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AIが待ち時間を埋めるほど、ひらめきはどこで生まれるのだろう

こんにちは。デジタルの海を泳ぎながら、人間らしさの灯台を探し続ける、あなたの隣人 すのー*です。

電車を待つ数分
お湯が沸くまでの一分
オンライン会議が始まるまでの、ほんのわずかな時間。

少し前まで、こうした時間には「何も起きない」という特徴がありました。今はスマートフォンを開けば、退屈はすぐに消えます。

そして生成AIに話しかければ、退屈を消すだけでなく、返信文や企画の案まで作れます。

空いていた時間が、役に立つ時間へ変わる。忙しい人ほど、この便利さに助けられるでしょう。

けれど、少し気になることもあります。答えがすぐ届くようになったとき、まだ言葉になっていない考えは、どこで寄り道をするのでしょうか。

この記事は、退屈を美化するためのものではありません。AIを創造性の敵にするものでもありません。

AIが空白を埋められる時代に、ひらめきが育つ余白をどう残すのか。一緒に考えてみたいと思います。

待ち時間まで「役に立つ時間」になった

2024年の国際会議で発表された調査では、働く大人21人が、2週間にわたって待ち時間の過ごし方を記録しました。

使い方は、およそ6割が余暇、2割が仕事や勉強、2割が家事や身支度などでした。目的なく過ごした時間は3%ほどです。

人数の少ない調査なので、すべての人に当てはめることはできません。それでも興味深いのは、待ち時間が仕事だけに使われていなかった点です。

動画を見ることも、誰かと話すことも、身の回りを整えることもありました。人は小さな空白を、その場に合わせて使い分けていたのです。

生成AIが加わると、この使い分けはさらに広がります。長い資料を短くしてもらう。夕食の候補を考えてもらう。伝えにくいメールの下書きを作ってもらう。

机に戻らなければできなかったことが、駅のホームでも進むようになります。

これは、細切れの時間しか持てない人にとって大きな助けです。待つことへの不安を和らげたり、考え始める負担を軽くしたりすることもあるでしょう。

問題は、AIを使うことではありません。すべての空白に成果を求め始めることです。

ひらめきを育てたのは「完全な無」ではなかった

では、何もしない時間があれば、ひらめきは自動的に生まれるのでしょうか。研究が示すのは、もう少し複雑な姿です。

2012年の実験では、参加者が物の変わった使い道を考えた後、負担の大きい課題、単純な課題、休憩、休憩なしの四つに分かれました。

その後、最初の問題にもう一度取り組むと、単純な課題をしていた人たちの成績が伸びました。その時間には、課題と関係のないことを考える「心のさまよい」も多く起きていました。

大切なのは、ただ休めば同じ結果になったわけではないことです。また、効果が見られたのは一度考えた問題で、新しく出された問題ではありませんでした。

先に問いを置き、手は単純なことをしながら、心だけを少し自由にする。その組み合わせが考えを育てた可能性があります。

2014年の別の二つの実験でも、単調に書く作業や読む作業の後に、創造性を測る課題の成績が高くなる場面がありました。

ただし、これも特定の実験条件で確かめられた結果です。「退屈すれば誰でも天才になれる」という話ではありません。

ひらめきは、真っ白な場所へ突然落ちてくるものではないのでしょう。

考えかけの問いがあり、その問いからいったん離れられる余白がある。そこで、離れていた記憶同士が出会うのかもしれません。

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