「アイドルとは、熱狂的なファンを持つモノを指す。」【毎週ショートショートnote参加作品】
「棒アイドル? 某アイドルの間違いじゃなくて?」
「合ってるよ。スティック・アイドルだ」
とうとう友人は頭がイカれたと思った。推しが引退してから抜殻の如く過ごしてたと思えばコレだ。
「兎に角! これチケットな! 絶対来いよ?」
「え、ちょっ、おい!」
有無を言わさず握らされ、友人はさっさと去ってしまった。
……どうしよう。明後日の18時。
予定は空いているが。
「……」
……あの友人をここまで狂わせるものだ、どんなものか。
結局怖い物見たさが打ち勝ち俺は当日足を運んだ。
***
本当に棒アイドルだった。
緞帳が開くと棒が一本立っていた。その瞬間俺は友人を訝しんだことを心の底から後悔した。
スラリとした棒のフォルムが照明に煌く様は、夢を浴びて輝くアイドルそのものに見えた。
アレは革命だよ。
グッズもライブ後に全部買った。特にこのキーホルダー。この直線美が堪らない……。
なあ。
お前も見に行かないか?
チケット? 良いよ良いよ。俺が買っといたから。
絶対来いよ?
(空白除き415字)
※当作品はたらはかに様の企画、毎週ショートショートnote参加作品です(テーマ、「棒アイドル」)。リンクはこちら↓
