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Snapdragonとは?搭載パソコンの強みや選び方、おすすめモデルを紹介

ノートパソコンのCPUは、Intel製・AMD製のものが主流でしたが、近年、Qualcomm(クアルコム)製の「Snapdragon」を搭載するパソコンも目立っています。

Snapdragon搭載のパソコンは、高い省電力性によってバッテリー残量を気にせず操作をし続けられる点や、AI処理を高速で行える点が強みです。

この記事では、Snapdragonとは何かを、Snapdragon搭載パソコンの特長やパソコン向けモデルの種類、Snapdragon搭載パソコンの選び方、各メーカーのおすすめ機種、具体的な活用例、パソコン使用時の注意点とあわせてご紹介します。


Snapdragonとは

Snapdragon(スナップドラゴン)とは、アメリカのクアルコム社が開発するSoC(System on a Chip)です。

主にAndroidを搭載したスマートフォンやタブレットに使用されていますが、ノートパソコンやIoTデバイス、自動車などにも使われています。

SoCとは

SoCとは、CPUやGPU、通信モジュール、メモリ、周辺機器のインターフェースなど、さまざまな機能を一つの半導体チップまとめた集積回路のことです。

SoCの登場により、これまで複数のチップを搭載しなければならなかったシステムもSoC1つでコンパクトに設計できるようになったことから、スマートフォンやIoTデバイス、ゲーム機といった小型の機器に広く活用されています。

Snapdragon搭載パソコンとIntel・AMD製CPU搭載パソコンの違い

上記でも触れたように、Snapdragonはスマートフォンで主に用いられているSoCですが、最近ではSnapdragonをプロセッサとして搭載したパソコンも多く見られます。

これまで、パソコン用のCPUはIntel製とAMD製が主流でしたが、Snapdragon搭載のパソコンと違いはあるのでしょうか?

Snapdragon搭載パソコンは、Intel・AMDのCPU搭載パソコンよりもバッテリー駆動時間(電力効率)が優れています。

Snapdragonはもともとスマートフォン向けのプロセッサとして主に利用されていたため、基本的に電源につながず持ち運ぶスマートフォンでは、電力効率の高さが求められます。

このような背景もあり、Snapdragon搭載パソコンはIntel・AMDの同スペックのCPUを搭載したパソコンよりも消費電力を抑えやすいため、ビジネスパーソンや学生などノートパソコンを持ち歩くユーザーに幅広く適しています。

Snapdragon搭載パソコンの特長

上記のとおり、SnapdragonはIntel・AMD製CPUを搭載したパソコンよりも電力効率に優れているといった強みがありますが、ほかにもさまざまな特長を持っています。以下では、電力効率の高さをはじめとしたSnapdragonの特長をご紹介します。

消費電力を抑える設計

Snapdragonは、中核となる技術にスマートフォン向けのARMアーキテクチャを採用しており、発熱が少なく消費電力を抑えた駆動が可能です。

特に、Windows用SoCとして提供されているSnapdragon Xシリーズは、パフォーマンスの高さを維持しながら、安定したバッテリー駆動を実現でき、電源につながないままでも電源接続時と同じパフォーマンスを行えたり、満充電から数日バッテリーを維持できたりするよう設計されています。

高性能のCPU・GPUを搭載

Snapdragon搭載のパソコンでは、高性能のCPU・GPUを搭載している点も特長です。Snapdragon Xシリーズでは、自社開発されたCPU「Qualcomm Oryon™」とGPU「Adreno™ GPU」を搭載しています。

Snapdragonは、Adobe PhotoshopやBlender、DaVinci Resolve Studio 20といったパソコンに負荷がかかりやすいクリエイティブ用ソフトを使用した際も快適に使用できるスペックを持っています。

もちろん、ソフトによって得意分野は異なります。例えば、PhotoshopでのRAW写真現像ではIntel製CPU搭載パソコン、DaVinci Resolve Studio 20での一部マスク処理ではAMD製CPU搭載パソコンが優位になるケースもあります。

一方で、Snapdragon搭載パソコンは特定の処理だけに偏らず、さまざまなクリエイティブ用ソフトで安定して高いパフォーマンスを発揮しやすい点が強みです。

AI処理に特化したNPUを搭載

Snapdragonは、クアルコム独自の「Qualcomm® AI Engine(CPU・GPU・NPU)」で設計されており、上記の「Qualcomm Oryon」とGPU「Adreno GPU」に加え、AI処理に特化したプロセッサであるNPU「Qualcomm® Hexagon™ NPU」を搭載しています。

