【夢月ロアが中傷事件で和解】─にじさんじ最大の確執問題を掘り下げる
8月13日、にじさんじの”夢月ロア”の代理人がXで「夢月への中傷事件をめぐる訴訟が、5月18日に和解によって解決した」と報告しました。
これはにじさんじ運営の起こした裁判ではなく、メンバー個人が起こした裁判です。
夢月ロアは2020年頃から実質的に活動休止状態が続いているメンバー。
この件は、ただの中傷事件ではなく、メンバー間の確執が絡んだ問題でした。
■事件の概要
時系列でまとめるとこういう事件です。
【概要①】
・2020年7月11日、新人の金魚坂めいろの初配信が行われたが、その強い訛りが夢月ロアによく似ていて話題になる。
(オーディションの面接では標準語で喋っていた)
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・夢月ロアが方言被りについて運営に相談。
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・運営が金魚坂に対して訛りをやめるように指示。
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・7月12日、金魚坂がDiscordの全体チャットで「運営から訛りをやめるように言われたが、直せない。どうしたら良いでしょうか?」と、にじメンバー全員に相談。
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・これに対し、一部のメンバーが「直さなくていい」と回答。
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・8月2日、夢月ロアが金魚坂に対してdiscordで直接「人と被らないように創ってきた大事な個性だから」と、訛りを修正するように要望。
そのうえで、「運営を通して話しても3週間平行線状態なので、直接話したい」と要望するが、金魚坂はこれを拒否。
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【概要②】
・ファンの間で「金魚坂が夢月ロアの口調を意図的に真似している」と言われていることについて、金魚坂が運営に「『模倣ではない』という公式発表を出してほしい」「公式発表を出さないなら卒業する」と連絡する。
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・運営は中立的な立場として公式発表は出来ないと回答。
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・9月上旬、金魚坂が運営に卒業(契約終了)を申し入れ、運営はそれを受理。
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・しかしその後、金魚坂が卒業の取りやめを要望。運営はそれを受け入れ、活動を再開。
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・金魚坂が復帰配信で「メンバーから嫌がらせを受けていた」「運営と契約の解約の話をした」といった発言。
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・運営が金魚坂の配信内容について秘密保持義務違反と判断し、活動休止させることを金魚坂本人に通達。
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・金魚坂は再び「卒業したい」と伝え、運営はそれを受理。
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・その後、またも金魚坂が卒業の撤回を要求。しかし運営はこれを受け入れず、YouTubeとSNSにアクセス出来ないようにして公式発表の準備を進める。
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・暴露系Vtuberが配信で「金魚坂のDiscordスクショ」とともに「夢月ロアが金魚坂をイジメていた」などと発信。
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・暴露配信の内容が”金魚坂にしか知り得ない情報”を多数含んでいたため、運営は金魚坂に契約解除を通知し、10月19日に公式で契約解除を発表。
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・10月21日、ファンからの批判を受け、にじさんじ運営と夢月ロアが経緯の詳細を発表。
公式が経緯を発表する前までは、金魚坂による「嫌がらせを受けていた」という発言と、暴露Vtuberによる「夢月ロアが金魚坂をイジメて辞めさせた」という情報しか出ていなかったので、ファンの間では完全に「夢月ロアが悪者」という認識になっていました。
そして、それまでVtuberとしての世界観を大事にしてきた夢月ロアでしたが、一方的に悪人扱いされて批判されている状況には耐えられず、運営と相談したうえで裏側の事実を公表することにしたようです。
■証拠付きで検証
□金魚坂の全体チャットでの相談
運営から「訛りを直してほしい」と言われ、金魚坂はDiscordの全体チャットで全にじさんじメンバーに相談しました。

このスクショは、暴露系Vtuberによって公開されたものです。
金魚坂が運営判断で活動休止にされたことで、「自分は被害者だ」と主張するために金魚坂本人がリークしたと考えられています。
この時点では金魚坂は「訛りを直す努力はするけど、緊張のせいで難しい」と言っています。
それなら夢月ロアとしても、しばらくはある程度訛りが出てしまうとしても、徐々に直っていくのなら問題無いと考えるでしょう。
ところが、これに対して「直さなくていい」と答えたメンバーが出てきたことで、問題が厄介になってしまいます。
「ガン無視で方言でいいと思うよ」
「自然に出てくるので仕方ないことだと思いますし、直す必要は個人的に無いかなと思います…!」
一人は舞元啓介。もう一人は不明です。
おそらくこの二人は、「メンバーからの要望」だと知っていたらこんな簡単に「直さなくてもいい」とは言わなかったでしょう。
二人は「運営からの要望」だと思ったので、「しなくていい」と言い切ってしまった。
これにより、金魚坂は「直さなくていい」というお墨付きを貰ったような状態になってしまいます。

