倍増 ①/全4話 【創作台本・世にもになるまで書いてみた・127作目】
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○ 勤務先近くの横断歩道
主人公(30代男性・工場作業員・つなぎ姿) 青信号に変わるのを待っている。ややイラついている。
主 (ブツブツと)おっせーな・・・ 早く青になれよ・・・ ったく・・・
主人公の横に、カゴに載せられた保育園児達とカゴを押す保育士2人(どちらも女性)がやってくる。
保育園児達 「ふしぎなポケット」を熱唱中。
主人公 保育園児達を嫌そうな目で見つめる。
○ 勤務先(工場)・更衣室
主人公 鼻歌で「ふしぎなポケット」を歌いながら、身支度をしている。
横の後輩(男・20代・茶髪) ニヤニヤしながら主人公に話しかける。
後 なんか楽しいことでもあったんすか?
主 別に。頭から離れねぇんだ。保育園のガキ共が真横で歌っててよ・・・
後 あ~ それは災難っすねw
主 だいたい「叩いて見るたび増える」ってなんなんだよ。馬鹿馬鹿しい。
(財布をポンと一度叩き、中を見て)
増えりゃこんな仕事やらねぇっての。
後 そうっすね~。ははは。。。
主人公 ため息をつきながら、ロッカーを閉める。
○ コンビニ・レジ
その日の夜。
主人公 タバコの銘柄を選んでいる。
主 24番ひとつ。
店 かしこまりました~
コンビニ店員(20代女性・大学生) タバコ台から商品を1つ取り、バーコードを読み取る。
店 お会計1200円になります。
主 ・・・あいよ。
主人公の財布のアップ。1000円札が2枚と小銭が数枚。
主人公の表情。やや躊躇しながらも、1200円を店員に差し出す。
主 ・・・ん。
店 お客様。当店はセルフレジとなっておりまして・・・
主 ・・・すまん。
主人公 バツが悪そうにセルフレジで会計を始める。
○ 主人公宅・玄関
誰もいない真っ暗な自宅。ワンルームのボロアパート。
扉の開くSE。
主 (ポツリと)ただいま帰りましたっと・・・
主人公 家の電気を点ける。
自宅はいわゆる「汚部屋」。あちらこちらにゴミが散らばっている。
主人公 ゴミをかき分けながら、部屋の中に入っていく。手には請求書らしき紙が数枚。
○ 主人公宅・室内
主人公 テーブルの前に敷かれた座布団に腰掛け、請求書に目を通す。
請求書のカット。電気・ガス・水道といったライフライン代。どれもやや割高。
主 ・・・また上がってんじゃん。。。ふざけんなよ。。。
主人公 請求書をテーブルの上に置き、一旦立ち上がり冷蔵庫の元へ。
冷蔵庫の中のカット。自炊はしない主義なのか、入っているのは酒・最低限の調味料・賞味期限不明の食材。部屋と同じくかなり汚い。
主人公 缶ビールを1本取り出す。
主 ラスイチだったか・・・
明日買い足し・・・
いや、今月ピンチだしな。次の給料日までガマン・・・・・・はできんな。
でもなぁ、最近高ぇからなぁ。。。
・・・・・・今日はガマンすっか。
主人公 名残惜しそうに冷蔵庫の扉を閉める。
数時間後。
主人公 いびきを掻いて熟睡中。
枕元に置かれた充電中のスマホ。画面が突然点く。LINEが届いた様子。送り主は「いいこと倍増キャンペーン 事務局」。その下には「おめでとうございます! ○○様が倍増キャンペーンの対象に・・・」と本文の途中まで表示されている。
白字のタイトルテロップ『倍増』
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