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年度末の風物詩「予算消化」という名の合法的な浪費。— 3月になると急増する謎の駆け込み発注の正体


皆さん、こんにちは。Social Pentagon マーケ部(仮)です。

私たちは、社会に潜む見過ごされがちな課題を「ビジネスの力」で解決しようと取り組んでいる、ソーシャルビジネスのスタートアップです。



カレンダーは3月中旬。いよいよ多くの企業や行政にとって、一年で最も奇妙な時期「年度末」がやってきます。

昔から、3月になると街のあちこちで道路工事が増えると言われてきました。「余った予算を使い切るために、わざわざ道路を掘り返しているのでは?」と。最近は行政側の発注時期が平準化され、多少は減ったとも言われていますが、それでもこの時期特有の光景です。

しかし、これは決して「お役所仕事」に限った話ではありません。民間企業のオフィスでも、これと全く同じような現象が起きています。
「今期の部署予算が200万円余っているから、今月中に使い切る方法を考えてくれ」

突然のハイスペックPCへの買い替え。誰が使うか決まっていないSaaSツールの年間契約。そして、ターゲットも曖昧なまま急ごしらえで出稿されるデジタル広告。今回は、日本経済の生産性を底なし沼に引きずり込んでいる悪習、予算消化という名の病理についてお話しします。


2. 名言の引用:膨張する無駄遣い


名言の引用:(シリル・ノースコート・パーキンソン / イギリスの歴史学者・政治学者)


「パーキンソンの法則(第2法則):支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」


人間や組織というものは、お金があればあるだけ使い切ってしまう生き物だという真理を突いた言葉です。しかし、日本の年度末に起きているのは、単なる無計画な浪費ではありません。「使い切らなければならない」という強迫観念に突き動かされた、極めて計画的な無駄遣いなのです。




3. 【現状】行政を笑えない。オフィス版「無駄な公共事業」


予算消化の恐ろしいところは、購買の目的が完全にすり替わっている点です。本来、広告を出稿したり、ツールを導入したりするのは「事業の課題を解決するため(ROI:投資対効果を高めるため)」です。しかし、3月になると、目的は「残りの200万円を1円も残さずに使い切ること」に変化します。

「受け皿となるLP(ランディングページ)も未完成なのに、今広告を回しても効果は測定できませんよ」という若手マーケターの真っ当な指摘は、「いいから何とか今月中に消化枠を作れ」という上司の一声でかき消されます…。

やっていることは、あの不要かもしれない道路工事と全く同じです。株主から預かった大切なお金(あるいは行政であれば血税)を無に帰す、合法的な「資金の浪費」に他なりません。


4. 【原因】節約した人間が「損をする」という評価のバグ


なぜ、真面目なビジネスパーソンや公務員がこんな愚行に走るのでしょうか。それは個人のモラルの問題ではなく、組織の評価システムのバグが原因です。

多くの伝統的な組織では、予算を余らせて期末を迎えると、次のように評価されます。「予算が余ったということは、最初からそんなに予算は必要なかったんだな(過大要求だったな)。じゃあ、来期の予算は削ろう」

つまり、工夫してコスト削減に成功した優秀な部署が「来期の予算減」というペナルティを受け、無意味な駆け込み発注も含めて予算をキッチリ使い切った部署が「現状維持」という報酬を得るのです。
これでは、誰も節約などするはずがありません。来期の自分たちの首を絞めないために、必死でお金を燃やすゲームが始まってしまうのです。


5. 【本質】「使い切ったこと」を褒めるな


この病理を解決するには、トップや財務部門の意識改革しかありません。

「与えられた予算内で事業を回した」ことは当然として、さらに、「無駄を省いて予算を余らせた(利益率を向上させた)こと」を、ポジティブに評価する仕組みが必要です。例えば、削減できた予算の一定割合を、その部署のメンバーのボーナス原資として還元する(インセンティブ設計)などのルールがあれば、社員は喜んで無駄を探し出すでしょう。

前年踏襲で予算を割り振るのではなく、毎年ゼロから事業の必要性を審査するゼロベース予算の導入も有効です。


6. まとめ:予算は「ノルマ」ではなく「投資」である


予算とは「ここまでお金を使っていいよ」というノルマではありません。 「この資金を使って、どれだけのリターン(利益や価値)を生み出せるか」を試されている「投資の原資」です。

年度末だからといって、無理にシステムを改修したり、効果のない施策を垂れ流したりするのを、今年はやめてみませんか?その数百万円を「使わずに利益として残す」ことこそが、経営層や株主、そして、社会から最も評価されるべき成果なのですから。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。




いかがでしたでしょうか。「無駄な出費」は、組織の体力を静かに、しかし確実に奪っていきます。次回も、皆さんの生活やビジネスに潜む課題について、一緒に考えていきたいと思います。


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