一方、冷静で賢いメンバーのコメントも。
「オーディションのときは標準語だった感じですか?」
よく考えてみると、「緊張で方言が絶対出てしまう」のなら、オーディションのときにも方言が出ていたはずです。
そしてオーディションのときに方言が出ていたのなら、それを見て合格させた運営が今更やめさせるのは理不尽な話でしょう。
しかし、金魚坂は「オーディションのときは京都弁や標準語だった」と答えています。
つまり、「緊張すると方言が出てしまうから直せない」という話は嘘だということがわかります。
誰かはわかりませんが、すぐ話の違和感に気付いてこのコメントをしたメンバーは相当頭の良い人だと思います。
つまり、金魚坂は緊張によって自然に方言が出ていたわけではなく、意図的に方言を使っていて、「直す気がなかった」のです。
しかし「緊張で直せない」という話が嘘だとわかっても、同時にメンバーが「直さなくていい」と言ってしまったため、もはや手遅れでした。
□にじさんじ公式と夢月ロアの発表
金魚坂が契約解除になった直後から、運営と夢月ロアが激しく批判され、それを受けて公式で経緯の詳細が公表されました。


・「『夢月ロアの真似ではない』という公式発表をしてくれないなら卒業する」
↓
・「してくれないから卒業する」
↓
・「やっぱり卒業やめる」
↓
・配信で「メンバーから嫌がらせを受けた」
↓
・運営から活動休止通達
↓
・「それなら卒業する」
↓
・「やっぱり卒業やめる」
話を単純化するとこういう流れです。
こうして見ると相当な問題児という感じがしますが、前述した全体チャットの内容も含め、「自分は被害者だ」というアピールと、異常なメンタルの強さが全体的に際立っています。
騒動の最中には「自分が正義」「必ず勝てる」と言い張る投稿も。

そして、公式発表の同日に夢月ロアも当時のDiscord内容をツイッターで投稿。これは運営に許可を得たうえで投稿したものだと思われます。



夢月ロアは話し合いを求めていたものの、金魚坂がそれを拒否し続けていたような内容です。
しかし和解条項によると、ANYCOLORの社員が金魚坂に「夢月ロアから金魚坂に直接連絡することを禁止した」と伝えていたものの、実際には夢月ロアにその旨を伝えていなかったことが明らかになっています。
つまり、金魚坂の目線では「運営から禁止されてるのに何度も連絡してくる」という構図です。
金魚坂が配信で言っていた「メンバーからの嫌がらせ」というのは、こういった話し合い要求のメッセージを何度も送ってくることを指していたのだと思われます。
しかし、運営の伝達ミスの問題を外して考えても、この構図は夢月ロアにも問題が無かったわけではないと思います。
先輩という立場である以上、要望を拒否している相手に2人きりでの話し合いを求めるのは一般企業ならパワハラと捉えられるような構図です。
チャット欄のコメントでも言いたいことは伝えられるはずなのに、それをせず「直接話したい」と主張するのは、精神的な圧をかけて言うことを聞かせようとしているように見えてしまいます。
そのため、この投稿に対しても夢月ロアへの批判コメントはかなり多くみられました。
■問題の本質
夢月ロアへの批判は、
①訛りが被ってることを拒否するのはおかしい
②2人きりでの話し合いを求めるのはおかしい
この2点に集約されていました。
方言が被ることは日常の範囲ですから、それを自分のものかのように主張して相手に避けさせるのはやや理不尽な行動だと言えると思います。
ただ、この件は運営が夢月ロアの要望を聞いて、運営の方針として「キャラ被りを避ける」という判断を下したわけですから、これはもう”個人の要望”ではなく”企業の経営方針”の範囲です。
所属する企業の経営方針としての決定で、オーディションのときに訛りを使わずに採用されたのなら、「配信で訛りを使わないようにする」という運営指示には従うのが妥当でしょう。
しかし、メンバー2人が「直さなくていい」と断言してしまったことで、ファン心理として運営の判断も否定しやすくなり、「直させるのはおかしい」という論調が強くなってしまいました。
これが、夢月ロアに誹謗中傷が殺到した経緯です。
今回の訴訟と和解は、「イジメ」などのガセネタを拡散させた暴露系Vtuberに対してのものであって、①②の批判自体を否定出来るものではないので、根本的な部分がすべて解決されたわけではありません。
この件はそれぞれに悪いところがあったと思います。
・キャラ被りを過剰に嫌がって直させようとした夢月ロア。
・後から意図的に使うようにした訛りを、嘘をついてまで一切変えようとせず、卒業をちらつかせて運営に言うことを聞かせようとした金魚坂めいろ。
・片方だけの主張を聞いて安易に「運営指示は聞かなくていい」と言ってしまった舞元啓介ともう一人。
しかし突出して悪かったのは、
・暴露系Vtuberに内部情報をリークした金魚坂めいろ。
・その情報を使って適当な噂まで拡散させて誹謗中傷した暴露系Vtuber。
この2つ。
前者は契約解除になり、後者は訴訟を起こされています。
