ライバルの設定②

「また機会があれば参加してね」

監督らしき人からそう伝えられ、
その時はその言葉の意味を
まったく考えもしなかった。

たしか「ありがとうございました」
と、言葉を返したように記憶している。

とにかく'セレクション'が終わったことで
ホッとしていたのだと思う。

すぐに着替えて帰り際にもう一度、
読売クラブのスタッフの方々に
挨拶をしてその場を去った。

電車に乗っている時には、
まだ頭の中がボーッとして
何も考えられなかった。

電車を乗り継ぎ、
東京駅で新幹線に乗り込んで
しばらく時間が経ってから。

少し落ち着いたのか、
その日の自身のプレーを回想した。

正直なところ、
自身のプレーを回想することが怖かった。

焦りとか不安とか、
ネガティブな感情が頭の中でグルグルと回る
イメージしかなかった。

幸いなことに、
「まったく何もできなかった」
という絶望感はなかった。

冷静になって考えてみると、
いくつか納得のいくプレーも思い出せた。

不思議にも、
ちょっと楽しかった。

この感情が湧いてきたことに、
自分でもびっくりした!


この体験でのいちばんの収穫は、

「サッカーの上手い人たちと
サッカーするのってなんだか楽しい!」



あれほどの厳しい状況にさらされながら、
こんな感情が出てくることに
自分でも驚いた‼️


新幹線に乗って、
新大阪の辺りだっただろうか、
数時間、いろいろと考えるうちに、

「なんとかもう一度チャレンジしたい。」
という強い気持ちが芽生えた。

その後は、
ちょっと安心したのか⁈
広島駅に到着したこともわからないほど
爆睡した(笑)


それからしばらくは、
読売クラブで体験し、脳裏に焼き付けた
選手たちのプレーを回想しながら
自身のトレーニングに励んだ。

それから数ヶ月が経った頃、
突然、読売クラブから連絡があった。

「夏に、神戸で大会があります。
参加してみませんか?」

この内容を親から聞いた時は、
えっ、と少し驚いた。

まったく可能性が無かったとは言わないまでも、
ほかの選手たちとは明らかなレベル差があった
ことは否めない。

なのになぜ?
という気持ちだった。

なので、冷静に考えて・・

「失うものは何もない❗️

行くしかない。


いよいよ大会前日、
大きな荷物を背負って、
ひとりで神戸へ乗り込んだ!

そこにはとんでもない'怪物'がいた‼️


*次回に続く


'伸びしろしかない'



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