NPUの処理能力は「TOPS」という単位で表し、1秒間に何兆回の演算ができるかが示されますが、Hexagon NPUは45TOPSを誇り、業界でもトップクラスの処理能力を持ちます。

これにより、AIを用いたクリエイティブ作業や、パソコン上でのカメラやオーディオ機能を用いたAI処理、その他豊富なAIアプリケーションを不便に感じることなく活用できます。

パソコン向けSnapdragonの種類

上記のとおり、Snapdragon搭載パソコンは電力効率に優れているほか、クアルコム社独自のCPUやGPU、NPUを搭載し、AI処理を得意としています。パソコン向けのSnapdragonは、Xシリーズとして提供されており、以下の4種類が挙げられます。

Snapdragon X

Snapdragon Xは、2023年にXシリーズのローエンド(下位)モデルとして提供された製品です。従来のIntel・AMD製のCPUに代わる選択肢として、注目を集めました。

Snapdragon Xシリーズの中では最も低価格な点が特長で、価格を抑えながらも高いAI処理能力を備えているコストパフォーマンスの高さが魅力です。

Snapdragon Xは、「X1-26-100」のように、型番が「X1」と表記されているものが該当します。

なお、現在はSnapdragon X Plus、Snapdragon X2 Plus以降のモデルを搭載したパソコンが展開されており、Snapdragon X(X1-26-100)を搭載したパソコンは終売しているケースもあるためご注意ください。

Snapdragon X Plus

Snapdragon X Plusは、Snapdragon Xとともに2023年に発表されたミドルレンジ(標準)モデルです。

10コア・8コアと、複数タスクの同時処理を表すCPUのコア数が異なる2種類のモデルが提供されており、どちらも一般的なWebブラウジングや書類作成といった事務作業は、AI機能を活用しながら快適に行えます。

そのため、高負荷なクリエイティブ作業を行わないビジネスパーソンや学生は、Snapdragon X Plus搭載のパソコンでも十分に使用できます。

Snapdragon X Plusは、「X1P-42-100」「X1P-66-100」のように、型番が「X1P」と表記されているものが該当します。

Snapdragon X2 Plus

Snapdragon X2 Plusは、Snapdragon X Plusの次世代モデルで、2026年1月に発表されました。10コア・6コアが提供されていますが、Snapdragon X Plusと比べて、CPU・GPU・NPU性能および電力効率のすべてが大幅に向上しています。

そのため、より性能の高いモデルを使用したい場合や、最新モデルを搭載したパソコンを使用したいという場合は、Snapdragon X2 Plus搭載のパソコンを選ぶとよいでしょう。

Snapdragon X2 Plusは、「X2P-64-100」「X2P-42-100」のように、型番が「X2P」と表記されているものが該当します。

Snapdragon X2 Elite

Snapdragon X2 Eliteは、2025年に発表されたハイエンドモデルです。Snapdragon X2 PlusのCPUコア数が10コア・6コアなのに対し、Snapdragon X2 Eliteは、18コア・12コアとさらに高い処理能力を持っています。

そのため、AI機能の活用はもちろん、4K動画の編集や3Dモデリングなど、高負荷な作業を日常的に行う場合は、Snapdragon X2 Elite搭載のパソコンを選ぶのがおすすめです。

Snapdragon X2 Eliteは、「X2E-96-100」「X2E-90-100」のように、型番が「X2E」と表記されているものが該当します。

Snapdragon搭載パソコンの選び方

ここまで、Snapdragonの特長やパソコン向けとして展開されているモデルをご紹介しました。

上記のように、Snapdragonは性能別に大きく4種類に分かれていますが、その中でもさらに細かく型番が分かれており、それぞれ性能が異なるため、型番を確認したり、用途に合わせたベンチマークを見ながら適当なモデルを選ぶことが大切です。以下では、Snapdragon搭載パソコンの選び方をご紹介します。

型番から選ぶ

Snapdragonは、型番の数字によって性能が分かれています。
型番は、「X2E-96-100」のような表記で示され、各要素は以下のような内容を表しています。

上記をふまえて、パソコン向けのSnapdragon搭載パソコンを選ぶ際は、基本的に以下の点を押さえたうえで検討するとよいでしょう。

  • Xシリーズであるか

  • Eliteモデルか、Plusモデルか

  • 性能の数字が自身の用途に見合った大きさか

ベンチマークを確認する

用途に見合ったスペックのパソコンを選ぶ際は、ベンチマークソフトやベンチマークサイトを活用し、各モデルのスコアを比較することをおすすめします。
特に高い性能が求められるクリエイティブ用途やゲーミング用途でパソコンを使用する場合は、ベンチマークを確認したうえでモデルを選ぶことで、購入後のギャップが生まれにくく、快適に操作できるでしょう。

