密度は減少します。
2.筋持久性:×
→不動により筋活動も低下するため、筋持続性も減少します。
3.腸管蠕動運動:×
→消化管の機能も低下するため、蠕動運動も低下します。
4.関節の結合組織:○
→不動により関節の結合組織が増加し、関節は拘縮していきます。
5.最大酸素摂取量:×
→呼吸機能の低下のため、最大酸素摂取量も減少します。
(84) 関節リウマチのSteinbrockerのステージIVの特徴はどれか。(60回午前84)
1.腱鞘炎
2.関節強直
3.骨粗鬆症
4.軟骨下骨の破壊
5.関節周囲の筋萎縮
【答え】2
【解説】
Steinbrockerのステージ分類はレントゲンの所見による分類です。ステージIVでは関節強直が見られます。

(85) 加齢で低下するのはどれか。(60回午前85)
1.骨塩量
2.肺残気量
3.自己抗体形成
4.末梢血管抵抗
5.炎症性サイトカイン
【答え】1
【解説】
1.骨塩量:○
→とくに女性では加齢で骨粗鬆症になっていきます。
2.肺残気量:×
→加齢により、呼吸筋の筋力が低下するため、予備呼気量が減少し、肺残気量は増加します。
3.自己抗体形成:×
→免疫機能が低下し、自分に対する抗体を作ってしまうようになります。
4.末梢血管抵抗:×
→動脈硬化により血管抵抗は増加し、高血圧になっていきます。
5.炎症性サイトカイン:×
→加齢に免疫機能が低下する事により色々な炎症にさらされやすくな
り、炎症性メディエータである炎症性サイトカインは増加します。
Dr. Sixty_valleyの第61回理学療法士国家試験対策のポータルサイトページは以下です。
