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「同意しないなら、45日後にアカウントを削除する」。— ベトナムの国民的アプリ『Zalo』が突きつけた『踏み絵』と、法律を無力化する独占の力


皆さん、こんにちは。Social Pentagon マーケ部(仮)です 👋

私たちは、社会に潜む見過ごされがちな課題を「ビジネスの力」で解決しようと取り組んでいる、ソーシャルビジネスのスタートアップです 🚀



以前の記事で、LINEやカカオトークといった「アジアのスーパーアプリ」の問題を取り上げました。今回は、ベトナムで人口の約8割が使う国民的アプリ「Zalo(ザロ)」の話です。

少し時計の針を戻しますが、2024年7月。ベトナムのネット界隈はある「通知」によって大炎上しました。Zaloがユーザーに突きつけたのは、あまりにも強引な「踏み絵」だったからです。

「新しい規約に『全同意』してください。嫌なら45日後にアカウントを永久削除します。」


法律で守られているはずの「個人の権利」が、たった一つのアプリの「独占力」の前に無力化される。今回は、ベトナムで起きているこの騒動から、形骸化した「同意ボタン」の恐怖について考えます。


2. 名言の引用:選択の自由 📜


名言の引用:(映画『ゴッドファーザー』のセリフをもじって)


「拒絶できない提案をしてやろう」 (I'm gonna make him an offer he can't refuse.)


選択肢が一つしかない時、それは「同意」ではなく「服従」と呼びます。プラットフォーマーは今、私たちに銃ではなく、利用規約を突きつけています 🤔




3. 【前提】ベトナムは「個人情報保護」の先進国?


まず、誤解を解いておきましょう。ベトナムは個人情報の取り扱いに無頓着な国ではありません。むしろ逆です。

2023年7月、「個人データ保護に関する政令(Decree 13)」という非常に厳格な法律が施行されました。この法律では、以下のことが明確に定められています。

  • データの収集には、ユーザーの「自発的な同意」が必要。

  • ユーザーは「部分的な同意」や「同意の撤回」をする権利がある。


つまり法律上は、「このデータは渡すけど、あのデータは渡さない」とユーザーが選べるはずなのです。


4. 【背景】「ベトナムのWeChat」と呼ばれる支配力


なぜ、そんな法律があるのに騒動が起きたのか。それはZaloがただのアプリではなく、絶対的な「社会インフラ」だからです。

  • 中国におけるWeChat(微信)

  • 韓国におけるカカオトーク

Zaloはこれらと同じく、メッセージだけでなく、決済、買い物、さらには行政手続きまで統合された「スーパーアプリ」です。ベトナムでは仕事の連絡も、家族との会話も、学校の連絡網もすべてZalo。これを使わないことは、デジタル社会での「死」を意味すると言っても過言ではありません。


5. 【事件】「All or Nothing」の衝撃


その絶対的な支配力を背景に、Zaloが行った規約改定(アップデート)は衝撃的でした。

「全同意」ボタンしかない:
規約には、Zaloがユーザーの個人データ(連絡先、位置情報など)を収集し、第三者と共有したり、AI学習等に利用したりする権利が含まれていました。しかし、ユーザー画面には「すべてに同意する」というボタンしかありません

拒否=死(アカウント削除):
もし同意しない場合、アプリは即座に使えなくなり、システムが「45日後にアカウントを永久削除する」と警告しました。


「嫌なら使うな」と言われても、やめれば社会生活が破綻する。ユーザーは「実質的な強制」の下で、震える指で同意ボタンを押すしかありませんでした。


6. 【反乱】「Zaloを消せ」という波


この強硬手段に対し、ついにユーザーの怒りが爆発しました。 「#DeleteZalo(Zaloを削除せよ)」SNS上ではボイコット運動が広がり、TelegramやSignalといった、よりプライバシーを重視するアプリへの「デジタル移民」が始まっています。

「俺たちのデータは、お前の所有物じゃない」法律家からも「政令13号(自発的な同意)違反ではないか?」という指摘が相次ぎ、現在も激しい論争が続いています。


7. まとめ:主権を取り戻す戦い


ベトナムのユーザーたちは今、不便を承知で「No」を突きつける戦いを始めました。

私たちが注目したいのは、これが「対岸の火事ではない」ということです。 もし日本で、ある日突然LINEが「全データを提供しないなら、明日から使えなくなります」と言ってきたら、あなたは拒否できますか?
※日本におけるLINEは、中国でのWeChatや韓国でのカカオトークとは使われ方が異なりますが。

2026年、データの主権を守るためには、法律だけでなく、私たちユーザー自身が「飼い慣らされない」という意思表示をする必要があります。

次にアプリが「規約の更新」を求めてきた時。 ただ反射的に同意ボタンを押す前に、一瞬だけ、ベトナムの彼らのことを思い出してください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました 🙏




いかがでしたでしょうか。ベトナムで起きたZaloの「強制同意」騒動。次回は、日本の23区で議論される「ゴミ有料化」について。あれもまた、見えないコストへの「同意」を問う話です。


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