なお、パソコンを選ぶときは、CPUだけでなく、GPUやメモリ、ストレージ、ディスプレイなどのスペックも含めて総合的に適当なモデルを選ぶことが重要です。

例えば、クリエイティブ用途やゲーミング用途の場合は、CPUの処理性能はもちろん、GPUやメモリの性能も重視する必要がありますが、一般的な事務用途で用いる場合は、GPUの性能はほとんど加味せずとも、十分にパソコンを利用できます。また、AIを用いたパソコンの機能を活用したい場合は、NPUが内蔵されているモデルを選ぶとよいでしょう。

このように、パソコンを選ぶ際は、CPUのスペックだけで決めるのではなく、ほかのパーツのスペックも見たうえで、用途や予算に合ったモデルを選ぶことが大切です。

Snapdragon搭載のおすすめパソコン【法人向け】

ここまで、Snapdragon搭載パソコンの選び方をご紹介しました。Snapdragonを搭載したパソコンは各メーカーで提供されており、メーカーごとに独自の機能を備えていたり、サポートを実施していたりすることがあるため、各社で比較検討するのがおすすめです。

Snapdragon搭載のおすすめパソコンは、以下のとおりです。まずは、法人向けのパソコンからご紹介します。

マイクロソフト 法人向け Surface Laptop 13インチ

マイクロソフト Surface Laptop 13インチは、Snapdragon X Plusを搭載した法人向けのノートパソコンです。

Surface Laptop 13インチは、マイクロソフトが定義する、AIを活用することに優れたパソコン「Copilot +PC」に該当するスペックを持つモデルで、一般的な事務作業での利用はもちろん、AI機能を活用した業務効率化も期待できます。

なお、マイクロソフトの法人窓口では、導入前にSurfaceの無料貸し出しを行っているため、本格導入前に使用感の確認が可能です。

製品詳細:

https://www.microsoft.com/ja-jp/store/configure/Surface-Laptop-Copilot-PC-13-Snapdragon/8mzbmmcjzqtm?selectedColor=

富士通 FMV Note U WU6-L1

富士通 FMV Note U WU6-L1は、Snapdragon Xを搭載したノートパソコンです。OSはWindows 11 HomeまたはProが選べるため、法人での利用にも適しています。

メモリ容量は16GBまたは32GB、ストレージ容量は256GB~2TBまで選択できるため、用途に合わせて柔軟なカスタマイズが可能な点が魅力です。

また、重さが約634~640gと軽量な点も特長で、持ち運びの機会が多いユーザーにとっても利用しやすいモデルといえます。

製品詳細:

Dell Latitude 7455

Dell Latitude 7455は、Snapdragon X PlusまたはSnapdragon X Eliteを搭載できるノートパソコンです。

メモリ容量やストレージも32GB・1TBにカスタマイズできるため、ハイエンドモデルのパソコンを利用したいユーザーに特におすすめです。

Latitudeは16.9mmの薄さが特長で、薄型でコンパクトな作りでありながら耐久性にも優れています。

製品詳細:

https://www.dell.com/ja-jp/lp/dt/latitude-14-7455-laptop

Snapdragon搭載のおすすめパソコン【個人向け】

上記では、法人向けのおすすめノートパソコンをご紹介しました。Snapdragon搭載パソコンは、法人向けだけでなく、個人向けでも幅広いラインナップがそろっています。以下では、個人向けのおすすめモデルをご紹介します。

マイクロソフト Surface Laptop 13.8インチ

マイクロソフト Surface Laptop 13.8インチは、Snapdragon X PlusまたはSnapdragon X Eliteを搭載できるノートパソコンです。

法人向けのSurface Laptopと同様にCopilot +PCに該当するため、AI機能を活用したパソコン作業を快適に行えます。

メモリは最大64GB、ストレージは最大1TBまで拡張でき、同様のスペックでは15インチのディスプレイのモデルも選べるため、画面サイズを大きく使いたいという方にもおすすめです。

製品詳細:

https://www.microsoft.com/ja-jp/store/configure/surface-laptop-13-8-inch/8mzbmmcjzqjk

ASUS Vivobook 14 X1407Q

ASUS Vivobook 14 X1407Qは、Snapdragon Xを搭載したノートパソコンです。

わずか30分でバッテリー容量が50%に達する急速充電技術を採用しているため、持ち運びの機会が多く、日中に充電する時間をなかなか確保できないという方にとって利用しやすいモデルです。

また、本モデルはASUS独自のASUS Smart Gestureを用いた大型タッチパッドを採用しています。ワンタッチでの音量・明るさの調整や、タイムラインのスクロールが可能なため、直感的にパソコンを操作したい方にもおすすめです。

