記憶の感触を、手のひらにそっと残すもの
子どもが幼かったころ、小さなおもちゃや丸い小石を、手のひらにぎゅっと握りしめていたことを思い出します。
ふれることで、心が少しだけ整う…
そんな“安心のかたち”が、誰の暮らしの中にもあるのかもしれません。
SNOLETでは、手のひらにそっとおさまる布小物に、香りや手ざわり、揺れのリズムなど、ささやかな感触を仕込んでいます。
それが、記憶のどこかにやさしくつながっていくようにと願いながら。
子どもが幼かったころ、
小さなおもちゃや丸い小石を、いつも手のひらにぎゅっと握りしめていました。
幼稚園に行くときも、それを持っていたくて。
でも園では持ち込めないから、途中で私が預かって。
それでも帰りには、折り紙をお団子のように丸めて、また握っている。
あるときふと、
ああこれは、手のひらで気持ちのやわらぎを感じているんだ、と気づいたんです。
不安なとき、人は自然と心にふれるものを探す。
それは、神社のお守りや貴重な石ではなくても、
もっと身近で、ふれてほっとするもの。
自分で見つけた、自分だけの“安心のかたち”。
あるいは、
美しい夕暮れの空や、夏の畳の乾いた匂い、
温かいミルクティーや、遠くの人の気配。
誰にとっても当たり前かもしれないものばかり。
それでも、自分の中では確かに心がほどける感覚と、つながっている記憶たちなのかもしれません。
SNOLETの作品づくりにも、
こうした「ふれる安心」や「感覚の記憶」を大切にする気持ちが息づいています。
たとえば手のひらサイズの小さなポーチ。
肌ざわりのよいさらっとしたコットンや、柔らかなスエード生地。
粒々のビーズをなぞると、指先に小さなリズムが返ってくる。
手のひらで転がるチャームの感触や、
揺れる動きが、ふと心をゆるめてくれるかもしれません。
サシェなら、香りがそっと気分を整えてくれることもあるでしょう。
そんな“自分を安心させてくれる感覚”を、
ふたたび思い出すための小さな“きっかけ”として、そっと仕込んでいます。
そしてそこに、
お気に入りのものや大切な何かを入れて持ち歩くうちに、
そのポーチにふれること自体が「安心」になったら…。
そのポーチはきっと、その人だけのお守りになる。
そんなふうに感じられる、小さな手仕事を、
静かに届けられたらと願っています。
それがたとえ目立たないものであっても、
その人の中で静かに灯ってくれるようなものを。
今日も手を動かして、かたちにしています。
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