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なぜ、あなたには友達ができないのか

今日もスナックゆきで、一杯だけ頼んだ。
今日はウッドフォードリザーブにした。
バランスのいいプレミアムバーボンらしく、甘さも、木の香りも、少しの苦みも、どれかが勝ちすぎない。
飲みやすいのに、薄くはない。
ちゃんと輪郭がある酒だと思った。

人間関係も、こういうものなら楽なのにと思う。

最初は、だいたいうまく話せる。
職場でも、習い事でも、初対面の場でも、数回くらいなら笑って過ごせる。
でも、不思議と続かない。
しばらくすると、返事が短くなる。
自分だけ知らない話が増える。
露骨に嫌われるわけではないのに、なんとなく輪の外にいる感じだけが残る。

あれは少しつらい。
はっきり拒絶されるより、理由が分からない分だけ、余計に心に残る。

そんな時、人はたいてい自分を責める。
何か失礼なことを言ったのか。
距離が近すぎたのか。
変な顔をしていたのか。
次は気をつけよう。
もっと丁寧にしよう。
もっと空気を読もう。

でも、たぶんそこから少しずつおかしくなる。

嫌われたくない気持ちが強くなると、人はぎこちなくなる。
うまく話そうとして、言葉が不自然になる。
仲良くなりたいと思うほど、相手の反応を見すぎてしまう。
こちらは必死ではないつもりでも、その緊張は案外伝わるのかもしれない。

人間関係がうまくいかないと、性格が悪いのだと思ってしまう。
頭が悪いのかもしれないとも思う。
でも、本当はそこまで大げさな話ではなくて、
ただ距離感が少し不器用なだけ、ということもあるのだろう。

言ってはいけない場面で一言多かったり、
まだ早いところで近づきすぎたり、
逆に気を使いすぎて、自分の輪郭を全部消してしまったり。
そういう、言葉にしにくい小さなズレが積み重なる。

思えば、人とうまくやれている人ほど、
あまり群れようとしていない気がする。
無理に輪の中心に入ろうとしない。
友達を作ろう、好かれようと力まない。
どこかで「自分は一人」という感覚を持ったまま、
でも人を拒まず、目の前のことをちゃんとやっている。

仕事なら仕事をする。
習い事なら習い事を学ぶ。
その姿を見て、後から人が寄ってくる。
順番が逆なのだ。

友達を作るためにそこへ行くのではなく、
自分の目的を丁寧にやっている人の方が、結果として自然に見える。
たぶん、緊張が少ないのだと思う。
人に好かれたい気持ちで膨らんでいないから、変な圧がない。

ウッドフォードリザーブをもう一口飲んだ。
甘いだけでもなく、強いだけでもなく、
それぞれが出すぎずに残っている。
人も少し似ているのかもしれない。
好かれようとして何かを足しすぎるより、
まず自分の輪郭をなくさないことの方が大事なのかもしれない。

群れに入れないことより、
群れに入ろうとして自分が崩れることの方が、たぶんつらい。

グラスが空いた。
今日はここまでにする。

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