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異世界③【連載台本・世にもになるまで書いてみた・57作目】

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○ 帰り道

 買い物帰りの主人公。両手にはレジ袋。かなり重そう。

主 (息を切らしながら)重い・・・ ったく、こんなに買わせんなよ・・・ 

 主人公 ブツブツ文句を言いながら家を目指す。
 目の前のマンションを通り過ぎると家は目と鼻の先。その時・・・

○ マンション・9階904号室・ベランダ

 904号室の住人が鼻歌を歌いながら、花の手入れをしている。

住 (鼻歌を歌いながら)ふふふ~ん♪
  (よろけて植木鉢にぶつかる)痛っ! ・・・あっ!!

 ベランダから植木鉢が落ちていく。

○ 帰り道

 再び主人公。息を切らしながら家を目指す。
 そんな彼を目がけて、植木鉢は加速しながら落ちていく。

主 (頭上に迫る気配を察知して)・・・え。

 重い荷物を持っていたがために、避けられない主人公。
 頭に当たるその時、またしても「まばゆい光」が彼を包む。

主 (心の声で)え!? また!? 
   ・・・待てよ。今度こそ俺は勇者に・・・!!

 光と共に彼の姿が消える。路上にレジ袋がドサッと音を立てて残る。
 植木鉢も粉々に。

○ 主人公の家・リビング

 主人公 ソファーに座っている。とても不機嫌なご様子。
 横には小さな柴犬。可愛い。
 母 掃除機をかけている。

犬 (主人公に向かって)ワン!

 主人公 無言で膝の上に乗せ、犬の頭を撫でる。

主 (語り)次はなんだ?「○○家に犬がやって来た世界」か?
  これのどこが「異世界」なんだよ!
母 あ、そうだ。アンタ今日大学休みよね?
主 (小声で)・・・またかよ。
母 え? また?
主 (気付いて)・・・いや。何でも無い。買い物でしょ?行ってくるよ。
母 あら! なんでわかったの!? じゃあ【犬の名前】のエサと・・・

 主人公 スマホで頼まれたものをメモする。

○ スーパーマーケット・サッカー台

 主人公 買った商品を袋に詰めている。

主 (心の声)何度考えてもおかしい・・・
  「異世界に飛ばされたら俺の家族が犬を飼い始めた件」? 
  こんな物語、誰が読むか!

 主人公 袋詰めを終え、出口に向かう。

○ スーパーマーケット・出入り口

 主人公 両手にレジ袋を抱え家を目指す。

主 (心の声)まぁ、所詮「異世界」なんてフィクションだよな。
  そう簡単に飛ばされる事なんて・・・

 駐車場から強烈なスリップ音が聞こえる。

主 (心の声)なんだこの音? ・・・え?

 暴走車が猛スピードで、出入り口に向かって走ってくる。
 停まる気配は無い。

主 (心の声)マジか・・・ 俺また死ぬのか・・・
  ・・・いや。これって「異世界チャンス」か!?

 主人公の体をまたまた「まばゆい光」が包む。
 主人公 どこか嬉しそう

主 (心の声)キタキタキタ! この光は間違いない! 
  今度こそ俺は「勇者」に・・・

 「まばゆい光」が消えると同時に主人公の姿が消える。
 床にレジ袋が落ちる。その瞬間、店に車が突っ込んでくる。

○ スーパーマーケット・駐車場

 スーパーマーケットの駐車場
 事故を見て悲鳴を上げるお客さんの声が響く。


○ 主人公の家・リビング

 朝10時頃。
 母親 ソファーでくつろいでいる。 
 リビングを掃除するのは掃除ロボット。犬も興味津々。
 主人公 その様子を見て頭を掻きむしる。

主 (心の声)違う違う違う! 
  これは掃除機から掃除ロボットに「買い換えた」だけ!
  俺が望んでんのはこんな世界じゃねぇんだよ! 

 主人公 リビングを出て行く。
 廊下を歩く主人公。

主 (語り)この後も俺は何度も「異世界」に飛ばされた。だが・・・


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