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全部、ここにある 

今日は夫婦で休みの日。

瞑想の後、いつもなら自室で仕事をしながらパートナーが起きるのを待つのだけど、
昨日の夫婦mtgで「二人の時間が少なくなっているね」と話したばかりだったから、今日はリビングで本を読みながら待ってみる。

外からは、もう子どもたちの元気な声が聞こえている。

しばらくして降りてきた彼は
私を見て、少し驚いたような顔をして、そのあと笑った。


最近の私はいつも、「時間がない」「終わらない」と追われていたのかもしれない。

ない。ない。ない。

けど、ほんとうにそうだろうか。

朝、ゆっくり瞑想する時間。
おいしい、と味わいながら食べるご飯。
休日だってある。

そう思ったら、少し胸がゆるんだ。

ある。
ちゃんと全部、ここにある。

細々とした家事を済ませて、道の駅へドライブに出かけた。

高速に乗ると、景色がびゅんびゅんと通り過ぎていく。

遠くの山々が右へ左へと角度を変えて、
いくつかの集落を抜けていくころには、木々の色は深まっていた。

赤やオレンジ、黄色に茶色。
きらきらした秋の色を目で追っていたら、
ふいに視界がひらけて、山の連なりが見えた。

先っちょまで赤く染まっている。
なんてかわいらしいんだろう。

胸の奥が明るくなって、しばらくそのまま見ていた。

道の駅に入ると、木の天井は高く、明るい光が差し込んでいた。
にぎやかな中を二人で見てまわり、
地元のお豆腐屋さんの厚揚げ、地場野菜のキムチ、新米の豆餅をカゴに入れる。

お昼を食べて、芝生の広場を歩き、
西日に照らされた景色を見ながら帰宅した。


夜ご飯は、昨日のカレーの残りとご飯、ブロッコリーのサラダ、道の駅のキムチと厚揚げ、蒸した人参、ほうれん草の胡麻和え。


暑さで稲が大変だったと根岸さんが手紙で伝えてくれたお米。
無農薬で育てられた人参とほうれん草。
友人からもらった柿で作ったドレッシング。
今日、道の駅で買ったキムチと厚揚げ。
彼がつくったカレーには昨日の時間が宿っている。

テーブルの上には、
誰かの手と想いがまっすぐ届くものばかりが並んでいた。

「この厚揚げ、めっちゃおいしいね」
「タレもうまい」

「キムチ、本格的だねぇ」
「俺、やっぱ豆餅も焼こうかな」


ある。
ぜんぶある。

一つ一つを味わって、ゆっくり食べた。






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