見出し画像

自身の偏見に惑わされる【創作大賞感想】

 Talesにて、「創作大賞2025」に応募しています。

 Talesで投稿を始めてから、幾つか作品を拝読し、勉強させて頂きました。推薦レビューも幾つか書かせて頂きましたが、よく考えてみると、Tales上の推薦レビューは、著者の方の作品に辿り着けないと、読んで頂けないと気付きました。
 そのため、推薦レビューとほぼ同じ簡潔な内容になりますが、note上でも、感想を書かせて頂ければと思います。
 なお、気ままに読ませて頂いているため、非定期・ランダムに作品の感想を綴らせて頂きます。

 今回は、星乃夜衣様の「寄生体」を拝読しました。

 創業一族が代々経営者を務めている建設会社の2代目社長が病に侵される。2代目社長が亡くなれば、長女と長男で経営権を分割するはずだが、果たして、自由奔放な長女に経営が委ねられるのだろうか。そんな中、長女は謎の黒い男と出会う。黒い男が長女に願いを聞くと、「新しい生活」と長女は答える。徐々に、長女を中心に、奇怪な出来事が巻き起こっていく。

 黒い男が出現した時、ファンタジー小説のように感じました。ところが、物語がラストまで辿り着き、振り返れば、間違いなく、ミステリー小説でした。最後まで読み、「ミステリーのジャンルで言うと、あれか」と気付きました。

 複数人の視点から、物語は描かれています。登場人物の視点から見た世界は、少しずつ異なっています。ある登場人物は正常に思え、ある登場人物は異常に思えます。
 果たして、自分は登場人物に偏見を持っていないだろうか。
 最終話を読みながら、非常に興奮しました。「作者の方に気持ち良く騙された!」と思いました。物語の中の全ての点が線で繋がり、ある種の爽快感がありました。ラストに至る伏線は随所に張り巡らされていましたが、自身が持つ偏見に邪魔をされました。
 最後まで読み切り、タイトルの意味が判明しました。物語を体現したタイトルだなあ、と思いつつ、夏がやって来ている中、空気を冷たく感じました。

 作者の方の仰る通り、「サイコサスペンス」「サイコホラー」となっています。ミステリー好きな方だけでなく、ホラー好きの方も楽しめる作品だと思いました。

#創作大賞感想
#ミステリー小説部門
#Tales

いいなと思ったら応援しよう!