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第61回理学療法士国家試験 午後71−75の解説

(71) 立位姿勢で正しいのはどれか。(61回午後71)
1.幼児期の重心は仙骨のやや前方に位置する
2.安静立位時では重心線は上前腸骨棘を通る
3.支持基底面は足底とその間を含む面である
4.Romberg肢位は開脚立位より安定性が高い
5.安静立位時では身体重心は前後に動揺しない



【答え】3
【解説】
1.幼児期の重心は仙骨のやや前方に位置する:×
→重心線でなく重心の話です。成人の重心は仙骨あたりにあります。幼児では身長の57%の位置で、お腹・おへそ周辺にあります。

北海道科学大学語保険医療学部義肢装具学科:
義肢装具学のための知識重心と力学的安定についてより引用
https://www1.hus.ac.jp/~gisisougu/rikigakukiso002-jyusin.html



2.安静立位時では重心線は上前腸骨棘を通る:×
→股関節周囲では重心は大転子部(上前腸骨棘より後ろ)を通ります。


3.支持基底面は足底とその間を含む面である:○

あじさい鍼灸マッサージ治療院:〜支持基底面と重心〜より引用
https://www.kouno-teate.info/2022/03/12/支持基底面と重心/



4.Romberg肢位は開脚立位より安定性が高い:×
→Romberg肢位は閉脚立位のことをいいます。小脳性失調と脊髄性失調を鑑別する時にも用いられます。開脚立位より支持基底面が狭いので安定性は低いです。

5.安静立位時では身体重心は前後に動揺しない:×
→身体重心は前後左右に常に動揺しています。



 
(72) 足部外がえしに作用するのはどれか。(61回午後72)
1.後脛骨筋
2.長指屈筋
3.長腓骨筋
4.長母指屈筋
5.ヒラメ筋


【答え】3
【解説】
外がえしと内がえしの名称が2022年4月に改訂されました。ここでは以下の定義で解説します。

1.後脛骨筋:×
→後脛骨筋の作用は足関節の底屈内がえしです。

2.長指屈筋:×
→長趾屈筋の作用は足関節の底屈内がえしです。

3.長腓骨筋:○
→長腓骨筋の作用は足関節の底屈外がえしです。


4.長母指屈筋:×
→長母指屈筋の作用は足関節の底屈内がえしです。

5.ヒラメ筋:×
→ヒラメ筋は下腿三頭筋の一つで、アキレス腱に停止し、足関節の底屈のみで、内がえし・外がえしの作用はありません。

(73) 遠心性収縮が生じるのはどれか。2つ選べ。(61回午後73)
1.頭上の手を下ろすといの三角筋前部線維
2.懸垂で体を上げるときの上腕二頭筋
3.腕立て伏せで肘を伸ばすときの上腕三頭筋
4.立位から椅子に座るときの大腿四頭筋
5.つま先立ちするときのヒラメ筋


【答え】1と4
【解説】
遠心性収縮の問題は頭で考えず、運動の方向(屈曲か伸展かなど)と、筋の作用を考えるとスムーズに解けると思います。遠心性収縮の場合、運動方向と作用が逆の場合です。

1.頭上の手を下ろすといの三角筋前部線維:○
→「頭上の手を下ろす」は肩関節伸展です。三角筋前部線維は肩関節外転・屈曲・水平内転なので遠心性収縮となります。

2.懸垂で体を上げるときの上腕二頭筋:×
→「懸垂で体を上げる」は肩関節伸展・肘関節屈曲です。上腕二頭筋の作用は肩屈曲、肘関節屈曲です。この動きは肘関節の作用がメインと考えて求心性収縮としました。

3.腕立て伏せで肘を伸ばすときの上腕三頭筋:×
→「腕立て伏せで肘を伸ばす」は肘伸展です。上腕三頭筋の作用は肘伸展なので求心性収縮となります。

4.立位から椅子に座るときの大腿四頭筋:○
→「立位から椅子に座る」のは股関節屈曲・膝屈曲です。大腿四頭筋の作用は股関節屈曲・膝関節伸展です。この動きは膝関節の作用がメインと考えて膝関節が遠心性収縮としました。大腿四頭筋は座るときのスピードを調節しています。

