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ドラマ「記念樹」

スタジオジブリ、月刊の小冊子「熱風」を年会費2000円を支払って、自宅に送ってもらっている。12冊。

スタジオジブリの小冊子「熱風」



何故、購読を始めたかというと、昨年5月号から、脚本家・山田太一さんのインタビューが毎号掲載されているから。

脚本家・山田太一さん
文学紹介者・頭木弘樹さん



文学紹介者の頭木弘樹さんが毎週山田太一さんの御自宅に伺い、山田さんの全作品に付いて、6年間に亘ってインタビューした記事である。

VTRがあるものはお互い観て、インタビュー前には頭木弘樹さんから山田太一さんに質問を複数送って置き、丁寧なインタビューを重ねた。

山田太一さんは一昨年9月にその最後のインタビューが終わった2ヶ月後の11月29日に、全ての役割を終えたかの様に亡くなられている。

「テレビドラマというものは放送されたら流れっぱなし。私自身の存在もどんどん忘れられて行く気がして、ときどき虚しくなるんですよね」

山田太一さんはインタビューの中でそう言っている。

https://youtube.com/watch?v=6ZdG3IsUIkA&si=iUx6LNr8QM-IL7TU

https://youtube.com/watch?v=IcpsAOUh9YI&si=QhW1SHL4mmcD427I

ドラマ「記念樹」
ドラマ「記念樹」
ドラマ「記念樹」


今月の記事に二人がテレビドラマ「記念樹」に関して話すところが出て来る。

1966〜1967年に46本放送された松竹テレビ室・木下恵介プロダクション・TBSが製作した連続ドラマである。

松竹映画の大巨匠・木下惠介監督


映画監督・木下恵介が、映画産業が斜陽になり、松竹大船撮影所のかつての「木下組スタッフ」の仕事を作る為、このドラマは松竹大船撮影所においてフィルムで撮影された。

当時、VTRで収録されたテレビドラマの多くは「VTRが非常に高価だった為」、放送後、次のドラマに使い回しされて、「上書き」され消され続けた。

僕がテレビ局に入社した1983年頃、勉強の為、過去の番組を観たくて、ライブラリーに行っても、同じ理由でテレビ番組はほとんど残されていなかった。

今の「テレビ」の様に「過去素材」を「再使用」するという発想が全く無かったのである。

だから、フィルムで撮影した「記念樹」は偶然遺ったのである。

話を山田太一さんが関わったテレビドラマ「記念樹」に戻そう。

このドラマの「企画」「原作」は木下惠介。

木下惠介が17本の脚本を書いている。

山田太一さんが書いたのは最多の21本。

「熱風」のインタビューで山田太一さんは、ドラマ撮影の途中、木下惠介が病気で倒れて入院した事に言及している。

最初は山田太一さんが脚本を書き、それを病床の木下惠介がチェック、直しを指示して、脚本を完成させていたが、30分の毎週放送の連続ドラマ。

間に合わなくなって来る。

やがて、木下恵介は山田太一さんに全てを任せるようになった。

1話完結だったから、山田さんも自由に発想して脚本を書きやすかったのかも知れない。

インタビューの中で、山田さんは、

「このドラマでいろんな事を勉強しました」

とおっしゃっている。

インタビュアーの頭木弘樹さんも、このドラマをインタビュー前、実際観るまではあまり興味が無かったそうだ。

しかし‼️

観たら、そこに「脚本家・山田太一」の凄さが詰まっていた。

そして、松竹から発売されている「DVD-BOX」が売り切れないうちに買っておいた方がいいと「熱風」に書き記した。

「記念樹」DVD-BOX


僕は慌てて、Amazonで検索。

20%割引の税込み28000円で売っているではないか。

これは1回、「キャバクラ」や「ガールズバー」に行くより安い。(最近、行ってないけど🤭)

早速、Amazonをポチッと。

昨夜、届いた「記念樹」を妻と見始めたら、「木下惠介ワールド」「山田太一ワールド」炸裂。

しかも、「木下惠介の脚本」と「山田太一の脚本」の違いも歴然なのである。

山田太一が書いた脚本の方が優しくて丁寧で奥が深い。

「DVD-BOX」、買って良かった。大満足。

中毒患者の様に、30分のドラマ6本を妻と観た。

妻も興奮している。

妻と同意見だが、今放送されているドラマのほとんど全てがこのドラマを観た後では見劣りがする。

こんなドラマを視聴者もドラマ制作者、映画制作者もぜひぜひ観て欲しい。

そこには「日本人固有の人としての感情」が確かに存在する。

ネタバレにはならないと思うので、このドラマの「構造」のみ紹介する。

戦後、日本のあちこちにあった「孤児院」。

そこに勤める、1人の女性教師が結婚の為、「孤児院」を去る事に。

彼女を慕っていた子供たちはみんなで、彼女の新居の庭に桜の木を一本植える。

これが「記念樹」。

そして、歳月が流れ、夫と死別した女教師は「孤児院」に戻り、彼女と子供時代を共にした教え子たちは大人になって、社会の波に揉まれている。

まるで「記念樹」を慕うように、毎回、違う卒業生が女教師の元を訪ねて来て、様々な「悩み」を打ち明けるのだ。

俳優・田村正和さん
俳優・田村正和さん


その1人が若き日の田村正和。

https://youtube.com/watch?v=x64-OjxwtUg&si=DVzTgCIwPFjV6G3M

木下恵介監督作品「永遠の人」


木下惠介監督作品「永遠の人」で田村正和は俳優デビューしているのだから、この起用も納得出来る。

テレビドラマ「記念樹」必見❣️
「モノクロ」ので、テレビでの再放送はかなり難しいかも知れない。

ああ、面白かった‼️

木下惠介監督の実弟・木下忠司さん


このドラマ、音楽も素晴らしい。
木下惠介の実弟で「水戸黄門のテーマ曲」も作曲した木下忠司。
木下惠介の映画もテレビドラマも彼の存在無くしては語れない。


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