山鳥の森オートキャンプ場と歩んだ復興の記録と、その先に続く人材の輪。
2020年7月、熊本県を襲った「令和2年7月豪雨」。
南小国の豊かな山間に位置する「山鳥の森オートキャンプ場」も、未曾有の被害に見舞われました。創業20年、多くのキャンパーに愛されてきた場所は、河川の氾濫により敷地の半分が流失。地形は変貌し、温泉棟やバンガローは無残な姿となりました。被害額は総じて6000万円にのぼりました。

「もう、閉めるしかないかもしれない」 避難所から戻り、変わり果てた景色を前に、オーナーの井さんご家族は言葉を失いました。しかし、キャンセルを伝える電話の向こうから聞こえてきたのは、「待っています」「絶対に再開してください」という温かい声でした。その声が、ご家族の心に「再興」という一筋の光を灯したのです。
復興の伴走者として:SMO南小国の役割
私たちSMO南小国がこのプロジェクトに深く関わるようになったのは、被災から少し経ち、山鳥の森オートキャンプ場さんが再建に向けた具体的な一歩を模索していた頃でした。
【経緯とSMOの動き】
当初、ご家族から再建への強い想いを伺う中で、自然の脅威と恵みの両方を知るキャンプ場だからこそ発信できる「防災体験キャンプ場」というコンセプトが生まれました。
単なる「元通り」ではなく、被災の経験を未来へ繋ぐ場所にしたい。
このビジョンに共鳴し、現場では既に新しい動きが始まっていました。南小国の地域おこし協力隊として活動していた建築家の三枡さんが設計を担い、その呼びかけに応じた大学時代の同級生・寺世さんも合流。復興に向けた「現場の熱量」が、少しずつ形になりつつあったのです。
私たちは、その志を現実のものとするための「伴走者」として、各人が現場に専念できるよう、プロジェクト進捗管理業務を軸に、以下の支援を行いました。
クラウドファンディングの企画・運営
「山鳥の森を愛する人たち」の想いを可視化し、再建資金を募るプロジェクトを立ち上げました。「READYFOR(プラットフォーム)」とのやり取りや、細かいタスクが伴う進捗管理、リターンの設計、SNSを活用した広報など、当人たちが行うには負荷の高い調整業務を引き受けました。ご家族や現場のメンバーが、「再建そのもの」に集中できるよう、全国のファンとキャンプ場を繋ぐ窓口の役割を担いました。
補助金申請サポート
コロナ禍という前例のない状況下で、町が新しく創設した補助金の活用を提案。申請書類の作成や、防災体験キャンプ場としての事業計画策定に向けた伴走支援を行い、再建に向けた経済的な基盤づくりをサポートしました。
「人」が還り、地域が動き出す
2021年8月の部分再開、そして2022年12月のグランドオープン。
キャンプ場の再建を通じて、建築家や協力隊、そしてボランティアの方々など、多様な「人材」がこの場所に集まりました。この繋がりは、オープンして終わりではありません。
現在では、SMOが運営する「しごとコンビニ」を通じて、地域の方々がキャンプ場の維持管理業務のサポートをする機会が生まれています。
さらに来年度(2026年春~)には、キャンプ場を舞台に新たな価値を創造する「新規事業型地域おこし協力隊」の採用も決定しました。
結びに:私たちが信じる「地域」の力
自然は時として脅威となります。しかし、その厳しさを知るからこそ、守るべき美しさや共生の大切さを伝えることができます。
山鳥の森オートキャンプ場の復興は、一家族の物語であると同時に、南小国町が「困難を乗り越え、新しい人を迎え入れる力」を持っていることの証明でもあります。
志ある人材がこの町に集まり、それをSMOが仕組みで支える。この形こそが、私たちが目指す人材還流のあり方です。
SMO南小国はこれからも、地域の「困りごと」を「希望」に変え、人としごとが循環し続ける未来を共に作っていきます。
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株式会社 SMO南小国 未来づくり事業部
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