製品詳細:

Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 11

Lenovo IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 11は、Snapdragon X2 Plusを搭載した2-in-1型のノートパソコンです。2-in-1型のノートパソコンは、タッチペンを用いてタブレットとしても利用できるため、キーボードでの入力だけでなく、メモやノートとして直接画面に書き込んで使用したい方に特におすすめです。

本モデルは、電流を流すことで自ら発光する有機材料を用いたOLEDディスプレイを採用しており、鮮やかな色の表現を実現しつつも、デバイスの薄型・軽量化を実現しています。

製品詳細:

https://www.lenovo.com/jp/ja/p/laptops/ideapad/ideapad-2-in-1-series/lenovo-ideapad-5x-2-in-1-gen-11-14-inch-snapdragon/len101i0148?orgRef=https%253A%252F%252Fwww.google.com%252F&srsltid=AfmBOopUA_lapLr-H41BaL4v4OIoqUkgTdcJSti-mNU0i1aTGUhjKcBJ

Snapdragon搭載パソコン(Copilot +PC)の活用例

上記では、Snapdragon搭載パソコンのおすすめモデルをご紹介しました。上記のパソコンはすべてCopilot +PCの定義に当てはまり、AI機能を活用した作業効率化に適しています。

では、Snapdragonが搭載されたCopilot +PCは、実際にパソコンを操作する中で、どのように活用できるのでしょうか。主な活用例は、次のとおりです。

リコール機能で過去の操作を振り返る

リコール機能は、AIが自動でデスクトップ画面のスナップショットを作成し、それらの履歴を自然言語で検索できる機能です。

これにより、「先週の月曜日に開いたWebページが思い出せない」「昨日設定した内容をやっぱり元に戻したいが、設定方法を忘れた」といったときも、検索からすぐに該当のページやファイルを探し出せます。

コクリエーターで手軽に本格的なイラストを生成

コクリエーターは、Windowsに標準搭載されている「ペイント」に搭載されているAI機能です。

コクリエーターは、ペイント画面の端に表示され、作成内容をプロンプト(指示文)で読み込ませた後、実際にキャンバス上に簡易的なイメージを描画することで、プロンプトと描画内容に基づく本格的なイラストを生成できます。

コクリエーターにより、テキストのプロンプトのみでの画像生成がうまくいかないときにも、理想の画像を作りやすくなります。

Snapdragon搭載パソコンの使用時はソフトや周辺機器の互換性に注意

ここまで、Snapdragon搭載パソコンの特長やおすすめのパソコン、活用例などをご紹介しましたが、実際に導入を進める前に、利用するソフトや周辺機器がSnapdragonに対応しているかを確認しておくことが大切です。

「Snapdragon搭載パソコンの特長」でも触れたように、Snapdragonは、Intel・AMD製とは異なるアーキテクチャ(構造)であるARMアーキテクチャを採用しています。

しかし、これまで主流だったIntel・AMD製のCPUはx86/x64アーキテクチャを採用しています。現在提供されているソフトや周辺機器はx86またはx64アーキテクチャのCPUにのみ対応しているものも多く、ARMアーキテクチャであるSnapdragon搭載のパソコンでは利用できない可能性があります。

徐々にARMアーキテクチャに対応するソフトが増えていたり、Windows 11 24H2以降のOSバージョンではSnapdragonに最適化されたエミュレータ(互換装置)である「Prism」が導入されたりするなど、互換性は解消されつつありますが、万が一思うようにソフトや周辺機器が動作せず作業に支障が生じないよう、あらかじめ利用ソフト・機器との互換性を確認しておくとよいでしょう。

Windowsのエミュレーションについては、マイクロソフトの公式ヘルプページもご確認ください。

参照:

まとめ

この記事では、Snapdragonとは何かを、Snapdragon搭載パソコンの特長やパソコン向けモデルの種類、Snapdragon搭載パソコンの選び方、各メーカーのおすすめ機種、具体的な活用例、パソコン使用時の注意点とあわせてご紹介しました。

Snapdragonは、スマートフォンやタブレットで主に使われているCPUですが、近年はノートパソコンにもSnapdragon Xシリーズが多く用いられており、内蔵のNPUを活かしたAI処理や、バッテリーの省電力性を強みとしています。

ただし、Snapdragon搭載のパソコンは、使用するソフトや周辺機器によってはCPUとの互換性がなく、思うように動作しない可能性もあるため、パソコンの購入時は、あらかじめ普段使用しているソフトや周辺機器が問題なく使用できるか、互換性を確認しておくことが大切です。

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