【連載台本・世にもになるまで書いてみた・38作目】最終決戦②
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○ バッターボックス
打席には9番・キャッチャー・キャプテン。
粘り疲れからか汗だくになっている。
しかし心は冷静で、相手投手の球種を読んでいる真っ最中。
9 (心の声で)次は低めの変化球。そして球種はスライダー。
手を出せばたぶん三振で2アウト。ここはもちろん・・・
来たのは読み通り、低めのスライダー
見送ればボールだがなんとバットが出る!
・・・ギリギリファール。
9 (心の声で)くそ! タイミングが合って【きやがった】!
キャプテン 一度打席を外す。膝が限界の様子。
9 (心の声で)俺は(選手名)。
「ハタダ電気」に入部して13年か。
正捕手にキャプテンとしてずっとこのチームを引っ張ってきた。
・・・だが俺は一刻も早く野球をやめなければならない。
というのも・・・
○ チーム寮・応接間(回想明け)
キャプテン 応接間で「お偉いさん」2人と話している。
9 監督ですか・・・
? そうなんだよ(選手名)くん!
我が野球部はここ最近低迷しているのは知っているかね。
9 まぁ・・・ はい・・・
? それなら話は早い!
OBであり野球脳に長けている君に次期監督をお願いしたくてねぇ。
頼む!君の力で母校を救ってくれないか!!
9 でも・・・
? でも何だい?
9 とてもありがたいオファーなのですが、
まだこのチームで優勝していないので・・・
それに、怪我持ちの僕を取ってくれた恩を返し切れていないですし・・・
? ・・・大丈夫。「ご恩」ならたっくさん用意してきたから。
「お偉いさん」 机に小切手を差し出す。
○ バッターボックス(回想明け)
回想明け。
ボールカウントが1つ増えフルカウントに。
9 (心の声で)このチームが嫌いなわけじゃない。
ただ・・・・・・
「あんな額」を出されて断るやついるか!?
もちろんいつかは指導者になりたかったけど・・・
でもおかげで「やめる口実」も「やめる勇気」も持てた。
次はフォークを振れば2アウトだ。振るぞ・・・ 振るぞ・・・ きた!
読み通りフォーク。
フルスイングで三振を狙う。
○ 1塁側ベンチ
いつの間にか、選手の多くがベンチから身を乗り出している。
主人公もその1人。
主 (心の声で)これで2アウト! キャプテンナイス・・・
○ バッターボックス
キャプテン レガースとバッティンググローブをボールボーイに渡し1塁へ。
実況と解説が流れる。
実 バットが止まった! 判定は・・・ボール!
フォアボールでランナー1塁となります。
いやぁ~ 今の対決は痺れましたね~
解 そうですね~ これぞ熟練の技ですね。
実 フルカウントからフォアボールで出塁。1アウト1塁です。
続くバッターは・・・
○ 一塁ベース上
一塁に進んだキャプテン。
一塁コーチャーに話しかけられる。
9 (心の声で)しまった・・・
フルスイングするつもりがつい止まってしまった・・・
どうしよう。 牽制で引っかかるか・・・?
悩むキャプテンに1塁コーチャーが話しかける
一 おい。交代だ。
9 いや、コーチ。俺はこの試合に懸けてるんです。
最後まで出して下さい。
一 しかし・・・
9 お願いします。
一 ・・・わかった。
一塁コーチャー 近くまでやってきた代走をベンチに返す。
続けてベンチに向かって合図。「代走無し」と送る。
○ 一塁側ベンチ
代走 やや不服そうに戻ってくる。
監督とヘッドコーチ 何か話している。
ヘ 監督・・・ いいんですか・・・? アイツ膝に爆弾が・・・
監 (食い気味に)いいんだよ気にしなくて。どうせ最後の試合なんだ。
ヘ ですが・・・
ヘッドコーチ 不満があるのか監督に説得し続ける。
監督 頑として首を縦に振らず、説得を聞き流す。
○ 一塁ベース上
キャプテン 一塁で真剣な眼差し。
キ (心の声で)
やっぱ牽制で引っかかるのはわざとすぎるか。
じゃあオーバーランで・・・ いや俺の膝持たないな・・・
何か良い方法は・・・
どうやって「アウト」になるかを考えてる中で、
打席の1番打者に目が行く。
鬼気迫る表情でスイング確認中。
9 アイツ・・・
(我に返り)俺のバカ!
後輩が必死に戦ってるのに俺は何てことを・・・
そうだよ! 俺が負けを祈ってどうする!!
頼む(1番打者)! どんな形でも良いから繋いでくれ・・・!
キャプテン 塁上から必死に1番打者を鼓舞する
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