#3思春期(中学生・高校生):子育て世帯のクレジットカード構成の考え方
中学・高校生の時期になると、教育費や通学費といった大きな出費が家計を圧迫し始めます。しかし、見方を変えればこれもまたカード活用のビッグチャンスです。
1. 親の戦略:高額固定費を攻略する
まず塾など教育費。大手進学塾の多くはクレジットカード払いに対応しており、年間数十万円にもなる授業料を支払うだけでまとまったポイントを獲得できます。例えば河合塾や東進ハイスクールでは月謝や講習費をカード決済できるため、高還元カードで支払えば家計負担を和らげる一助となるでしょう。さらに定期テスト前や受験直前期には模試代や追加講座代など臨時の支出も増えますが、これらもカード払いでポイント化すれば一石二鳥です。払い忘れがなくなる安心も得られるので、教育投資こそカードを活用したい分野です。
次に通学定期券という「金の鉱脈」に注目しましょう。子どもの通学定期代は年間で見れば非常に高額ですが、これもカード払いでリターンを得ることが可能です。例えばJR東日本の通学定期を購入するならビューカードやJAL カードSuicaを使ってモバイルSuica定期券を購入すると、通常のチャージよりもポイント優遇(1.5%~5%相当)が受けられます。私鉄通学でも、Tokyo Metro To Me CARDやソラチカカード(東京メトロ提携)、TOKYU CARD ClubQ JMB PASMOなら定期券購入でポイント付与や、PASMO利用による乗車ごとのポイントが貯まる特典があります。避けられない通学費という固定費を、確実なポイント収入源に変える賢い方法です。
2. 子どもが初めて持つ「カード」:極めて重要な選択
この年代になると、子ども自身にカードを持たせるタイミングが訪れます。まず明確にしておきたいのは、18歳未満の未成年者はクレジットカードを持てないという点です。高校生以下には法律上発行できません。したがって、選択肢はデビットカードかプリペイドカードの二つに絞られます。
デビットカード: 銀行口座に直接紐づくカードで、利用と同時に口座から即時引き落としされます。口座残高以上は使えないため借金のリスクがなく、計画的な金銭管理の感覚を養うのに適しています。日本国内では原則15歳以上(中学生を除く)から発行可能です。たとえば三菱UFJ銀行のデビットカードや、ゆうちょ銀行のゆうちょデビットといったカードが該当し、中高生でも保護者の同意のもと持つことができます。
プリペイドカード: 事前にチャージした金額までしか使えないカードです。VisaプリペイドやMastercardプリペイドなど国際ブランド付きのものも多く、小学生や中学生でも利用できるものがあります。チャージ式なので使いすぎを最も確実に防げ、安全性が高いと言えます。例えば小学生でも親が作れるバンドルカード(保護者管理型プリペイド)などが人気です。
さらに近年登場したのが、「見守り機能付き」カードという進化系です。「かぞくのおさいふ」や「B/43 ジュニアカード」(スマホアプリ連携プリペイド)のように、子どもの利用を前提に設計されたカードでは、親のスマホから利用状況をリアルタイム確認でき、遠隔でチャージも可能という特徴があります。これによりカードは単なる決済ツールから、子どもの安全と親子のコミュニケーションを支えるデバイスへと変貌しています。たとえば子どもが塾帰りにコンビニでこのカードを使えば、即座に親のスマホに通知が来るので「無事に塾が終わって帰宅途中だな」と安心できるといった具合です。いわば現代版の「デジタルの紐」で親子を繋ぐ存在なのです。
3. グローバル体験への備え:ホームステイと短期留学
高校生にもなると、語学研修やホームステイなど短期で海外渡航する機会が出てくる場合があります。未成年者が海外で生活するにあたっては現地の決済手段も重要です。原則として高校生はクレジットカードを持てませんが、親が管理する形で使えるデビットカードやプリペイドカードが有力な選択肢となります。VisaやMastercardブランドのデビットカードであれば海外でも広く利用できますし、為替手数料が有利なものを選べば現地通貨での買い物もお得です。
たとえばSMBC信託銀行のGLOBAL PASSデビットは親が外貨預金しておいた口座から子どもがそのまま現地通貨を引き出せるので、両替手数料を抑えることができます。また前述の「かぞくのおさいふ」のようなプリペイドカードも海外利用に対応しており、日本にいる親が遠隔でチャージしたり利用明細を確認できるため非常に大きな安心感があります。
例外的なケースとして、「15歳以上の高校生でも発行できるクレジットカードの家族カード」という選択肢があります。通常、高校生はカード発行不可ですが、「海外留学やホームステイでの利用」に限り特別に家族カード発行を認めているカード会社が存在します。これは、キャッシュレスが主流の国で子どもが不便なく生活できるよう配慮した措置です。
発行可能な主なカード会社:
JALカード: 中学生を除く15~18歳の高校生は、保護者の同意書提出で家族カードの申し込みが可能です。
三井住友カード: 中学生を除く15歳以上の高校生が海外渡航目的で利用する場合に家族カード発行を認めています。
三菱UFJカード: 15歳以上の高校生が海外留学する場合に限り、特別に家族カードの申し込みが可能です。
アメリカン・エキスプレス: 15歳以上の高校生が海外留学・ホームステイ予定の場合、電話相談のうえ特別申込書によって家族カード発行できる場合があります。
メリット: 家族カードとはいえ本人名義のクレジットカードとなるため、海外でホテルのデポジット(保証金)を預ける時やオンライン決済が必要な場面でもスムーズに対応できます。さらに本会員カードに付帯する海外旅行傷害保険が家族会員にも適用されるため、万一の病気・ケガの際も手厚い補償を受けられます(※カードによっては利用付帯条件があります)。利用明細が本会員にも通知されるので、親が子どもの支出を把握しやすい点も安心です。
注意点: あくまで海外渡航中の利用に限った発行であり、帰国後に国内で継続利用はできない場合があります。また発行には時間がかかるため、渡航の2ヶ月前にはカード会社に相談・申請を始めるのが望ましいです。それぞれのカード会社で条件が異なるため、事前に詳細を確認しておきましょう。
4. デジタル時代の「へその緒」としてのカード
思春期の子どもとの関わり方は難しいものです。干渉を嫌がる年頃でもありつつ、親としては安全を見守りたい。このジレンマを解決する一つのツールが前述の「見守り機能付き」カードです。これは単なる金融ツール以上の役割を果たします。
たとえば子どもが留学先でこのカードを使うと、利用通知が親に届きます。それは「〇〇の店で買い物しました」という情報ですが、裏を返せば「無事に目的地に到着し生活できている」という安否確認の手段にもなるのです。遠隔からのチャージ機能は単なる送金ではなく、離れた場所からの支援と愛情のメッセージでもあります。メールや電話が減りがちな思春期において、カードの利用履歴がさりげなく子どもの無事を伝える「デジタルのへその緒」として機能しているのです。
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