第61回理学療法士国家試験 午後31−35の解説
(31) 歩行率(ケイデンス)の単位はどれか。(61回午後31)
1.パーセント
2.秒/歩
3.歩/分
4.メートル/分
5.メートル/歩
【答え】3
【解説】
・歩行率とは1分あたりの歩数=歩調をいい、ピッチ、ケイデンスともいいます。国試ではケイデンスで出題される場合も多いです。
(覚え方)ケイデンス=けいでんす=けいでんすう=回転数
(32) ICFで環境因子はどれか。(61回午後32)
1.屋外の歩行困難
2.慢性心不全の診断
3.友人とお茶会の開催
4.運動に対する本人の高い意欲
5.訪問リハビリテーションの利用
【答え】5
【解説】
ICFの構成因子は下図のようになっています。

1.屋外の歩行困難:×
→ICFではADLに当たるものは活動に分類されます。
2.慢性心不全の診断:×
→心身機能に当たります。
3.友人とお茶会の開催:×
→参加に当たります。
4.運動に対する本人の高い意欲:×
→個人因子に当たります。
5.訪問リハビリテーションの利用:○
→これは社会への参加ではなく、環境因子に当たります。
(33) SIASで正しいのはどれか。(61回午後33)
1.上肢触覚は手背で評価する
2.上肢関節可動域は肩関節屈曲で評価する
3.手指テストで集団伸展が可能なら1Cである
4.股屈曲テストでは座位保持を介助しても構わない
5.膝・口テストは麻痺肢手部を同側大腿上より挙上する
【答え】4
【解説】
SIASの評価項目は以下の通りです。SIASは国試頻出ですが、細かいところまで問われたのは初めてです。細かいところまで覚えなくてはならないのは大変です…。

SIASの評価法については以下を参照してください。
https://ndtot.up.seesaa.net/image/SIAS2CBRstage.pdf


1.上肢触覚は手背で評価する:×
→上肢では手掌,下肢では足背の触覚を評価します。また位置覚は上肢では上肢は示指あるいは母指で、下肢は母趾で位置覚を評価します。
2.上肢関節可動域は肩関節屈曲で評価する:×
→上肢関節可動域は肩外転で評価します。また下肢関節可動域は膝伸展位での足背屈で評価します。
3.手指テストで集団伸展が可能なら1Cである:×
→「集団伸展が可能」は1Bです。
SIASの手指テストは母指~小指の順に屈曲、小指~母指の順に伸展。(3回程度繰り返し行う)
・0: まったく動かない
・1: 1A=わずかな動きがある、または集団屈曲可能
1B=集団伸展が可能
1C=ごくわずかな分離運動が可能
・2: 全指の分離運動可能なるも屈曲伸展が不十分
・3: 課題可能(中等度あるいは著明なぎこちなさあり)
・4: 課題可能(軽度のぎこちなさあり)
・5: 非麻痺側と変わらず(正常)

4.股屈曲テストでは座位保持を介助しても構わない:○
→股屈曲テストは座位にて股関節を90°より最大屈曲。必要なら座位保持を介助。(3回程度繰り返し行う)

5.膝・口テストは麻痺肢手部を同側大腿上より挙上する:×
→膝・口テストは座位で麻痺側手部を対側膝上から挙上し,口まで運ぶ。肩は90°まで外転。そして膝上に戻す。拘縮の存在する場合は可動域内の運動で判断。(3回程度繰り返す)

(34) 図の装具で治療する疾患はどれか。(61回午後34)

1.脳性麻痺
2.Down症候群
3.先天性内反足
4.筋ジストロフィー
5.発育性股関節形成不全
【答え】5
【解説】
装具は発育性股関節形成不全に用いられるリューメンビューゲル装具です。

以下のように54回午後34に出題されています。


(35) がん性疼痛で最も適切なのはどれか。(61回午後35)
1.突出痛は予測することができない
2.疼痛のマネジメントには精神的ケアを含む
3.多くの場合、単一の原因を指摘することができる
4.がんと診断された時点でがん性疼痛を伴うことはない
5.オピオイド鎮痛薬は軽度の痛みに対しても積極的に使用する
【答え】2
【解説】
1.突出痛は予測することができない:×
→突出痛はがんの持続的な痛みが薬でコントロールされているにもかかわらず、急激に悪化し、15~60分程度で自然消失する一過性の強い痛みです。がん患者の約70%にみられ、予期できる痛み(動作時など)と、予期できない突発的な痛みがあります。突発痛という名前だと予期できない感じがありますが、ひっかけでしょうか?
2.疼痛のマネジメントには精神的ケアを含む:○
3.多くの場合、単一の原因を指摘することができる:×
→多くの場合、原因は複合的です。
4.がんと診断された時点でがん性疼痛を伴うことはない:×
→国試で「○○はない」と言い切るのは例外なく×です。逆に「○○することがある」は例外なく○です。100万人に一人あっても、「ある」は「ある」です。問題では「がんと診断された時点でがん性疼痛を伴うこと」はあります。
5.オピオイド鎮痛薬は軽度の痛みに対しても積極的に使用する:×
→オピオイドは麻薬の事です。麻薬の使用は消炎鎮痛剤などでコントロールできない痛みに使用します。
Dr. Sixty_valleyの第61回理学療法士国家試験対策のポータルサイトページは以下です。
