見出し画像

オフショット ①【創作台本・世にもになるまで書いてみた・141作目・全7話】

あらすじ
女性フォトグラファーの主人公は、テレビ局でゾンビに追いかけられていた。
襲われる寸前、手にしていたカメラでゾンビを撮影すると、ゾンビは急に正気を取り戻す。
彼女の職業は普通のフォトグラファーではなく、「役者を役から戻す」ための「オフショット専門フォトグラファー」で・・・

1~140話目はこちら!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

○ テレビ局・スタジオの廊下

 どこか薄暗いテレビ局の廊下。
 主人公(20代後半女性・カメラマン) 誰かから逃げているのか、必死の形相で廊下を走る。

ゾ ア゛ァァァ・・・

 主人公を追いかけているのは男性のゾンビ。
 主人公 行き止まりに辿り着き、絶体絶命。

主 お、落ち着いて・・・! そこで止まって・・・! 写真撮りますから!!
ゾ ア゛ァァァ・・・

 ゾンビ 止まること無く、どんどん主人公に近づいてくる。

主 あれ? 上手く押せない・・・!

 主人公 恐怖で手が震え、カメラのシャッターを上手く押せない。
 ゾンビ 主人公の目の前までやってくる。まさに絶体絶命。

ゾ グア゛ァァァ・・・!

 ゾンビ 主人公に襲いかかる。
 主人公 声も出せずにしゃがみ込み、震える手でゾンビにカメラを向ける。

 カメラのシャッター音。音と同時のタイミングで、ゾンビの動きが止まる。

ゾ (数秒黙ったのち、正気に戻り)
  ・・・ごめんなさい! お怪我はありませんか!?
主 だ、大丈夫です・・・ ちょっと怖かったですけど・・・
ゾ 本当にすみません。。。役に入り込んでしまったようで。。。
主 ・・・演技が上手い証拠ですよ。きっと。
ゾ (嬉しそうに)ありがとうございます!!

 ゾンビ(役)と主人公の元にドラマスタッフが駆けつけてくる。

ス いたいた!
  (主人公に向かって)ごめんなさいね~ 
  彼、かなりゾンビの素質あったみたいで・・・
  (ゾンビ役に向かって)ほら! 楽屋戻るよ!!
ゾ はい・・・

 主人公 その場に立ち尽くしたまま、疲れ切った様子でため息をつく。

○ 写真館

 どこかレトロチックな写真館。
 主人公 疲労困憊な様子で帰ってくる。

主 ただいま帰りました・・・

 写真館の主人(40代後半~50代前半の男性・メガネ姿) カメラの手入れをしながら、主人公に声をかける。

写 おう、お疲れ。

 主人公 倒れ込むように、近くのイスに座る。

主 もうヘトヘトですよ。。。
  何十体もゾンビ撮って、終いには追っかけられて・・・
写 まぁ、お化け役の撮影は難しいからねぇ・・・
  良い経験になったでしょ?
主 ・・・たまには師匠も現場来て下さいよ!
写 いやいや、私だって仕事が忙しくてね~
主 そんなこと言って! ただサボりたいだけでしょ!!

 主人公と写真館の主人 言い争う。

主 (ナレーション)
  子どもの頃から写真を撮ることが好きだった私。
  この仕事はまさに天職。
  ・・・だけど、1つだけ理想と違っていた。

写 よし! 言い争いはおしまい!
  これ、明日の現場ね。「学園ドラマ」だし、すぐ終わるでしょ。
  がんばってね~

 写真館の主人 怒る主人公に無理矢理「ドラマのロケ現場が書かれた地図」を渡し、写真館の奥に引っ込む。

主 ちょ、まだ話終わってない・・・!
  ・・・もうっ!

 主人公 写真館の主人へのイライラを隠しきれないまま、地図を見る。

○ 教室

 生徒たちのカット。黒板の前で集合写真を撮る準備をしている。仲良いグループで固まっており、至って普通の高校生達に見える。
 主人公 生徒たちの集合写真を撮る。

主 (若干気だるそうに)じゃあ行きまーす。はいポーズ。

 シャッター音。
 撮り終わると、生徒達はどこかよそよそしい振る舞いに。
 主人公のカット 写真の確認をしている。

主 (ナレーション)
  撮っているのは全て「ドラマのオフショット」。
  フォトグラファーはフォトグラファーだけど、
  私は「オフショット専門」のフォトグラファーだ。

 カメラと集合写真のカット。
 タイトルテロップ『オフショット』


いいなと思ったら応援しよう!

あじふらい【奇妙な世界を目指して1504日目・現在146作目】 ご覧頂きありがとうございます! よろしければサポートお願いします・・・!