5.つま先立ちするときのヒラメ筋:×
→「つま先立ち」は足関節底屈です。ヒラメ筋の作用は足関節底屈なので、求心性収縮となります。


 
(74) 健常者の歩行で正しいのはどれか。(61回午後74)
1.高齢者では歩行比は大きくなる
2.歩行周期で膝関節は1回屈曲する
3.爪先離地で股関節伸展は最大になる
4.荷重応答期に体重心は足部の真上にある
5.遊脚後期に遊脚側下肢の動きが減速する


【答え】5
【解説】
1.高齢者では歩行比は大きくなる:×
→歩行比は、歩幅(m)を歩行率(steps/min:ケイデンス)で割った値です。成人では速度に関わらず一定に保たれる特徴がありますが、高齢者では、歩幅が小さいわりに歩行率が高く、歩行比が低下しており、そのような状態では転倒リスクが高まると言われています。

2.歩行周期で膝関節は1回屈曲する:×
→歩行周期において、膝関節はIC〜LRで衝撃吸収のために小さく屈曲し、Psw〜Iswで下肢Swing中に大きく屈曲します。これをダブルニーアクションといいます。


3.爪先離地で股関節伸展は最大になる:×
→股関節最大伸展は【踵離地から爪先離地の間】です。爪先離地では、膝が少し曲がって、股関節伸展が少なくなってます。

4.荷重応答期に体重心は足部の真上にある:×
→体重心が足部の真上になるのは、Mstの中間です。IC〜LRではまだ体重心は足部より後ろにあり、Mstにかけて足部の真上に移動していきます。

5.遊脚後期に遊脚側下肢の動きが減速する:○
→遊脚早期 (PSw)から遊脚中期 (Msw)まで遊脚側下肢は加速しますが、遊脚後期 (Tsw)ではICに備えて遊脚側下肢は減速していきます。これにはハムストリングスが作用します。


(75) ショックの兆候はどれか。(61回午後75)
1.血圧上昇
2.呼吸促迫
3.徐脈
4.多尿
5.皮膚紅潮


【答え】2と3(不適切問題)
【解説】
最近、ショックについて色々と出題されるようになりました。そろそろ、各種ショックの徴候の違いも暗記しなければならないかもしれません。

ショックとは臓器への酸素の供給量が低下し、生命を脅かす状態で、臓器不全やときには死亡につながります。 通常、血圧は低下しています(簡単にいうと極端に血圧が低下した状態)。原因は色々あるが、大きくわけて以下の4つがあります。
・心原性ショック
・循環血液減少性ショック
・血液分布異常性ショック
・心外閉塞・拘束性ショック
これらについても今後は詳しく勉強する必要がありますね…。

ショックでよく見られる徴候が以下のショックの5徴(5P)です。

MEDICEPT & IKI-IKI SUN RECRUITMENT: 
利用者が嘔吐したときのアセスメントと気を付けることとは?【訪問看護】より引用
https://sun.medicept.co.jp/about-job/post-4125/

1.血圧上昇:×
→ショックでは血圧が低下します。

2.呼吸促迫:○

3.徐脈:△
→ショックでは血圧低下を代償するために、交感神経系が活性化し、頻脈となります。ただし、神経原性ショックでは徐脈となります。

4.多尿:×
→ショックはただ血圧が下がっただけではありません。その結果、臓器の還流が低下し、臓器不全を引き起こした状態をショックと呼びます。腎臓が心拍出量の25%が還流し、血圧低下の影響をもろに受けます。ショックでは腎臓の灌流が低下し、乏尿から無尿となります。また、最終的には脳の血流も低下し、意識障害となります。

5.皮膚紅潮:△
→ショックでは血圧低下を代償するために、末梢血管が収縮するため、皮膚は蒼白となります。ただし、アナフィラキシーショックや敗血症性ショックでは末梢血管が拡張するため、皮膚が紅潮するときがあります。



Dr. Sixty_valleyの第61回理学療法士国家試験対策のポータルサイトページは以下です。


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