【理論編】実家を出る子どもに持たせたい、初めてのクレジットカード
春、新生活の季節。大学進学や就職で実家を巣立つ子どもを見送る親御さんも多いでしょう。期待と不安が入り交じる中、「いざというときのためにクレジットカードを持たせようか…」と悩む方もいるのではないでしょうか。
実は、三菱UFJ銀行が実施した調査によると、大学生が初めてクレジットカードを作るきっかけで最も多いのは「親から勧められたから」でした。
初めてのクレジットカードは、便利な支払い手段であると同時に、これから社会に出る子どもに「お金と信用」の大切さを教える絶好の機会になります。
この記事では、一人暮らしを始める子どもに親が持たせるクレジットカードについて、ストーリーを交えながら考えてみます。カードのポイント還元率や特典も大事ですが、それ以上に「クレジット=信用」の本質や正しい使い方を伝えることに焦点を当てました。
実体験や専門的な調査結果も引用しつつ、親子で取り組むクレジットカードデビューのポイントをカジュアル〜ややしっとりしたトーンでお届けします。
一人暮らしスタートとクレカデビュー
「行ってきます!」——18歳の春、息子はスーツケースを手に新幹線に乗りました。大学進学のため、実家のある街から遠く離れた東京で一人暮らしを始めるのです。
玄関先で手渡した封筒の中には、息子にとって初めてのクレジットカードが入っていました。親としては「ちゃんと使いこなせるだろうか」「カードに頼りすぎないかな」と心配ですが、同時に社会人への第一歩として信用を築いてほしいとの願いも込めています。
実際、大学生になったばかりの18〜19歳でクレジットカードを作る人は全体の6割以上に上ります。特に最近はオンラインショッピングやデジタル決済が普及し、カードがないと不便な場面も多いですよね。
前述の三菱UFJ銀行の調査では、学生がクレジットカードを最もよく使うのは「ネットショッピング」だといいます。現金を持たずに済む安心感や手間の削減を、親世代である私たちも実感しているからこそ、「便利だから持ちなさい」と子どもに勧めたくなるのかもしれません。
しかし、親として忘れてはならないのは、便利さ以上に大切なことを教えるチャンスだということです。それこそが次のテーマ、「クレジット=信用」の本質です。
クレジットカードは「信用」を学ぶ教材
クレジットカードの「クレジット(credit)」とは、日本語で「信用」を意味します。
お金が手元になくても買い物できる=後払いできるのは、カード会社やお店が「この人は必ず支払ってくれる」という信用のもとに商品やサービスを渡してくれるからです。裏を返せば、使った分の代金を期限までに支払わなければその信用を裏切ることになります。
亀岡市消費生活センターの注意喚起でも、以下のようにリスクが強調されています。
「クレジットカードは消費者の信用に基づいて発行されるため、支払いができず延滞すると、将来住宅や自動車ローンなどが組めなくなる恐れがあります」
ほんの一度でも延滞(滞納)してしまうと、その情報は金融機関で共有され、いわゆる「ブラックリスト」に載ってしまうこともあります。例えば、支払いを3ヶ月以上滞納すると信用情報機関に事故情報が登録され、以下のような事態に発展しかねません。
カード契約の強制解約
完済後も数年間記録が消えない
新たなローン審査(車・住宅など)が極めて厳しくなる
スマホの分割購入すら困難になる
だからこそ、子どもには「このカードはあなたの信用の証なんだ」と伝えたいのです。
毎月の利用代金をきちんと支払い続けることが、社会で信用を積み上げることにつながります。逆に信用を傷つける使い方をすれば、その傷は長く本人に跳ね返ってくる──。 この「信用社会の仕組み」を、最初のカードを通じて学んでもらいましょう。
延滞ゼロ・使いすぎ防止!親が教える安心ルール
とはいえ、口で説明するだけで子どもがピンと来るとは限りません。 実際にカードを持たせるなら、事前にルールやマナーをしっかり共有しておくことが大切です。
子どもにカードを渡す前に、いくつか約束事を決めましょう。ここでは延滞(支払い遅れ)や使いすぎの「事故」を防ぐためのポイントをお伝えします。
実際には、以下の記事において「5つの黄金律」としてまとめました。
黄金律1:「リボ払い」の罠を回避し、支払い方法をマスターせよ
黄金律2:支出を「見える化」し、予算管理の達人になる
黄金律3:信用情報を育てよ – それは未来への「無形の資産」
黄金律4:自衛せよ!巧妙化する不正利用の手口と対策
黄金律5:ポイント/マイルに踊らされず、賢く付き合う
こうした基本ルールに加え、親子のコミュニケーションも大事です。 利用明細を見ながら「今月は使いすぎてないか?」「困ったことはないか?」と定期的に話し合う時間を作りましょう。
子どもも最初は緊張感を持っていても、慣れるとつい気が緩むもの。親からの声かけでブレーキをかけてあげることができます。
実際、クレジットカードに関するトラブルや後悔を経験した人からは「若い内は知識がなく使いすぎたり騙されやすい」との指摘もあります(クレジットカード比較隊 編集部)。 先輩社会人である親のアドバイスは、子どもにとって何より心強い道しるべになるはずです。
