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localhostの亡霊〜新年にはリリースしたい〜

この記事は #GauDev Advent Calendar 2025 の21日目の記事です。


はじめに


Gaudiyでエンジニアをしている@so99ynoodles です。
最初は個人開発でのAIの話を書こうと思ってましたが、
まだ自分の中で最適解が見つかっていません。

なので今回は、技術の細かい話よりも、
「なぜ個人開発は完成しないのか」
「どうすればリリースまで辿り着けるのか」

という、少しビジネス寄り・行動寄りの話をします。


localhostの亡霊とは

あなたのパソコンに、こんな存在はいないでしょうか。

  • 一応動く

  • 最初のコミットのまま

  • 最後に触ったのは、だいぶ前

いわゆる、完成しなかった個人開発のプロジェクトです。
ちなみにこれは、完全に僕自身の話でもあります。

  • 面白そう!と思って作り始めたアプリ

  • あったら便利そう!と思って作ったツール

  • 色んな新技術を詰め込んだSaaSっぽい何か

  • その他

どれも意気揚々と作り始め、
気づけば localhost に置き去りになっていました。
この記事では、

  • なぜ個人開発は完成しないのか

  • どうすればリリースまで辿り着けるのか

を、僕自身の失敗を交えながら整理してみます。


なぜエンジニアは個人開発を始めるのか

個人開発を始める理由は、人それぞれです。

  • 自分が困っている問題を解決したい

  • 良いサービスを作ってお金を稼ぎたい

  • 新しい技術を試してみたい

どれも自然で、健全な動機だと思います。
それでも、多くの個人開発は完成しないまま終わってしまいます。

GitHubのPrivateリポジトリには、
「初期コミットで止まったプロジェクト」が星の数ほどあります。

  • 動くところまでは作る

  • ある程度満足する・または飽きる

  • 次第に触らなくなる

なぜ、こうなってしまうのでしょうか。


完成しない個人開発・人の典型パターン

技術へのこだわりが強すぎる

Resume-Driven Development

エンジニアだからこそ陥る最大の罠です。
新しいフレームワークやライブラリを触るのが楽しくて、
「どうせならちゃんとした構成で作ろう」と思い始めます。
気づけば、

  • レポジトリは立派

  • コミット数も多い

  • でもユーザーが触るメイン機能は未完成

という状態になってしまいます。
技術的には正しい選択をしているはずなのに、
サービスの本質からはどんどん遠ざかっていく。

これは
Resume-Driven Development(履歴書駆動開発)
とも呼ばれています。
勉強目的なら問題ありません。
でも、リリースが目的なら話は別です。

スコープが肥大化しすぎている

「あれもこれも」と機能を詰め込みすぎて、
永遠に終わらないパターンです。

  • 将来のスケールを考えすぎて壮大なロードマップを描く

  • コア機能より先に基盤を作る

  • 実装の途中で飽きる

結果として、
一度もユーザーに触れられないまま終わります。

明確に解決したい課題がない

「なんとなく良さそう」で始めた個人開発も、
高確率で途中で止まります。

  • 誰の課題なのか

  • 本当に自分が使いたいのか

  • なぜ今これを作るのか

この問いに答えられなくなると、
モチベーションが薄れ、
面倒な実装・作業に入った瞬間に手が止まってしまいます。


完成するために捨てる3つのもの

「流行りの技術」を捨てる

退屈な技術を選べ

— Dan McKinley(Etsy 創業者)

新しく流行っている技術をためすのもいいですが、
それはプロジェクトがリリースされてからでも遅くありません。
完成させたいなら、一番手に馴染んだ技術を選ぶのが近道です。
例えば、

  • インフラを作らない

    • 運用はあと回しでいいので、VercelやRailwayに投げる

  • バックエンドを極力持たない

    • BaaS(Firebase, Supabase)などに頼る

  • UIに時間をかけすぎない

    • Shadcn など人気なUIライブラリーをそのまま使う。独自性は後回し。

など、ありふれた技術で作っていくのが早いでしょう。


「完璧な製品」を捨てる

もし最初のバージョンの製品に恥ずかしさを感じないなら、ローンチするのが遅すぎる

by Reid Hoffman (LinkedInの創業者)

完成させる人は、**「恥ずかしいレベルの未完成品」**を出します。

  • これがないと成立しない機能を1つだけ残す

  • それ以外はすべて「Ver 2.0」へ

  • バグがあってもいい

  • 見た目が微妙でもいい

  • 自分が使えるなら十分

完璧になる前に出すことが、何より重要です。


「終わりのない開発」を捨てる

アジャイル開発でよく使われる考え方です。
「やることを守るより、時間を守る」
いつまでも作り続けてしまうのを防ぐには、
締め切りを強制するしかありません。

  • 2週間で出す

  • 正月休みまでに出す

  • Advent Calendar が終わるまでに出す

期限を決めると、
機能を削る判断が驚くほど楽になります。


AI時代は「完成させる側」に回りやすい

ここまで、個人開発が完成しない理由と、
それを避けるために捨てるべきものを整理してきました。
そして今は、その「完成させる」という行為自体が、
これまでより圧倒的にやりやすい時代でもあります。
これまで、エンジニアの時間は
どうしても単純作業に削られがちでした。

  • CRUDの実装

  • 画面の雛形作り

  • 同じようなコードを書く時間

今は、そういった作業の多くをAIが一瞬で肩代わりしてくれます。
その結果、

  • 本当に必要な機能は何か

  • どこを作れば価値が出るのか

  • ユーザー体験としてどうあるべきか

こうした、一番おもしろくて、一番難しい部分
集中できるようになりました。

さらに最近では、
AIが主導し、人間が責任を持つ
AI-DLCというアプローチも出てきました。

これは、『作るスピードをAIに任せ、人間は「完成させる判断」に集中する』
という、この記事のテーマと相性の良いアプローチだと思っています。


新年こそ、リリースしよう

AIの登場で、
サービスを作るハードルは確実に下がり、
Work≠Buildとかのコミュニティもできたりして
日本の個人開発界隈も盛り上がって来ました。

あなたのPCに住んでいる亡霊を、
新年こそ外の世界にリリースして成仏させましょう。


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