見出し画像

マウンテンバイク|全国レベルの洗礼──白馬岩岳からJシリーズ富士見パノラマへ

ローカルレースでダウンヒルの面白さを知り、
「もっと上を目指したい」と思うようになったわたし。

そんな中、初めて本格的なダウンヒルレースとして参加したのが、
白馬岩岳で開催されていた「春の岩岳」でした。

当時の白馬岩岳は、
全国各地からライダーが集まるマウンテンバイクの一大イベントです。

ゴールデンウィークの数日間にわたり、ダウンヒルだけでなく、クロスカントリーやデュアルスラロームなどが開催され、会場全体がお祭りのような雰囲気に包まれていました。

出場したクラスは、ビギナーかスポーツクラスだったと思います。

初日はデュアルスラローム

初日はデュアルスラロームでした。

デュアルスラローム予選

予選タイムで決勝トーナメントの組み合わせが決まります。

ところが、決勝で対戦したのは、まさかの同じチームの仲間。

「よりによって最初からチームメイトか。」

そう思いながらスタートしましたが、緊張から転倒。

初戦敗退でした。

初めての白馬岩岳

デュアルスラロームの合間を縫って、
翌日のダウンヒルの試走を繰り返しました。

初めて走る白馬岩岳は、ローカルレースとはまったく違うスケールでした。

距離が長く、ガレ場、森のシングルトラック、スイッチバック。

「これが全国レベルのコースか。」

できるだけ走り込み、翌日のレースに備えました。

しかし、レース当日は雨。

白馬岩岳は雨が降ると路面が非常に滑りやすくなります。

当時はVブレーキの時代。

雨ではブレーキも十分に効きません。

スタートしてしばらくすると、
前輪が巻き上げた泥と雨でゴーグルが真っ白になりました。

途中でゴーグルを外しましたが、
今度は雨と泥が直接目に入り、さらに前が見えなくなります。

まともに走れるはずもなく、
初めての全国レベルのレースは散々な結果でした。

レース以上の収穫

それでも、この大会には忘れられない出来事がありました。

レース翌日、当時ダウンヒルランキング1位だった内嶋亮選手から、
白馬岩岳のコースレクチャーを受ける機会があったのです。

内嶋選手が制作する「白馬岩岳攻略法」のビデオ内容を確認するため、
わたしたち数人に実際のコースでライン取りや走り方を解説してくれました。

トップライダーは何を見て、どう考えながら走っているのか。

その考え方に触れられたことは、
その後の自分の走りに大きな影響を与えました。

そして何より、「もっと速くなりたい」という気持ちを強くしてくれました。

初めてのJシリーズ

白馬岩岳から約1か月後。

いよいよ全国を転戦するJシリーズへ挑みます。

初戦は富士見パノラマ。

レース前日から会場入りして試走を重ね、本番を迎えました。

ところが、またしても雨だった記憶があります。

結果はスポーツクラスで150位より下。

関西のローカルレースではファーストタイマーやビギナークラスとはいえ
予選上位に入っていた自分にとって、この順位は大きな衝撃でした。

「全国レベルは、こんなにも違うのか。」

改めて実力の差を思い知らされました。

バイクではなく、自分の問題だった

当時のわたしは、バイクを速くすれば自分も速くなると考えていました。

実際、乗っていたバイクの性能には自信がありました。

トップカテゴリーでも十分戦えるスペックだったと思います。

それでも結果は出ない。

つまり、足りなかったのはバイクではなく、自分自身だったのです。

その現実は、思っていた以上にショックでした。

練習するしかない

その後もJシリーズなどでは思うような結果は出ませんでした。

1998年夏の岩岳

一方で、チームの仲間たちはどんどん結果を出し、
カテゴリーを上げていきます。

焦りもありました。

でも、速くなる方法は一つしかありません。

練習です。

仕事が終わる金曜日の夜、仲間と車で富士見や白馬へ向かい、
土日はひたすら走る。

宿代を節約するために車中泊をすることも当たり前になりました。

その頃、車もハイエースへ乗り換えました。

車中泊もしやすく、仲間と一緒に遠征すれば、高速代や燃料代も割り勘にできます。

生活そのものが、レース中心になっていきました。

ダウンヒルスクールとの出会い

さらに大きかったのが、
伊田伊佐夫さんのダウンヒルスクールへ通い始めたことです。

ゴンドラ代込みで毎月開催される、とても参加しやすいスクールでした。

内容はシンプルです。

ひたすら走る。

伊田さんや、エリートライダーの小倉選手、脇田選手、女子トップライダー水庫ひとみ選手といった講師陣の後ろを、とにかく追いかける。

言葉だけでは分からないスピード感、ライン取り、ブレーキング。

トップライダーの後ろを走ることで、少しずつ身体が覚えていきました。

気がつけば、自分の走りも少しずつ変わり始めていました。

そして、その積み重ねが、後に結果につながっていくのです。

いいなと思ったら応援しよう!